奥川さんのこと

 はやくMac に変えたほうがいいですよ‥と何人もの人に勧められ、今年の3月、とうとうMac Book Pro というPC を買ってきてしまった。使ってみると確かにいい。それまで使っていたウィンドウズよりも格段と動きが速く、キーボードも実にたたきやすい。それはいいのだが、操作方法の不明箇所が次々と出てきて、ときどき気が狂いそうになった。そんなときにタイミングよく、Doozy Model Works の奥川さんが遊びに来てくれて、いろいろと教えてくれたのである。奥川さんはぼくよりもひと回り以上若い上に元グラフィックデザイナーなので、Mac 使いのプロである。その後も定期的に来てくれるようになり、イヤな顔ひとつせず、親切に教えてくれたおかげで、だんだんと小生もMac が使えるようになってきた。奥川さんにはずいぶん助けてもらった。
 そんなわけで本日は、以下、奥川作品の宣伝をさせていただく。
 当欄の読者ならDoozy Works の奥川泰弘さんのことは知っていると思う。いっときイエサブで、ぼくの棚の隣がDoozy さんのコーナーだったこともあった。見るのがイヤになるぐらいクールな情景模型の作者で、通常は米西海岸風な、爽やかな風が感じられるような明るい作品をつくっている。その彼が、最近、な、なんとアメ横をつくったという。
 さっそく見に行って、ぶったまげた。
 「うわ~、アメ横だぁ~!!!」(下の写真)。
 正札の378万円!(消費税込み)を横目に見ながら、ぐるっと回ると裏側も、上から眺めりゃ上側(ガード上の線路)もちゃんとつくってある正に驚愕の一品。
 ——-この奥川作品は、現在上野駅の構内で見ることができますので、みなさんもぜひ見に行ってくださいね! (JR山手線上野駅、公園口の改札を入ってすぐ右側に「上野ランド」という名前のスーベニールショップがありますが、作品はその店のド真ん中に置いてありますので。)

奥川泰弘作「上野アメ横」(1/35)


2017年8月30日

旧作リペアーのこと

 誰でもそうだと思うが、むかしつくった自分の作品を見ていると無性に直したくなる。だがいちいち直していたらきりがないので、展示会などで並べるときにはできるだけ目を背けている。そんな作品のひとつ、「炭酸入りのレモネード」(1/12アートインボックス)を、思い切ってリペアーすることにした。つくった当時は「よくできた」と満足したものだったが、それも20年前のはなしである。
 本作を制作した当時、アートインボックスは基本すべて“電気ナシ”だった。電気が点くとむしろオモチャっぽくなると考え、わざとそうしていたが、その後考えが変わり、このごろはすべて“電気アリ”でつくっている。従ってこの際は、本作も“電気アリ”に改造し、店内部を二倍に増床し、そこにいくつかのLED照明を灯すことによって、エンターテイメント性の向上を図るつもりだ。ついでに長年の傷や汚れもできるだけ修復するつもりだが、つくった当時の荒々しい作風は、いまとなっては得難い個性と考え、そのまま残す予定。
 旧作風新作とでも言ったカンジに仕上がれば良いと考えている。
 うまくいくか‥。

1998年制作/炭酸入りのレモネード


2017年8月21日

猛暑の中の定例会

 去年の8月は忙しかった。3日から三越の「ざ・てわざ展」に参加したあと、ちょうど今頃は、有楽町の国際フォーラムで開催された「ものづくり匠の技の祭典」にも参加し、展示ブースを出した。加えて月末には交通会館での生徒展(&はがいちよう展)があったので、8月の手帳は真っ黒だった。
 ところが今年は先の都議選で自民が大敗したことにより、自民党都議連が主催する「技の祭典」が大幅縮小となり、われわれの出番がなくなってしまった。考えてみればこれも加計森騒動や「このハゲー!」のとばっちりと言えなくもない。加えて「てわざ展」も「交通会館展」も今年は開催されず、ひさしぶりに暇な夏を過ごしている。
 ところが元生徒のみなさんはけっこう忙しそうだ。前回お知らせしたように相澤さん、秋山さん、山脇さん、遠藤くんらがあちこちで堂々のエキシビションを開催中だが、その遠藤展を、クラブ(渋谷クラフト倶楽部)のみんなで見に行こうという催しがあり、猛暑の中、約15名のクラブ員が横浜ランドタワーで開催された「遠藤大樹作品展」を見に行った。(下の写真)。ユニークでアーティスティックな遠藤作品の数々を堪能したあとは、もちろん近所の飲食店へと移動し、アルコールの補給に努めた。
 こういったクラブ活動を「定例会」と呼び、ときどき開催しているが、ヒマということもあって、ひさしぶりに私も参加させていただいた。

