「お疲れさまでした」

 2020年の11月に小生の駒込スタジオでスタートした第4次「ブーランジェリー制作教室」が、先週の日曜日(7/30日)にめでたく最終回を迎えた。

  *参加メンバー
  イッシキ・ミヨコさん
  イッシキ・ノエさん
  カトウ・ヒトヒコさん
  カノウ・フミコさん
  ケッソク・ミズホさん
  タカハシ・ケイコさん
  マツウラ・ショウゴさん
  以上の7名でした。

 初回から最終回まで2年と10カ月、月一開催なので、本来ならば計34講座が開かれた計算だ。しかし実際はそうではなかった。この講座が始まった2020年はコロナの年であり、自粛、自粛で、まともに講座をひらけないことが多く、ぼくの手帳はめちゃくちゃだった。開催と書いた日の上にあとで自粛のバツ印が記入され、やったのかやらなかったのか、いまとなってはよくわからない講座もある。そこを、わからぬなりに紐解いて、開催日を数えると、どうも19回あったようだ。そうして完成まで漕ぎ着けた。
 3年ものあいだ、コロナのなかを、ひとりも欠けることなく、だまって付いてきてくれた7名の生徒のみなさん、ほんとうにお疲れさまでした。
—–(下の写真はこの講座のため、サンプルとして制作したわたしの作品です。題名「ブーランジェリー/B」。縮尺12分の1。)

さて、というわけで、「第4次・ブーランジェリー制作教室」は無事に終わったが、第5次の教室はただいま絶賛開催中です。そしてその次の教室「第6次教室」に是非参加したいという方々がすでに待機しているので、秋からまた新しいグループを立ち上げる予定です。待機中のみなさまには近々そのことで連絡いたしますので、いましばらくお待ちください。また「自分もこの講座の順番待ちに加わりたい‥」とお思いの諸兄がいらっしゃれば、Hagaまでご連絡ください。

「トーキングヘッズ叢書」

 「THトーキングヘッズ叢書」(アトリエサード刊)という雑誌(季刊誌)に、もう10年以上にわたって「はがいちようの世界」という連載ページを持っている。今回で連載41回目になる。その最新号、TH誌第95号「Sweet Poison〜甘美な毒」が8月10日に発売になる。
 今号の特集は「毒」。
 「ある存在には平気なものが、他の存在には毒だったりする。危険だからこそ惹き付ける毒。それは同時に価値観を問い直すものでもあるのだ。そうしたことを踏まえて毒を甘美な誘惑として捉え、アート、文学、映画、音楽などなど、多様な観点から紐解きました。ご高覧いただき、ぜひ諸媒体・SNS等でご紹介いただけると幸いです‥」
 だ、そうだ。
 もちろんアマゾンでも買えます。
 A5判/全208ページ/本体1444円+税。
 むかしよく「渋クラ」(渋谷クラフト倶楽部)の会合に顔を出してくれた人形作家の与偶(よぐ)さんや、三浦悦子さん(おなじく人形作家でやはりクラブの会合に来てくれたことがある)らも、それぞれ連載ページを持っています。
 ぜひご購入ください。

写真3枚と短い文章で構成された片面たった1ページの、今号におけるわたしのページである。回を重ねてくると、どの作品を紹介し、どれを紹介しなかったのか‥や、過去にどんな説明をしてきたのか、なとが、ごっちゃになり、だんだんわからなくなってくる。以前一度書いたはなしを二度しちゃならんし、できるだけ新鮮なネタを考えねはならぬ。短文ながら結構アイデアが要るのだ。写真を選び、記事を書き終えるまで、いつも1日かかる。

「オススメです」

  ときどき非常に細い木の棒が必要になる。そんなとき、いままでは米ミッドウェスト社製の「スケールランバー/8000番」という角棒(太さ0.5ミリの角棒)を使っていた。だがあるとき、そのミッドウェスト社が廃業するといううわさが流れ、みんなが一斉に8000番を買いに走った。実はわたしも走ったひとりだが、時すでに遅し、8000番はすでに市場から消えていた。ガッカリしていると「8001番ならまだありますよ」と言われ、それを9袋買い占めたことがあった。(※8001番とは、太さ0.5ミリ✖️0.8ミリというやや平たい角棒のことで、そのときは、これが8000番に次ぐ細さだった)。
  結局、2019年の秋にミッドウェスト社は本当に廃業してしまい、それから4年が経った。
  先日さかつうギャラリーで
 「はがさん、これ、どうでしょう‥」
  と、ススメられたのが、米ノースイースタン社製の太さ0.6ミリの角棒(品番3010)だった。さっそく2袋買ってきて、袋を開けて中身の棒を取り出し、ノギスで測ってみたら、太さ0.61ミリ✖️0.67ミリだった。これならば旧8000番の代わりとして十分に使えそうだ。(わたしはさかつうギャラリーで買ったがエコーモデルでも扱っているそうです)。
  下の写真は、その米ノーザンイースタン社製スケールランバー、HOSCAL 2211。太さ0.6ミリの角棒が14本入って一袋810円(税別)。「品番3010」と言ってお求めください。オススメです。

