オランダのこと

 悲惨な状態ではじまったオランダ旅(前回)だったが、その後状況は一変。ダメなホテルをチェンジし、車の運転にもなれ、さわやかなヨーロッパの秋を満喫した。
 だが目的だったミニチュアショウ「The Big Event」はまったくの期待外れで、ほとんど見るものがなかった。広大な会場に推定5000人ものビジターがひしめいてはいたが、肝心の内容がいまいちで、アメリカやイギリスのショウとくらべて演出・品質ともに明らかに見劣りがした。その上シカゴショーでの顔見知りであるオランダ人ディーラーたちは出場しておらず、顔見知りのヨーロッパ勢ディーラーたちもひとりも出ていなかった。(ちなみに会場の約半分がドールハウス、残りの半分がドールアート〈人形〉で占められていたのだが、ことドールアートに限って言えば文句のつけようがなく、人形愛好家にとってはかなりのオススメであろう。)
 場合によってはディーラー出場を視野に入れての視察だったが、期待外れとなると突然興味が薄れ、何も買わず、ほんの数時間で会場を後にした。
 というわけで、ショウはたいしたことがなかったが、今回収穫だったことのひとつは、古典絵画のスゴさを改めて認識したこと。
 オランダといえば絵画の国である。ふらっと立ち寄ったミュージアムで本物の油絵に触れ、この歳にしてはじめて絵を見ることの楽しさを知った。これをきっかけにいくつかのミュージアムをはしごすることになり、だいたいの有名な絵は見て回った。
 もともと私のアート・イン・ボックスは「立体的な絵」としてつくりはじめたが、いつの間にかミニチュア模型の方向へと流されていたことを反省し、ここいらで初心に帰り、もう一度絵画の方向へのシフトチェンジを図ろうと、オランダのミュージアムを見て、改めてそう思った。
 (オランダからは予定通り10/24日に帰国いたしました)。

ドールアートの会場にて


2017年10月28日