小さなペンギン作品

 写真の作品は、ぼくの教室の生徒でも見たことのないひとが多いだろう。
 ひさしぶりに小さなペンギン作品(1/12)が戻ってきたので、いまあちこちを修理している。修理が終わったらペンギンギャラリー(そういう店が実在する)の社長がやってきて持ち帰ってしまうので、その前に、チラッと写真を撮った。
 つくったのは確か2004年だった。おなじ年に、ひとまわり大きい、つまりふつうの大きさの「ペンギンギャラリー」という作品(作品ギャラリーに掲載あり)もつくり、更にその9年後に「ペンギン兵が立つ酒場」という作品(これも作品ギャラリーに掲載がある)もつくった(2013年)。それら一連のペンギン作品のはしりになったのが本作である。小さいが、明るくのびのびとした、とてもよい作品だとおもう。
 あとでちゃんと写真を撮って作品ギャラリーに掲載する予定。

ちなみにいま「ペンギン兵が立つ酒場・制作教室」を開催中だが、コロナ禍がはじまって以降、もう長いこと、一回も開かれていない。

DC-3はNGだった

 (10/23日付記事の続きです)
 マンガ「ねじ式」のファーストシーン上空には真っ黒に描かれた大きな飛行機が飛んでいる。その黒い絵から機種を特定してほしいといわれ、わたしは東京ソリッドモデルクラブのテッシー氏に連絡した。ほどなくそれが米軍のダグラスDC-3だとわかり、さいわいプラモデルが市販されているので、つくるのはそうむずかしくないとのこと。その旨を才谷監督の右腕であるA氏に報告すると「ぜひつくって下さい。プラモでOKです。原作通りの絵にしたいので、飛行機のディティールはほとんど見えませんので」とおっしゃった。
 結局テッシーがプラモをつくり、できあがった飛行機(1/72)を持って、先日阿佐ヶ谷の監督の事務所にお邪魔した。
 到着後ただちにテッシーを紹介すると彼はさっそく飛行機の説明をはじめた。そのとたんに場の空気が一変。ブツを見るなり監督からビシバシとスルドイ突っ込みが入り、あっというまに持参したダグラスDC-3は見事NGの海に沈んでしまったのである。監督曰く「50年前の特撮ゴジラの飛行機みたいだ」。曰く「ミッドウェイ(今年公開された映画)と比べ見劣りがする」等々、NGワードのオンパレードである。また「カメラはできるだけ機窓に寄り、中に乗っている人の気配までを感じさせたい」や、「おなじ飛行機がベトナムに飛び、ナパーム弾を打ち、人を殺す」など、など。
 な〜んだよ、A氏の言ったことと、まったく違うじゃん!
 つくったテッシーが怒り出すんじゃないかと心配したが、ぜんぜんそんなことはなかった。けっきょく説明(監督演説?)は2時間以上におよび、そのあと全員で近所のホルモン焼き屋へと移動。大量のNG砲が飛び交った割には、なぜかテッシーと才谷氏の相性はすこぶる良く、次の飲み会(映画会?)の約束まで交わしていた。ならちょうどよい。
 「飛行機のことはお互いに直接連絡をとり合って、あとは勝手に進めてくださいね」
 と、飲み屋の出口で、おふたりに告げ、わたしはもう飛行機のことは考えないでもよいことになった。
 あーよかった。

ホルモン焼き屋@阿佐ヶ谷。左列奥が才谷監督、左列手前が右腕A氏、右列奥がHAGA、右列手前がT氏。

募集を締め切りました

   10/17日付けの当欄で参加者を募集した「ブーランジェリー制作教室」ですが、おかげさまで定員の7名に達しましたので、すでに募集を締め切らせていただきました。ほんとうはもっと大勢の方々にご参加いただき、超・密な講座をやりたかったのですが、このコロナ禍ではそうもいきません。
  ——新メンバーは以下の7名です。
  *有名女生徒のM.I.さん(女性)
  *同ご令嬢 N.F.さん(女性)
  *模型の鬼 S.M.さん(男性)
  *ネイルの達人 M.K.さん(女性)
  *神楽坂のオジン H.K.さん(男性)
  *愛媛姫のF.K.さん(女性)
  *ミニバスケット王のK.T.さん(女性)

   ちなみにブーランジェリーとはパン屋のことです。この20年のあいだに少なくても5回以上、この小さなブーランジェリーの制作講座を開催してまいりました。いつになるかわかりませんが、そのうちまたはじめるつもりです。今回おしくも選にもれた方々は次回ぜひご参加ください。

写真は2019年のブーランジェリー教室のようす。募集をかけるとたちまちいっぱいになってしまう講座です。いつになるかわかりませんが、次回開催時の予約を受け付けますので、希望者は、参加可能な曜日をお知らせの上、お申し出ください。次回確実にご案内することができますので。

熊の髑髏(どくろ)ができた!

