「あけましておめでとうございます」

  今年はとうとう後期高齢者の仲間入りをはたします。さすがにこのごろ集中力が衰えてきましたが、まだ身体は動くので、いまでも毎日仕事をつづけています。午前10時には(写真の)机にすわり、夕方まで、毎日なにかをつくっています。これといった大病は患っておらず、なんとか元気に過ごしています。
  みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
  令和5年(西暦2023年)卯年元旦
  芳賀一洋(はが いちよう)

  上が今年の紙の年賀状の文面でしたが、少し追加で説明いたします。
  机に座るのは「午前10時」とありますが、正しくは「9時から10時までのあいだ」です。9時前に仕事をはじめることはありません。そして昼の12時から午後1時半まで、わりと長い昼休憩(昼寝)をとります。昼休のあと、3時間ほど仕事をすると、このごろでは飽きてしまうことがあり、そんなときにはいったん車でどこかへ買い物に出掛けるなど、気分転換をはかることもよくあります。そして午後6時半ごろから晩酌です。晩酌のあとはベッドで横になりダラダラといいちこ片手にUチューブや動画配信を見ながら過ごして、午前1時〜2時ごろ就眠します。
  小生とおない年の菅義偉前総理や一歳年上の北野武さんらと比べると明らかに活動量が落ちてますが、近所の老人たちを見渡すとなんにもしていない人も多く、彼らに比べりゃちょっとはマシといったところでしょうか。
  ——-本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年賀状は、短い挨拶文と写真との組み合わせで印刷し、毎年お出ししてきました。ここ数年はコロナ関連の話題を主とした文章でしたがが、今年はどうするのか、ギリギリまで非常に悩みました。悩んだ末に今般の絵柄と文面になりました。わたしの賀状を毎年楽しみにしているとおっしゃる方もいらっしゃり、当分悩みは尽きません。

「今年の漢字」

  コロナ前だったら、この月の小欄には、忘年会ネタのひとつやふたつが必ず混ざっていたものだが、今年はまったくなんにもなかった。しょうがないので年末に、ちょっとだけ仕事をし、ペンギンギャラリーの、あの作品を、うまいこと修理してしまった。(下の写真)。入り口ドアーの、ステップの位置を逆側に取り付けてしまったことを当蘭で反省(11/24日付)し、大いに嘆いた作品だったが、その後気を取り直して修理に挑み、お約束の年末までに、ギリギリセーフで見事完成させてしまった。
  さっそく依頼主であるM氏に電話したところ
 「そんなに急がなくても良かったのに‥」
  みたいなことを言われ、ガクッときた。
  ———まあ、そのうち取りに見えるだろう。
  M氏との付き合いはかれこれ20年ほどになり、氏の依頼で制作したペンギン作品は、確かこれで5作目。これとは別に、コロナ前から「水曜グルーブ」というクラスで「ペンギン兵が立つ酒場」という作品を、ただいま制作中の身でもあり、ある意味わたしは、このところずっとペンギンまみれの生活を送っていた訳である。従って小生における今年の漢字は「人鳥」か。あるいはただ単に「鳥」であろう。
  (人鳥と書いてペンギンと読むのだ)。
  ——-みなさん、良いお年を‥。

以下の方法でステップの位置を付け替えました。①]向かって右側にあったステップをむしりとって左側につけ直し、ネジで止める。②むしりとった跡や、その周囲の傷んだ箇所をパテで補修し、キレイにやすりをかける。③新たなステップの位置にあわせて、石畳を、バンドソーで切り取り、切り取った石畳を、旧ステップがあった位置へ移動してノリ付けする。④ノリのつなぎ目(石畳の切り口)を隠すために、その上にいくつかの小物をならべる。以上である。むかしだったら一日で終える仕事だが、なんと3日もかかった。

「あいさわさんからの手紙」

  芳賀先生
  いつもお世話になっております。
  先日は紹介の件でお手数をおかけしましたが、先生の声を聞けたので良かったです。
  本日はドールハウス展のチラシと、ご招待状を送らせていただきました。
  年末年始のせわしない時期のイベントにあたふたしております。
  また師走のせわしない時にチラシをお願いいたしましてすいません。老骨に鞭打つ気合いで頑張って参りますので、告知よろしくお願い申し上げます。
  これからまだまだ寒い冬を乗り切らないとなりませんので、どうぞお体をご自愛してお過ごしください。

