「ジュール通りのガラクタ置き場」

  2010年に制作した「ジュール通りのガラクタ置き場」という作品(1/12)をご存知だろうか。
  某美術系雑誌の出版社から「はがさんの作品の特集号を出したい」という嬉しいはなしが舞い込んだとき、取材用に、アートインボックスの新作一点を制作することとなり、急遽つくったのが本作だった。本作は表面が平らな、ほかのアートインボックス作品とは異なり、伊東屋作品のように、舗道部分が手前に大きくせり出したかたちをしている。そのためイーゼルに乗せることができず、したがって滅多に展示することのない「幻の作品」となっていた。
  そんな作品だったが、去年コロナでヒマだったこともあり、ひさしぶりに倉庫から引っ張り出してきて、大改造を施したことがあった。(2022年2月10日付の小欄にそのことの記載があります)。その直後に、いったん「のぞみちゃんの店」でチラッと展示したことがあったが、ふたたびまた暗い倉庫の奥へとしまい込んでしまった。
  しかしもう大丈夫。
  今週の月曜日に、神楽坂のヒトヒコさんに手伝ってもらい、やっとこの作品を長年の倉庫暮らしから救い出すことができた。すなわち「Gallery ICHIYOH」の、入ってすぐ右側の一番目立つ場所へと本作を運び、当ギャラリーでは一番高い台の上に置いたのだ。突如日のあたる場所へと躍り出た「ジュール通りのガラクタ置き場」。しばらくはこの位置をキープする予定ですので、この機会にぜひご鑑賞ください。
  入場料たったの100円ですので。

ミニミュージアム「Gallery ICHIYOH」/東京都北区中里3-23-22/午前10時〜午後6時/年中無休/入場料:大人100円(子供10円)/予めご連絡の上ご来場ください。

「のぞみちゃんの店」

  ぼくの教室がまだ渋谷にあったころ、のぞみちゃんは千葉のそのまた先の、確か四街道あたりから、はるばる通って来ていた。ときどき帰りの電車が一緒になると、ぼくが下車する田端まで、いつもたわいのないおしゃべりをしていた純真無垢な(に見えた?)、ポチャっとかわいい女子だった。
  それから20有余年。いまじゃ彼女は二児の母。(もしかすると上の子はもうハタチを過ぎているのかも。)
  そんなのぞみちゃんが、このごろ才女のごとき風格を身につけ、モーレツに活動している。
  去年は、若手女性の独立開業を支援する東京都の「創の実」プロジェクトに応募し、その狭き門を見事こじ開けて採用され、都の支援によって彼女のミニチュアショップを、自由が丘で手に入れた。しかし「創の実」には期限があった。一年ほどでその店を閉めると、時をうつさず、今度は自力での店舗立ち上げに着手し、先々月、新店舗のオープンを果たした。場所はおなじ自由が丘(世田谷区奥沢5-28-15-4F)。店の名前も以前とおなじ「Upfarfield Dollhouse Salon」。広さもおなじく10坪前後か。
  彼女は「Upfarfield」のオリジナル商品の開発(主にエッチングパーツ類であるが)にも熱心に取り組んでいるので、店に入るとまず額装されたエッチングパーツが目に入る。反対側の壁にはいまをときめく有名作家たちによる花や、人形や、バスケットなどが所狭しとならんでいる。
  ちょっとびっくりしたのは「松原みろん」という人がつくった物凄く小さなビスクドール。身長5センチぐらいだろうか。ディティールがすごかった。そのとなりには我がクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の坂本なぎさ(田島なぎさ?)ちゃんがつくった薔薇が7〜8本置いてあったが、これまた非常に美しかった、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ、他にもまだまだ見るべきものは山ほどあり、書き出したらキリがない。
  みなさんも是非お出かけください。

写真中央がのぞみさん。
のぞみさんの旧姓は上遠野(かとうの)という変わった苗字だった。これを英訳するとUp Far Field。なので、それをそのまま店の名前として使っているそうだ。

「参加しました! 静岡ホビーショー!」

  前回お伝えした静岡ホビーショーにおける「モデラーズクラブ合同作品展」に、われわれは「はがいちよう&渋谷クラフト倶楽部」というテーブルネームで出場した。当日のようすを、我がクラブのメンバー、キシモト・ユウジ氏が伝えてくれた。
  ——–以下キシモト文。
  あいにくの雨でしたが、初日土曜日の朝6:30に会場入りしたら、すでに多くのほかのクラブの方々が会場設営を進めていました。コロナ明け2回目の静岡ホビーショー。前回よりもかなり来場者は増えている印象でした。
  地元テレビ局や、ニコニコ動画のライブ取材もうけました。
  (下のリンクから視聴できます)
  https://live.nicovideo.jp/watch/lv341145038#1:29:15