手前が遠藤作品、右が遠藤くん。


2017年8月13日

近況①「ドールハウス秀作展」

 うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の会員で、なおかつ日本ドールハウス協会の会長でもある相澤和子さんから、「ドールハウス秀作展」と題する作品展の案内状がいっぱい届いた。
 相澤さんの他にも、うちのクラブからは秋山(利明)さんも作品を展示するそうです。
 是非お出かけください。

 タイトル:ドールハウス秀作展
 会場:新宿京王プラザホテル・本館3 階「ロビーギャラリー」
 日程:2017/8/11(金)~8/19(土) 午前10 時~午後7 時 最終日4 時閉場
 出展作家: あいさわかずこ、吉川ゆうこ、髙橋起弥、高梨匠、都築作治、秋山俊明、地主薫、佐々木育子
 入場:無料

 京王プラザホテルのロビーギャラリーって言ったら、そのむかし駆け出しのころのわたしが個展をやった、めちゃくちゃ思い出深い場所だ。久しぶりに出かけてみようと思う。

近況②「山脇隆個展」

 もうひり、山脇隆氏もうちのクラブの会員だが、その山脇氏も近々作品展を開催するという。先日ぼくのスタジオまで案内状を届けてくれた。郵送で済むものを、わざわざ持ってきてくれるところが山脇流である。

 タイトル:山脇隆個展 Trip to darkness ~黄泉のかけら達~
 会場:スパンアートギャラリー(中央区銀座2-2-18 西欧ビル1F)
 URL:http://span-art.co.jp/
 日程: 2017/8/10(木).8/18(土) 11:00.19:00(最終日17:00 まで)
 入場: 無料

 氏の個展は確か今回で2 度目、いま正に絶好調である。彼はゴジラ作家としても有名だが、本展ではゴジラではない作品ばかりを展示する予定。ゴジラでもフィギュアでもなく、模型でもなくオブジェでもない、まさに造形作品としか言いようのない独特の作品ばかりを十数点披露するそうだ。
 是非お出かけください。
 以上、ふたつのエキシビションのお知らせでしたが、これを書いている本日(8/5)と明日(8/6)の二日間、やはり当クラブの遠藤大樹くんの個展(遠藤大樹作品展)が「横浜ランドタワー」の33 階で開催されています。みんな大活躍ですね。
 遠藤くん、告知が遅れてゴメン、ゴメン。


2017年8月6日

てけてけのマスター

 小生のスタジオから駅へ向かう道筋にてけてけというお好み焼き屋がある。かなりボロい(失礼!)店だが、近くて便利ということに加え、安くて美味しいという条件も重なって、ここ数年、教室の放課後には必ずでかける癒しの空間となっている。
 この店のマスターがグループサウンズ時代に一世を風靡した人気バンド「オリーブ」のギタリストだったというはなしを、以前一度紹介したことがあったが(2016/7/9付)、そのマスターに、うちのクラブのままやさんが、高円寺のライブハウスで遭遇し、大興奮したそうだ。下のようなメールが届いた。

 先生!唐突な話題ですが、昨日観たライブがすごかったんですよ!グループサウンズ時代に大人気だったオリーブってバンドのリードヴォーカルのマミーさんを、タブレット純が招いて、トークとライブでの共演という企画だったのですが、そこへゲストで登場したのがおなじバンドのギタリストだった竹屋一水(たけやかずみ)さん。そうです!あの田端のお好み焼き屋のマスターです。マスターの奥様キャロルさんもステージに上がられて、オリジナル曲を2曲披露してくださいました。終演後にサインをいただき、芳賀先生に連れられて何度かお店におじゃましたことをお伝えしたらとても喜んでくださって、先生によろしくとおっしゃられ、握手までしていただき帰ってきました。以下、略——-。