本文中にありますように、ミッドウェスト社製の本家スケールランバー8001番を、わたしは9袋(一袋17本入り)持っています。欲しいかたがいらっしゃれば、買った値段(479円+消費税)でお分けいたしますのでご連絡ください。

「再再・午後の鹿骨」

  化学プラントの工場をいくつかの建造物によってまとめた「昭和33年/江戸川区鹿骨」という大型ストラクチャー作品がある。(2000年制作。縮尺1/80)。この作品の中央に複雑なかたちの古い工場があるが、後年その工場部分だけを切り取って当時のパルコ教室の制作課題とし、出来上がった作品には「午後の鹿骨」というタイトルをつけた。
  それから10数年経った2014年、こんどは自由が丘教室の、当時の生徒たちからふたたび「午後の鹿骨」をつくりたいという声が上がり、わたしにとって3回目となる古い工場づくりがはじまった。やたらと手間のかかるおんなじ工場を3度もつくるのは苦痛だったが、それでも最後までつくり終えた。
  やれやれと思っていたら、それから更に8年経った2022年のある日、ある生徒氏から、「半日教室」へ通って「午後の鹿骨」をつくりたいと非常に強く何度も何度もうながされ、困り果てた。
  当時、このサイトには「単発式・半日教室」なる指導メニューが掲載されていて、読むと「つくりたいものはなんでもOK。どんな作品でもご指導いたします‥」みたいなことが謳ってあった。
  彼はそれを見たという。ならば仕方がない。お約束通り制作技法は説明いたしますが作品のサンプルはつくらないという条件でご納得いただき、ひとり生徒・ひとり先生という「半日教室」がスタートし、三たび「午後の鹿骨」へのアプローチがはじまった。
  はじまって約一年。当初はたったひとりだった生徒もいまやふたりに増え、つくらないハズだったサンプルも結局はつくることになり、現在では下の写真のようになっている。まだまだではあるが、だんだん出来てきた。
  ——(なお、この度の一件を踏まえ、当サイトにおける「単発式・半日教室」の告知メニューは、先日削除いたしました。悪しからずご了承ください)。

過去に制作した本作(午後の鹿骨)は、2点ともイエサブで売れてしまい、いまは手持ちゼロです。だがこの作品がないと棚全体が盛り上がらず、仕方なくふるい生徒(サトウコウサクさん)に無理を言って、彼の作品をお借りして、拙作の代わりに並べてあります。イエサブへ行かれた折にはぜひご覧ください。比較的下の方に置いてあります。

「浅草に行ってきました」

  前にもお伝えしたが、8日(土)と9日(日)の両日、東京浅草の都立産業貿易センター台東館に於いて「第25回・東京ドールハウスミニチュアショウ」が開催された。今回わたしはなんにも作品をださなかったが、生徒のみなさんや、友達や、知り合いの方々がディラーとして出店しているので、初日(8日)の午後、見にいった。
  以前は7階のみ会場だったが、今回は6階にも場を広げると聞き、内心大丈夫かと心配していた。が、行ってみたら6階にも(下の8チームを含めて)計26チームもの出店者が軒をつらね、わんさか人が入っていた。

  ①タカマノブオさん(妄想建築)
  ②アサイジュンイチさん(亥辰舎)
  ③スギちゃん
  ④エンドウダイキくん
  ⑤さかつうギャラリーさん
  ⑥セキネユウコさん
  ⑦シックパパさん
  ⑧NoeCafe教室さん

  6階では、本来ならば、上の方々にご挨拶せねばならぬところだったが、あまりにも混んでいたため、まともにはなしが出来たのはタカマさんと、スギちゃんと、エンドウくんの3人だけだった。
  着いたのが午後2時半で、閉場は午後5時だ。もたもたしてはいられない。あわてて7階へと上がった。
  上がったとたんに諦めた。
  7階には150を超えるディーラーたちが机を並べ、どのディーラーも黒山の人だかり。人気スポットとなると、客の肩越しにチラッとしか商品を眺められない。ホールにも通路に客が溢れ、とても全部は見切れないとすぐに悟った。それでも何人かの生徒たちのテーブルには挨拶し、午後4時過ぎに、いささかのアルコールを求めて会場を後にした。
  (写真は元生徒アトリエバニラさんと。)

