延期になりました

 下の写真、なんだかわかりますか?
 そうです。復元された実物大のトキワ荘です。正式名称「トキワ荘マンガミュージアム」。模型ばっかりを見てきた目には異常にデカく映った。
 以前この物件の壁の色にケチをつけたことがあったが、この日は窓枠の色に疑問を感じた。むかしの交番によく使われていたこの色を水浅葱(みずあさぎ)というらしいが、区からの依頼で本件の模型をつくっていた当時、窓枠は白にするよう担当者から指示を受けた。だがこのアパートが建ったのは昭和27年。その時代に白い窓枠はちょっと考えにくく、確認のため、わたしは元トキワ荘在住の漫画家水野英子先生とトキワ荘の元大家天野喜秀氏に電話で問いあわせてみた。そしたら彼らも白だと口を揃えておっしゃる。ならば仕方がない。白い窓枠での作品を制作し、区に納入した経緯がある。それがなんでいまさら水浅葱(みずあさぎ)になったのか。(白よりはるかに壁色にマッチしているとは思うが‥。)
 ちなみにこのトキワ荘マンガミュージアム、本来ならあさっての日曜日(22日)にオープンの予定だった。しかしこのご時世である。4月以降へと延期になってしまった。仕方がないので数日前にちらっと見に行って、とりあえず外側からの写真を撮ってきた。

トキワ荘マンガミュージアム
場所: 東京都豊島区南長崎3-9-22南長崎花崎公園内

コロナ騒動

 コロナ騒動が収まる気配をみせない。
 しがないぼくの教室でさえ、2月19日に開催予定だったペンギングルーブの制作講座がお流れになり、3月1日のデカルト通り制作講座も休講となった。本来ならいまごろ毎日スタジオに通ってきているはずの台湾のヤンさんも、この騒動のため、今回は来日していない。
 参加者の中から懸念の声があがれば、これからも休講はありうるだろう。それはよいが、まだ終息していないため、代替講座の日程が決められない。つまり、しばらくやらなくてもよいってことなので、小生にとっては近年まれにみるよゆーの時間を授かったことになる。ちょっくら自宅を直したり、ガラ空きの劇場で映画を堪能したり、のんびり銀座で買い物をするなど、ひさしぶりに時間に追われぬ日々を味わっている。
 ぼくにとっては恵みのコロナだ。
 このままゆる〜く続いてほしいなあ。

キツネにマスクを被せてみた。
コン、コン、

消防署(1/80)完成

 長年続いていた木造ストラクチャー制作教室のひとつが、最後の課題作だった「消防署」(写真の作品)を先日つくり終え、グループ全員がそろって“卒業”した。少し前に、彼らは「火の見やぐら」もつくり終えていて、それらの作品をふたつ並べることによって、めでたく「火の見やぐらの情景」が完成したことになる。
 この教室は、最初はかんたんな小屋からつくりはじめるが、その後だんだんと複雑な作品へと進んでいく。するとこちらの準備が次第にかんたんではなくなり、いくら行ってもキリがない。だからこの超難解な「消防署」の完成をもって本教室のゴールポイントとしている。
 ちなみにこのグループは4年前に9人でスタートした。しかし時間が経つにつれ、リタイアする者が続出し、また一方では途中から加わるツワモノが混入し、いつのまにか最初のメンバーのほとんどが入れ替わった状態でのゴール・インだった。結局最後は7名、そのうちはじめっからの生徒はたったのひとりだけという長い旅路だった。
 ま、そんなわけで、この教室は終わったが、参加者の中から、次はアートインボックスをつくりたいという声があり、少し間をおいてから、ブーランジェリー制作教室(1/12)をはじめるつもりだ。(月一回週末の午後開催予定)。そのときにはまた改めて募集をかけますが、そんなに大人数は受け入れられません。新教室にあぶれたくない人は、いまからでも構いません、お申し出ください。

消防署(1/80)
なおこの課題作は約一年後にもうひとつのストラクチャー教室でふたたび取り上げる予定です。

元生徒たちガンバレ!!!

 東京有明にスモール・ワールドという情景ミニチュアの新しいテーマパークが出来つつある。と言ってもわかりずらいかもしれない。要は鉄道模型レイアウトの巨大版が出来つつあると考えれば、当たらずとも遠からずだ。
 https://www.smallworlds.jp/
 いまその製作工事が佳境を迎えているが、ミニチュア作りの腕を買われて、ぼくの教室の元生徒氏らが、なんとこの施設の制作スタッフとして現場で汗をかいている。さいしょは確か2年ぐらい前に、元生徒のラルカちゃんがはたらきはじめ、次にまゆみちゃん(やはり元生徒)、つづいてナベちゃん(元生徒)、そして小西さん(現生徒)が加わり、現在計4名のはが教室出身者たちがここではたらいている。ほかにAFVモデラーの金子さんや情景師のアラーキさん、そして何人かのフェイスブックフレンドもかかわっているこのスモール・ワールド。一体どんな施設なのかと以前から気になっていた。
 そんな折、ラルカちゃんから見に来ないかというお誘いがあり、先日うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の山野会長、佐野匡司郎氏とともに見に行った。
 なにしろまだ制作の途中なので、散らかった現場の状況をネットに掲載しないでほしいと言われ、くわしくは述べない。ただ言えるのはデカイの一言。それと、本当にこれでオープンに間にあうのかと心配になるぐらい、まだまだ未完成なゾーンが多く、前途多難が予想された。
 オープンは4月25日だそうだ。
 元生徒のみんなガンバレ!!