 ままやさんは昭和歌謡やグループサウンズには目がなく、しょっちゅうライブハウスへも出かけるほどの大ファン。その憧れのステージに、いきなりお好み焼き屋のオヤジが上がってきたのだから、そりゃあびっくりしたことだろう。帰りの駅のホームでは大胆にもハグまでしてもらったそうだ。
 ままやさん以外にも、当欄の読者なら、てけてけを知っている御仁は多いはずだ。
 次回行った折には、マスターとともに是非彼のギターにもご注目いただきたい。たいがいはテレビの下あたりに、無造作に置いてありますので…。

一番左がてけてけのマスター
マスターの右がキャロルさん


2017年7月30日

近況①「またトキワ荘を作っています」

 去年の春、豊島区から依頼されて制作したばっかりのトキワ荘だが、その後自由が丘教室の制作課題として、去年の秋から、またおなじものをつくっている。トキワ荘をつくるのはこれで5回目になるが、過去の4作品はすべて売れてしまったので、結局わたしの手許にはひとつも残っていなかった。だからまた作る気になったわけだが、さすがに当初は辟易していた。しかし徐々にかたちが出来上がってくるにつれて、最近やっとエンジンがかかった。
 これが最後のトキワ荘になるのだろうから、後悔のないように、過去品中最多の作りこみを目指し、寺田ヒロオ部屋、石ノ森章太郎部屋、赤塚不二夫部屋の、各室の内部造作は手抜かりなく、ほぼ完ぺきに済ませ、各室の天井にはLEDライトを灯した。また二階の廊下にも実物とおなじように3つの天井灯(LED)を取り付けるなど、時間に追われて思うようにつくれなかった豊島区版の憂さを晴らすように、じっくり取り組み、現時点ではかなり満足のいく仕上がりとなっている。(下の写真)。
 乗ってきたところで一気に片を付けたいところだがそこは教室課題、あんまりスピードを上げすぎると脱落者が出るおそれがある。あくまでもゆっくりと進めて、2018年秋ごろの完成を目指している。
 ちなみに自由が丘教室は見学無料です。ご興味のある方はご連絡ください。日程等の詳細は左のインデックスより「工作教室」をクリックしご覧ください。

制作中のトキワ荘(1/50)
二階の真ん中が赤塚不二夫の部屋
その左が石ノ森章太郎部屋

近況②「ドールハウス展のこと」

 ただいま新宿の京王百貨店において「ドールハウス展」を開催しています。
 お暑い中ではありますが是非お出かけください。

 タイトル:ミニチュアの世界へようこそ「ドールハウス展2017/SUMMER」
 会場:会場:京王百貨店 新宿店 7階 大催場
 日程:2017年7月21日(金)~7月26日(水)
 時間:午前10時~午後8時 ※最終日は午後4時閉場
 入場:無料


2017年7月23日

「石ノ森章太郎の机」展示のこと

 5月に修理が完了した石ノ森章太郎の机、さっそく7月には萬画館での展示が予定されている…などと書いたが—–(5/28 付当欄)——少し違っていた。展示されるのは石巻の萬画館ではなく、兵庫県の姫路で開催される「石ノ森章太郎 Touch 展」会場だそうだ。
 お近くにお住いの方は是非お出かけください。

 タイトル:「石ノ森章太郎 Touch 展」
 会場:「イーグレひめじ」B1F 特別展示室
   *兵庫県姫路市本町68番地290
 日程: 2017/7/20~7/30(午前10時~午後8時30分)
   *7/24 は休館日
 主催: 姫路市
 入場: 無料
 URL: http://www.mangattan.jp/manga/events/7799/

 311の震災後、姫路市が石巻に対し手厚い援助の手を差し伸べた。そのお返しとして、ときどき萬画館が企画した催事を姫路市にプレゼントしているそうだ。そんなわけで、今回は姫路での展示となったが、来年は石ノ森章太郎生誕80周年に当たり、Touch 展とは別の企画展を考えているそうだ。そのときにはちゃんと萬画館で展示する予定とのこと。
 「常設で展示したらどうなの?」
 と、尋ねたところ「たまに展示するほうが値打ちが出ると思って…」
 だ、そうだ。

1/12 石ノ森章太郎の机


2017年7月16日