あとで聞いたら、わたしが行った時間帯が一番混雑していたらしい。2日目になるといくぶん落ちついてきたようだ。7階のみ有料入場で6階は無料だったが、有料入場者数だけをみると2日間で約3000名だったそうだ。これに無料を加えるといかほどになるのか。コロナ前の2019年に記録した3500名とほぼ肩を並べるのではないかと主催者(ドールハウスギヤラリーミシールさん)は喜んでいた。

「They are new students」

  5月8日付けの小欄で「孤独の世界/制作教室」(縮尺1/80)への参加希望者を募ったところ5名の生徒が集まりましたので、7月1日の日曜の午後、第一回目の講座をスタートさせました。
 この演目(孤独の世界)を取り上げるのは3年ぶりで、しかも今回は初回ということだったので、結構ビビった。というのも、このたびの生徒は全員が男性で、こんなことは初めて。うちまったくの初対面の方がひとり、ほぼほぼ初対面の方がふたり、四半世紀ぶりの生徒がひとり、加えて中国人がひとりといった按配で、生徒というよりは知らない人たちに囲まれた、かなりのアウェー感を味わった。いつもなら演目とはカンケーない女生徒たちのムダ話し(?)を聴きながら進める、ゆる〜い講座でよかったのだが、この日ばかりは水を打ったような静けさの中で、緊張感いっぱいのパフォーマンスを演じることになった。
  下の写真の新しい生徒さんたちは、読者のみなさんにとっても知らない人ばかりだと思いますので、下段に簡単な説明をつけました。

左から、①オウ・コクさん。大宮市在住の中国人。身長190センチ。35歳。IT系企業の社員。日本語ペラペラです。②スズキ・カツヤさん。61歳。取手市在住。職業不詳。拙作「昭和初期の真岡駅」(1/80)をもっと良い別の場所へ移すために尽力されているとのことです。③アキヤマ・トシアキさん。年齢不詳。足立区在住。四半世紀前にたった一日だけ、わたしの教室に在籍した経験があるとのことです。渋谷クラフト倶楽部会員。④コヤス・トシシゲさん。29歳。横浜市港南区在住。ペーバーアーチスト兼アクター(俳優)。さかつうのワカ(若)と仲が良いそうです。⑤スズキ・ケンスケ(通称SUZUKEN)さん。45歳。舞台美術家。スズキセノアーツ主宰。
https://sceeenoarts.work/舞台美術/
以上のみなさんです。ちなみにこのグループの次回の講座開催日は8/20日の午後1時半からです。

「タカちゃんのチラ見せ写真」

  こないだ根津で、渋クラ(渋谷クラフト倶楽部)の例会があり、その放課後会(?)へ顔を出した。午後5時半、指定の居酒屋へ出向くとみなさんもうおそろいで、小生はタカちゃん(タカタニトシアキ氏)の隣に座った。彼は1998年にボクの教室に初参加したというふるい生徒だ。
  その日その居酒屋でなにをしゃべったかはまったく覚えていないが、飲みはじめて一時間ほどたったころ、とつぜんタカちゃんがわたしの目の前にスマホをかざし「ほら‥」と言って、なにやら数枚の写真を見せ、あっというまにそれを引っ込めてしまった、そのことだけは強烈に覚えている。そのときチラ見させられた写真があまりにも衝撃的だったので、その一瞬だけ酔いが覚めてしまったのだ。
 「もう一回見せてよ‥」
  当然せがんだが、はぐらかされた。
  しかし後日メールにて、ぜひ再びあの写真を見たいので送って欲しいと、まじめに頼んだところ、下の写真を送ってくれた。写真は、未完成ながら、今から28年前に小生がつくった「木造機関庫」にまるでそっくりな、タカちゃんの機関庫である。
  彼は、1995年にわたしが執筆した「80分の1/木造機関庫制作記」を熟読した上で図面も拙著から引用し、現在この機関庫を制作中とのことなので、本日、ここに紹介させていただいた。とはいうものの、なにしろまだ未完成なので不十分な箇所も多く、したがって飲み屋では、小生に対し「チラ見」だけを許し、「ガン見」されることを避けたのだろう、すぐにスマホを引っ込めてしまい、あんまりバッチリとは見せてくれなかった。
  しかし本日改めてよく見たら実によくできています。
  ——–おめでとう!!!
  この件、新しい情報が入り次第またお知らせいたします。

拙著「80分の1/木造期間庫制作記」(1650円)に関する情報は当サイト「Information」における「Books」でご覧になれます。ちなみにこの本とまったくおなじ内容の電子書籍が「しぶ〜い木造機関庫をつくる」(660円)です。こちらの情報も「Books」をご参照ください。