  できたといってもわたしがつくったわけではない。練馬のS.U氏(通称シゲちゃん)がつくったクマのドクロである。(以下つげ義春のマンガ「ねじ式」の映画化にまつわるなしです。8/8日、10/10日付けの当欄に先行記事がありますので、そちらから先にお読みください)。
  「ねじ式」冒頭からふたコマ目に、下のようなドクロが、写真とおなじように、流木に引っかかった状態で晒されている絵がある。ところがマンガに描かれたそのドクロは、顎(あご)から下の部分が欠落した「不完全なドクロ」なのだそうだ。なのでシゲちゃんは欠落部分を復活させた、顎や歯や牙もついた状態での「完全なドクロ」を、最初はつくっていた。
 わたしが見に行った時点では確かに顎がついていた。
 しかし原作の絵に顎はない。
 「顎はいらないよ‥」
 彼のスタジオで作品を見るなりわたしはそう言った。そのときシゲちゃんの心がキレたのかもしれない。わたしが帰ったあと、顎つきのドクロはコナゴナにたたき壊され(ツイッターに映像あり)、その一週間後に、今度は顎のない、マンガとおなじ「不完全なドクロ」が完成した。
 さっそく監督(才谷氏)の元へ送ったところ「監督的にはOKのようです!」という、悪くないコメントを頂戴した。
 これにてねじ式一号作品の終了だ。
 次は「ダグラスDC-3」である。

ウエノ・シゲユキ氏作「骨と枝」(1/7)。ドクロは、真鍮製骨組みの上にエポキシ系樹脂を盛り、さらにその上に樹脂粘土(スカルピー)を盛って整形した。枝は本物の枝を利用して整形し、着色した。なおシゲちゃんは20年前からずっと「渋谷クラフト倶楽部」の会員です。

ブーランジェリー制作教室/生徒募集!

 コロナ禍以降すっかりダラケている。
 このままずーっとダラケ切っていたいのだが、ある有力な女性生徒氏から「はやくブーランジェリー制作教室をはじめてください!」という再三再四にわたるご要望(圧力?)を受けまして、重い腰を上げ、下記教室を始めることにいたします。

   ①ブーランジェリー(1/12)制作教室。
 ②初回開催日: 11/15日午前11時〜午後3時/はがスタジオにて。
 ———初回終了後に次回の開催日を決めます。
 ③受講料: 一回11,000円(消費税込み)
 ———木材支給。塗料や特殊素材は自己調達してください。
 ④希望者はお申し出を!

 日曜の昼間に開催する講座です。完成までに要する日数は、参加者の技量にもよりますので不明です。先着7名まで。早い者勝ち。
 ふるってご応募ください。

「ブーランジェリー/B」(1/12)

ねじ式のこと

 8月8日付け当欄で「ねじ式」における背景の制作に関して、ぼくの教室の生徒か、元生徒さんの中で、だれか手伝ってくれるひといませんかと募集したことがあった。(詳細は当日の記事をお読みください)。
 てっきりスルーされると思っていたこの募集に対し、なんと2名もの有志が名乗り出てくれた。渋クラ(渋谷クラフトクラブ)現会長であるJ.Y氏と、沼津のベンツ・ドライバーY.K氏のふたりだ。また、ぼくの生徒ではないが、練馬の造形師であるS.U氏も、必要に応じて手伝ってくれることになり、最強のメンバーが揃った。
 ちなみに「ねじ式」とは鬼才つげ義春氏の代表的漫画作品のタイトルである。
 現在この作品をストップモーションの人形劇として映画化するはなしが進んでいて、映像における人形以外の部分、つまり背景部分の制作を「はがさんに頼みたい‥」と、最初はそう言われていた。しかしわたしが固辞したため、今回はこの3人が汗を流すことになった。
 もうすでに‥‥
 ①渋クラ会長のJ.Y氏が漫画の図柄にあわせて機関車を改造中です。
 ②沼津のY.K氏が「今井商店」(古い店)の店先を研究中です。
 ③練馬のS.U氏が風化した熊の髑髏(ドクロ)を制作中です。
 ④加えて飛び入り参加のY.T氏がダグラスDC-3を制作中です。

 以上のように、すでにいろいろとつくりはじめてはいるが、まだひとつも仕上がってきていない。
 ——–追ってまたご報告いたします。

某月某日、某所にて、関係者一同によるパーティーがあった。わたしの隣はつげ義春氏のご長男、柘植庄助さんだ。庄助さんによると父(義春氏)は元気だが、もうマンガは書いていないとのこと。

Works Galleryを直しました

 当ホームページ「Works Gallery」(作品ギャラリー)のセクションを、このたびリノベーションし、おのおのの作品をじっくり眺められるように直しました。
 あとで是非チェックしてください。
 https://ichiyoh-haga.com/works.html
 1995年に最初の作品をつくってから25年。作品の数はそれほど多くはないが、作品の写真となると莫大な量がある。その中から各作品ごとに5枚か10枚かの優良写真を選び出して並べるという作業を、いつかやらねばならぬと考えていた。だがあちこちに散らばっている写真データを探すだけでもたいへんだ。探した写真一枚一枚を吟味するは更にたいへんで、なかなか手をつけられずにいた。
 そしたらこの4月に「なんたらかんたら宣言」とかいうものが発出され、それを境にすべての教室が自粛となり暇になった。それからというもの日ながパソコンにかじりつき、背中を丸めて、念願の写真選びに没頭する日々を得た。その約一ヶ月あまりの座りっぱなしの生活で、持病の腰痛がジリジリと悪化し、足の筋肉がペロンと落ちてしまったが、こうしてめでたく作品ギャラリーがアップされた姿をみると、やっぱり嬉しい。
 HP担当のテルミーさんありがとう。

ひと通り並べたが、まだまだ気に入らない写真がいっぱいある。そういった写真はおいおい撮り直しして、少しずつ入れ替えるしかあるまい。なお、そのうちプライスリスト(作品価格表)も、追加で掲載するつもりなので、乞うご期待を!!