  日本ドールハウス協会のあいさわ会長から上のようなご丁寧な手紙が届いたのは昨日の夕方だった。チラシを見ると今週末から千葉で「ミニチュア展」が開催されるらしい。
  以下内容だ。

  タイトル: 「昭和レトロとノスタルジー/魅惑のミニチュア展」
  会場: そごう千葉店・6階・催事場
  日程: 2022年12月23日(金)〜2023年1月4日(水)
  時間: 午前10時〜午後8時(入場は閉場の30分前まで)
   ※12月31日、1月1日は午後7時閉場。1月4日は午後4時閉場
  入場料: 一般500円、大学高校生300円、中学生以下無料
  主催: 株式会社そごう/協力: 日本ドールハウス協会、株式会社亥辰舎etc.

  今回わたしは出品致しませんが良かったらぜひお出かけください。
  つきましては無料招待券を差し上げます。希望者はお申し出ください。ただし先着順です。

出品作家は、あいさわかずこさん、秋山利明さん、河井行雄さん、朝子さん、ASAMIさん、岸本佳代子さん、倉田吉実さん、宍戸千春さん、島津ひろこさん、〆野美さん、髙橋起弥さん、高橋弘美さん、土屋静さん、西美加子さん、橋本京子さん、服部香さん、平田由香さん、平山伸子さん、ふるはしいさこさん、松木与志彦さん、みつもとみちこさん、八柳敬子さん、YUKINOさん、ribbonさんら計24名の方々です。(以上五十音順)。

「立体画をつくった理由」

  48歳の秋、HOゲージの蒸気機関車を格納するための車庫(機関庫)を突然つくりはじめ、そのことがきっかけで今から26年前の12月、新宿伊勢丹で作品展を開催することになった。
  40坪ほどのギャラリーにいくつかの機関庫や、それらにまつわる情景(ジオラマ)を展示するという当初の計画だった。しかしジオラマは盆栽のように平らな台の上に並べて展示するものなので、ただそれだけだと壁面がガラ空きになってしまう。12月の繁忙期にガラ空きのカベを見せるのはマズイと考えた担当者が、その年の夏にわたしを呼び「壁掛け式の絵のようなもの」をいくつか追加でつくってくれないかと尋ねた。
  「やってみましょう!」
  と、その場で即答し、それから急につくりはじめたのがアートインボックスである。結局伊勢丹展までのあいだに15点ほどつくり、ジオラマ作品に加えて、会場の壁を飾った。
  以上が、わたしが立体画をつくることになった理由だが、そのへんのことをベラベラしゃべっているUチューブ映像があるので、以前にも一度紹介したことがありますが、よかったらご覧になってください。
  https://www.youtube.com/watch?v=66SCoj0ZXJ0
  なお映像の中でアニキと呼んでいるのは義兄(家内の兄)のことです。

 はじめて「アートインボックス作品」を展示した新宿伊勢丹・新館8階「ファイン・アート・サロン」の様子。1996年12月25日〜30日。右から3番目の作品は「セーヌ・フルール」。その左は現在カタールのアフマド邸に展示中の「ベランダのムード」。左から2番目は「ビクトルユーゴ通りのブーランジェリー」。このときはイーゼルがまだなかったので陳列するのに非常に手間取ったおぼえがある。

「ギャラリーめぐり」

  「ノエカフェ」のオーナーであるイッシキさんは、ぼくの教室が渋谷にあったころからの生徒で、いまだに現役生徒だ。次女のノエさんも4〜5年前からぼくの教室に通っているので、イッシキ一家は大お得意さまである。
  ちなみにノエカフェは、コーヒーをすすりながらイッシキさん所有のドールハウスコレクションを眺める場としてスタートした。しかし現在はドールハウスミュージアムとして新化してしまい、いまはもう「カフェ」とは呼べない。
  行ったことのない方はぜひ一度お出かけください。
  https://noecafe.wixsite.com/official

  ノエカフェを訪れた客が「イッシキさんから勧められました」とおっしゃって、ぼくのギャラリーへ足を運ぶことも結構あり、先日大阪からやって来たというドールハウスファンの二人連れも、午前中にノエカフェを見物し、午後わたしのギャラリーを訪れた。ここを出たあとは「ドールハウスギャラリー・ミシール」に向かうと言いながら、さも楽しそうに去っていった。その「ミシール」のオーナーであるタカハシさんも、実は先月からぼくの教室へ通うことになり、いつのまにか居酒屋友達にもなってしまった。という訳で、ドールハウスギャラリー・ミシールへも一度ぜひお出かけください。
  https://www.dollshouse.co.jp/tag/ドールハウスギャラリーミシール/

