石ノ森章太郎物語

 8月25日の夜、日テレの「24時間テレビ41 愛は地球を救う」の中で「石ノ森章太郎物語/ヒーローを作った男」が放映された。あるスジの方から、ぜひ見てほしいと言われ、普段まったくドラマを見ない小生も、仕方なしに見ることになった。
 ぜんぜん期待せずに見始まったが、予想に反し、かなりおもしろかった。章太郎のトキワ荘時代がストーリーの中心だったのでトキワ荘も頻繁に登場し、これがまた非常によく出来ていた。あとでググってみたら、取材協力:萬画館となっている。てーことは、小生のトキワ荘も、ある程度参考にしながらセットを組んだのだろう。窓の外から部屋の中を覗き見るショットでは、軒下の紐に挟んだ洗濯バサミの位置まで、拙作とまるでおんなじだったので、少し嬉しくなった。だが昨今の調査によって、新たにわかったトキワ荘像とは、微妙に違っていた箇所もいくつかあった。
 ①窓枠の色が違う。ドラマでは茶色だったが実際は白だった。
 ②各部屋への入り口の幅が違う。ドラマでは入り口が半間(910㎜)だったが、実際は半間プラス4分の1間(455㎜)という、日本家屋としては変則的寸法だった。
 ③廊下を挟んで向かい合う各部屋は、半間ずつズレて並んでいたことが最近の調査でわかったが、ドラマでは同位置に向かい合っていた。
 ④畳の敷き方が違っていた。
 ⑤押入れの襖の柄(章太郎以外の部屋)が違っていた。
 ⑥玄関のドアが違っていた。ドラマでは普通の両開きの扉(ドアノブ付き)だったが、実際はスイングドアーが使われていてドアノブはなかった。
 以上①から⑤までは、萬画館に置いてあるわたしの作品が間違っているので、それを踏襲したであろうドラマでも間違ってしまったと考えられ、半分以上わたしの責任だ。しかし⑥は、スイングドアーなるものが、現在ではほとんど使われていないため、分かりやすさを求めて、わざと普通の扉の、普通の玄関を作ったのだろう。
 ついゴチャゴチャ言ってしまったが、もちろんそういったことがドラマの価値を左右するものではまったくなく、視聴率16.2%という、この手の番組としては驚異的数字をたたき出したそうである。
 再放送があったら是非ご覧ごください。

イケメンすぎる章太郎


2018年9月9日