説明するラルカちゃん。
猫の手を借りたいほどに忙しく、現在バイトを募集中とのこと。希望者は至急ご連絡ください。 模型づくりが好きなひとにとってはパラダイスみたいなところです。

やすらぎの刻〜道

 前回も書いたが、現在放送中の昼ドラマ「やすらぎの刻〜道」の撮影がすべて終わった。そのため、長らくこの番組に貸し出していた以下10点の作品が返却され、帰ってきた。(出店者のみなさん、今回はどこも壊れていませんでしたのでご安心ください)

 ①遠藤大樹作品: 「コモリ時計店」「ガソリンスタンド」の2点
 ②杉山武司作品: 「赤いトタン屋根の家」1点
 ③井岸一臣作品: 「時計のオブジェ」「万年筆のオブジェ」の2点
 ④関根裕子作品: 「木造機関庫」1点
 ⑤芳賀一洋作品: 「ベランダのムード」1点
 ⑥芳賀一洋作品: 「THE KID」1点
 ⑦芳賀一洋作品: 「赤いテントのタマゴ屋」1点
 ⑧芳賀一洋作品: 「ル・マタン・ブロン(白い朝)」1点

 上の作品のうち③の井岸作品は主人公石坂浩二の部屋に飾られ、①の遠藤作品と②の杉山作品と④の関根作品は談話室(談話コーナー?)に、わたしの作品⑤⑥⑦⑧は理事長室とホール(食堂?)に、それぞれ飾られて、番組が収録された。ちなみにこのドラマは回想シーンがやたらと多く、ときには回想シーンだけで終わってしまう回もある。そこにわれわれの作品は登場しないが、そんなときにも作品提供者として常に「はがいちよう&渋谷クラフト倶楽部」の名前が、番組冒頭のテロップに流れているようだ。(ある聴視者の証言による)。
 まだしばらくはやってますので、ぜひチェックしてください。
 ——3月末まで、月〜金、ひるの12時半からテレ朝です。

理事長室
奥にHAGA作品が。

クランクアップパーティー

 月曜〜金曜まで、毎日放送されているテレビ朝日の昼ドラマ「やすらぎの刻、道」(作:倉本聰)に、うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)とぼくが、計10点の作品を貸し出しているというはなしは、当欄で何回もお伝えした。それらの作品は、ドラマの室内装飾品として使われ、番組のクレジットタイトルにわたしの名前もでている。
 去年の4月にスタートしたこの番組はいまもつづいているが、残念なことに来月末をもって終了だそうだ。すでに撮影はすべて終わり、その「打ち上げパーティー」(クランクアップ・パーティー)が、日比谷の帝国ホテルで派手やかに開催された。どういうわけか小生にもお誘いがあったので、おとといの晩、図々しくも行ってきた。
 いやあスサマジイものだった。
 石坂浩二に浅丘ルリ子、いしだあゆみに風吹ジュン、草刈民代にミッキー・カーチス、名高達男に清野菜名、等々、等々、そこいらじゅう俳優だらけ。
 出かける前はかなり憂鬱だったが、行ったらけっこうたのしめた。
 さすが帝国ホテル、酒もメシもうまかった。

浅丘ルリ子さんと。
ルリ子さんの後ろは倉本聰(後ろ向き)、その右は平泉成。

トキワ荘の時代

   おととい筑摩書房から本が届いた。
   わたしの作品(1/15トキワ荘)が表紙になっている梶井純著「トキワ荘の時代」(ちくま文庫)。1993年に一度別の表紙で出版され、このたび表紙を変えて再出版されることになった本である。
 内容は、トキワ荘に暮らした若いマンガ家たちのリーダー的存在だった寺田ヒロオを中心に、トキワ荘での暮らしぶりを詳細に綴ったノンフィクション。
 昨夜半分ぐらい読んでみたが、彼らが残した文章や、日記や、インタビューで語った言葉などから浮かび上がってくる天才マンガ家たちひとりひとりの心のヒダを詳細に分析し、それぞれの人物像に迫っている。なかなかの名著と見た。まだぜんぶ読んじゃいないが、拙作が表紙となれば最後まで読まないわけにはいかない。
 来月にはトキワ荘が復元されるというこの時期に、タイミングよく出版されるトキワ荘本の表紙をかざることができて非常に喜んでいる。
 2月10日より筑摩書房(ちくま文庫)より発売予定。
 アマゾンで買えます。


表紙は石巻市の「石ノ森萬画館」に展示中の拙作トキワ荘より、石ノ森章太郎の部屋。(撮影:サト・ノリユキ)。奥の襖絵は水野英子女史(トキワ荘に暮らした唯一の女性マンガ家)によって描かれ、書籍の類は元生徒田山まゆみさん、電気スタンドは我がクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の佐野匡四郎氏によって制作されるなど、多くの方々の協力によってつくられた(1/15)。