  クラブのメンバーと交代でほかのブースを見に行ったり、店番の時は、模型の話でもりあがったり。今回、特に気になったのが、サトウ・コウサクさんのシンセサイザーの模型。LEDの点滅順序にもこだわってプログラムしてあるそうで、会期中たくさんのお客さんが見に来ました。中でもお一人だけ実機と同じ光り方に気が付いた、違いの分かるコアな方がいて、二人でシンセ談議にずいぶんと盛り上がっている様子でした。
  夜は、いつもの定宿に。
  荷物を置いたら、これまたいつもの、串焼きとおでんのお店へGO!だしの効いた静岡おでんに、削り節のふりかけをかけて美味しく頂きました。
  二日目の日曜日は、初日以上に会場はにぎわって。モデラーズクラブのホールもすごい人! たくさんの方に、作品を見ていただき、声もかけていただきました。静岡ホビーショーは、見に来る方との距離感も近く、ライブ感があって、楽しいですね!!
  なんだか、あっという間に閉会。
  いっぱい刺激をもらって、楽しい二日間でした!!

写真は今回現地入りしたメンバーたち。左から、キシモト・ユウジ、エンドウ・ダイキ、サトウ・コウサク、ヤマノ・ジュンイチロウ、アダチ・ヨシキの各氏です。みなさん、お疲れさまでした。

「合同作品展に参加します」

  本日10日からはじまっている静岡のホビーショウin 20023。
  このショウの目玉企画のひとつに、全国の模型クラブがそれぞれの作品を持ち寄って一堂に会する合同展がある。今週末に開催される「モデラーズクラブ合同作品展」である。
  2010年うちのクラブにも初めてこの合同展からお声がかかった。
 「はがさんたちのクラブもそろそろ参加しませんか‥」
  関係者から連絡があり
 「じゃあ来年、2011年に、ためしに一度だけ出てみます」
  と、一年先の出場を安請けあいしてしまった。
  ところがこのイベントはあくまでもクラブとしての出場なので、わたしが勝手に決めてしまったとはいえ、出るでないはクラブ員たちが決めること。なので、後日、クラブのみんなに静岡行きの是非を問うてみた。すると意外なことに誰ひとりとして行きたいとは言わなかった。だったら無理に連れて行くわけにもゆかず、かといって「出ます」と言った以上、出ないわけにもいかない。しょうがないのでクラブ員たちから5〜6点の作品を借りて、そこに小生の作品も加えて、わたしと山ちゃんとでそれらを静岡まで運び、辛くも出場をはたした。このときは東日本大震災からわずか二ヶ月後というタイミングだったにもかかわらず、入場者数は2日で7万5000人、われわれのテーブルは黒山の人だかりだった。(下の写真)。
  そんな大混雑があったからなのか、その翌年から、うちのクラブでは、急速に静岡への理解度が深まり、以後(コロナ禍による未開催年度を除いて)毎回出場を果たすようになった。もちろん今年も、下記要項にて出場いたしますせので、ホビーショーにお出かけの節は、ぜひ我々のテーブルにもお立ち寄りください。

  タイトル: 第32回モデラーズクラブ合同作品展
  テーブル名: はがいちよう&渋谷クラフト倶楽部
  日程: 2023年5月13日(土)〜14日(日)
  時間: 午前9時〜午後5時まで(14日は午後4時まで)
  入場: 無料
   https://www.hobby-shizuoka.com

写真は2011年5月に開催された「静岡ホビーショウ」における「モデラーズクラブ合同作品展」会場のようす。画面左側が「はがいちよう&渋谷クラフト倶楽部」のテーブル。

「孤独の世界」生徒募集!

