ヨシミツ文

 ネタがないときに使ってくださいと以前ヨシミツさんからいただいた一文がある。小生のことを“大先生”などと書いてあり、その辺が困ったものだが、本日ネタナシに付き、そのまま掲載する。

 僕が生まれた頃、そして大先生が20歳になったばかりの頃、グループサウンズなんてもんが猛烈に流行った。タイガース、テンプターズ、ワイルドワンズ・・・。年配の方なら名前を聞くだけで懐かしく思われるだろう。しかしタイガースだのは、いわばスターであり、あまり名も知られずに解散してしまったグループも数多い。その中に「オリーブ」というグループがあった。
 グループサウンズとしては最末期にあたる1969年のデビュー。すでにグループサウンズ自体の人気が冷えていた頃だ。しかし実力は折り紙付きであった。グループサウンズ再評価に貢献した評論家の黒沢進氏も賞賛している。もし、あと少しだけでも、デビューが早かったら・・・、もしかしたら日本の音楽シーンの歴史は変わっていたかもしれないのだ。

 話は急に変わる。
 場所は田端駅からほど近いもんじゃ焼き屋。大先生の行きつけの店なのだが、昭和チックな店構えで、愛想の良い大将が美味いもんじゃ焼きを焼いてくれる。
 もんじゃ焼きをサカナに、相変わらず濃いめのウーロンハイをあおる大先生。
 「ここの大将は昔ギターをやってたんだよ。ねぇ大将」
 すると大将はそれに答えて
 「いや、今もやってますよ」
 「あ、だから店の名前が『てけてけ』なんだ」
 と僕。
 たしかに数本のギターが飾ってある。しかし大将はそれ以上は何もいわない。  しかし、わかる人にはわかるだろう。この大将こそ、幻の名バンドといわれたオリーブのギタリストだったということを。
 (以上、原文のまま。)

 要はもんじゃ焼き屋のマスターが元グループサウンズのメンバーだったというはなしである。皆と良く行く店なので「へえ~」と思った御仁も多いだろう。
 ヨシミツさんありがとう!

左がマスター


2016年7月9日