  そして、最後は、なんと言っても「はがいちようギャラリー」ですね。「錠前屋のルネはレジスタンスの仲間」「炭酸入りのレモネード」など、大型アートインボックス作品が22点。加えて「東屋」や「ある漫画家の家」などの人気作や、小作品、関連書籍などが常設展示されています。
  ———Address/東京都北区中里3-23-22/10:00 am〜6:00 pm/入場料100円/末年年始も特に休みはなく、連絡があれば、いつでも歓迎いたします。
  ぜひお出かけください。

写真は2016年の春オープンしたミニミュージアム「gallery ICHIYOH」です。
いつでも入場できますが、わたし以外のスタッフがおりませんので、留守ですと対応できません。したがってご来場の前には必ず連絡をください。

「初回が開催された」

  新ブーランジェリー制作教室の初回講座が、予定通り、11月27日の午後、小生のオンボロスタジオで開催された。
  前回述べたように抽選で選ばれた8名がひとりも欠けることなく全員集合。はるか松山からジェット機で通う生徒もいらっしゃり、なかなかの盛りあがりだった。ただ全員新人なので人数の割にシーンと静まり返っていて、誰も無駄口をたたかない。常にだれかが余計なおしゃべりをしているような、ゆる〜いクラスになれきっている自分にとっては、そこがちょっと落ち着かず、時間がやたらと長く感じた。
  ドールハウスギャラリー・ミシールの副代表を務めるタカハシさんや、スズキさん(両者男性)など、見るからに酒好きそうな参加者もいらっしゃり、放課後活動(居酒屋へ行くこと)への仄かな期待を寄せているフシもあったが、この日は例のW杯コスタリカ戦があった日だ。調べると、キックオフが午後7時半とのこと。それじゃあ放課後活動は今回はあきらめましょう‥ということになり、講座終了後は、みんな速攻で家へ帰った。
  このクラス、次回は1月8日の午後開催されます。

アタマのうしろ側だけしか見えない方も含めて、上の写真はこのたびの新メンバーに選ばれた方々です。(撮影者であるタカハシトシアキさんを含めて8名です)。この8名に続いて、以下先着順で、カガミヒロコさん、ムラタミホさん、イノウエエリさん、ナガタナオコさん、ハヤシユミさん、ゴトウトモコさん、アオキマリコさんらが、順番待ちでならんでいます。自分も是非この順番に加わりたいとおっしゃる方がいらっしゃれば、お申し出ください。

「失敗だ!」

  うひゃ〜! なんだぁこりゃあ〜。
  あるとき突然、たいへんな失敗に気がつき、アタマをかかえた。
  何かうまくゴマかす方法はないか、ずっと考えてきたが、いまだに大した方法を思いつかない。
  下の写真を見てほしい。
  ペンギン屋から頼まれてつくっているペンギン作品がほぼ出来上がり状態である。あとは石畳の上に、いくつかの鉢植えポットでもならべりゃ完成と、機嫌よく、せっせとポットをつくっていた。つくりながらもポットの数や、置くべき位置などを改めて考えていると、そのときはじめて「あれっ?」と思った。よく見ると、店へ入るためのステップが逆の位置に付いているではないか。これじゃあ階段を上ったとたんペンギンにぶつかってしまう。
  これはヤバイ。
  冷や汗タラーリ状態で考察するに、ステップを正しい位置に直すには、石畳まで、ぜんぶつくり直さねばならぬと理解した。それからの数週間、まったくやる気が起きず、①だまってこのまま納品してもペンギン屋はきっと気がつかないだろう‥説や、②入り口ドアの手前に木の台でも置いて、それをステップにしてしまう‥とか、③幅の広い、錆びた鉄板のようなスロープ状のカバーを手前に被せて、失敗全体を隠蔽してしまうとか‥等々、あれこれ考えたが、どれもいまいち。
  こんな間抜けな失敗ははじめてである。
  ボケが来たのか。

「年末までに作ってくれればいいですよ‥」と、ペンギン屋からは言われているが、もうそろそろ12月である。わかっちゃいるがやる気が起きない。