 「孤独の世界」という作品(1/80)をご存知ですか?
  過去何回もわたしの工作教室の課題作として取り上げてきた作品ですが、このところのコロナ禍でしばらくご無沙汰でした。ところが最近、当教室の敷居をまたいだばっかりのある中国人生徒が、非常に熱心に、この作品をつくりたいとおっしゃっています。ただし今のところそうおっしゃっているのはその方おひとりです。なので、ひさしぶりに当欄で生徒を募集することにいたしました。

 ⬛️孤独の世界/制作教室/生徒募集!
 課題作: 「孤独の世界」縮尺1/80(下の写真)
 教室の場所: はがいちようの駒込スタジオ(東京都北区中里3-23-22)
 開催日: 原則月1回土曜か日曜の午後1時半から5時まで開催
 参加料: 1回11,000円(消費税込)

 どなたでも応募できますが、スタジオが狭いので先着5名さままでとさせていただきます。どうかふるってご応募ください。
 ———質問があれば遠慮なくどうぞ。

写真は「孤独の世界」。現物はイエサブの棚で見ることができます。(イエサブの棚とは: 秋葉原スーパービル6階イエローサブマリン秋葉原スケールショップの店内にあるショーケース「はがいちようのミニチュアコレクション」のことです。)
https://yellowsubmarine.co.jp/shop/秋葉原スケールショップ/

「Gallery ICHIYOH」のこと

  連休直前、いい陽気になりました。
  はがいちようミュージアム「Gallery ICHIYOH」では、ただいま作品展開催中です。連休中も休みなく営業しておりますので、ぜひお出かけください。
  住所: 東京都北区中里3-23-22/午前10:00〜午後6:00/入場料100円/前もってご予約の上ご来場ください。
 https://ichiyoh-haga.com/private-gallery.html

  *展示中の作品
   「錠前屋のルネはレジスタンスの仲間」
   「DANONE/1944年夏」
   「デカルト通り48番地」
   「サンドニの夜」
   「ルイブランの青画廊」
   「エイミー&マドレーン」
   「中古屋ブェイセイル」
   「人形の鬘(かつら)を売る店」
   「カルベ酒を飲む女」
   「白い石炭商人」
   「キャフェ・ル・マルソワン」
   「セーヌ・フルール」
   「散髪屋チャーリー」
   「炭酸入りのレモネード」
   「ブーランジェリー/B」
   「東家(あづまや)」
   「曇天無風なり」
   「トルネ通りの風呂屋」
   「ドラゴン通り118番地」
   「青春の北池袋」
   「ピエールの荷馬車」
   「いちようの作業場」

  JR山手線田端駅北口から歩いて10分。あるいは駅前のコミュニティーバス・バス停(「田端文士村記念館」前にあります)から乗車して二つ目の停留場「エコー広場前」で下車すると近いです。ギャラリーの隣には築65年の木造建築「いちようスタジオ」があり、そちらも見ることができます。

「オイルステインのこと」

  ぼくの教室の生徒には、最初にオイルステイン塗料をタダで支給している。
  更に必要になったときにはイエローサブマリン(略称イエサブ)のわたしの棚に各色取り揃えてますので、そっちで買えますよと説明し、もう10年以上、イエサブの棚にオイルステインの塗料を置いている。
  最初は100ccの細口ポリ瓶に入れて1本1500円だった。しかし少ししか使わないものなので、もっと小さな瓶に入れて、安くした方が売れると考え、ある日30ccの瓶に詰め替えて1本700円にした。そこまでは良かったのだが、このとき広口瓶を使ったのが良くなかった。
 「買ったら中身が固まってました…」
  のようなクレームを耳にするようになったのだ。
  ポリ容器には細口と広口があって、広口の方が塗料を出しやすいし、詰めやすい。ところが口が広いとどうしても空気も入りやすく、蓋をちゃんと閉めても時間が経つと中身が固まってしまうようである。
  ——–固まったのを買ったみなさんごめんなさい。
  対応が遅れておりましたが、先日イエサブへ行って、ぜんぶ細口瓶(内蓋付き)に入れ替えてきましたので、これならば空気はもう入らないはずです。
  とりあえず黒7本、黄色3本、茶色3本、緑1本、白1本、青1本、赤3本を置いてきましたが(税込1本770円)、減ったらまた追加いたしますのでどうぞよろしく。(下の写真)。
  ちなみに、オイルステイン以外にも、各種ミニチュアバーツや、小作品、書籍など、Haga関係のグッズをいろいろ取り揃えていますので、一度ぜひイエサブの棚をのぞいてみてください。

  イエサブの棚とは: 秋葉原スーパービル6階、イエローサブマリン秋葉原スケールショップの店内においてあるショーケース「はがいちようのミニチュアコレクション」のことです。ぜひお出かけください。
https://yellowsubmarine.co.jp/shop/秋葉原スケールショップ/