題名の効用

 むかし駆け出しのころ、「芳賀さん、題名は大事ですよ…」と某画廊のオーナーから言われたことがあった。作品が良くても題名が良くなきゃ売れないというのだ。なるほどと思った。
 以後真剣に題名を考えるようになり、ちっちゃな保線事務所に対しては「孤独の世界」という題名をつけた。するとその作品がぽつぽつ売れるようになり、この20年のあいだには、少なくとも20点は売れているはず。最初は一点5万円だったが、いまは一点194,400円である。(秋葉原のラジオ会館6F「イエローサブマリン秋葉原本店★ミント」で取り扱っています)。
 その19万の作品がこのところ立て続けに3個売れ、とうとう在庫切れに。しょーがないので、いままとめて4個いっぺんに——-うち一個は教室の制作課題として——-つくっているが、おんなじものを4個もつくるってーのは本当にしんどい。引き続き売れるようならば、そのうち一個39万円にしなけりゃならん…かもしれぬ。
 それもこれも題名の効用だろう。タイトル板(「孤独の世界」と書いた板)だけを送ってほしいというメールが届いたこともあった。

「孤独の世界(1/80)」量産中!


2015年9月12日