写真(下)の作品がどうも気に入らんので、このごろぽちぽちリフォームしている。
2009年ごろ、ある美術雑誌から、芳賀の特集号をリリースしたいという嬉しいはなしが舞い込み、記事用に新作2点をつくることになった。
編集部との話し合いで、このときは2点ともウジェーヌ・アジェ(1857〜1927)という写真家が残した街並写真を元に作品化することになり、倉庫と、パン屋を写した2枚の写真を選んだ。これら写真を元に2作品同時につくりはじめたが、倉庫のほうが先に出来上がってしまい、結局パン屋は雑誌の締め切りに間にあわなかった。だがパン屋は、あとでゆっくりつくったせいか、お気に入りの作品に仕上がり、いっぽう急いで完成させた倉庫のほうはいまだに好きになれず、滅多に展示することのない幻の作品となった。その倉庫作品を、このたび本物の倉庫から引っ張り出してきて、スタジオへ運び、先週から改修作業をはじめている。
そこにひょっこりクラブの山野会長が顔を出した。
「どこがそんなに気に入らないんですか?」
と、聞かれ
「どこもかしこも、全部だよ‥」
と、答えると、彼はふ〜んと言ったきり絶句してしまった。
2月の末から、ひさしぶりに渋谷クラフト倶楽部の作品展があるので、それまでには改修を終えたいが、どうなることやら‥。