自習の勧め

 数年前までは、毎週末になると必ず、当時は現役の生徒だった白石和良さんがぼくのスタジオに顔を出し、だいたい丸一日もくもくと作業をして帰っていた。いわゆる「自習」である。しかし2016年の暮れに彼が脳溢血で倒れたあと、しばらく自習に訪れる生徒はいなかった。だが今年の春になって、当欄で自習制度についてアナウンスしたところ、ぽちぽちとまた週末に自習者が訪れるようになった。
 下の写真は本日9/2日(日)のマイスタジオ。二人とも現役の生徒さんで、右はアキさん。彼女はほぼ毎週末自習のために訪れ、教室での宿題と取り組んでいる。左はユウさん。ユウさんはアキさんほど頻繁ではないが、遠く沼津からアルファーロメオを飛ばしてやってきて、アキさん同様まじめに自習に励んでいる。ほかにはイギシさんや、スガさんや、ヤンさんや、ミユキさんらがときどき自習に訪れている。
 どうか皆さんも気楽にぼくのスタジオを使って自習してくださいね。これから秋になり、教室の宿題もだんだんと増えてきますので‥。

 *スタジオ使用料は一回千円(時間にかかわらず)です。
 *手土産不要。
 *誰でもOK(現役の生徒さんに限らず、元生徒でも、生徒でなくってもOK)です。
 *平日休日祭日、朝でも昼でも夜でもOKです。
 *工具使い放題です。
 *騒音出し放題、散らかし放題もOKです。

 以上、自習希望者はあらかじめメール(ichiyoh@jcom.zaq.ne.jp)か電話(08054973497)でご連絡ください。この件に関しては3月26日付けの当欄にも記事があります。

アキさんとユウさん


2018年9月2日

ひさしぶりにプロフィールの写真を変えました

 先日ある酒の席で、だいぶん酔っ払った元生徒嬢から「なんでプロフィールの写真を変えたのよ」とからまれた。変えたのは2年も前のことだが、その前に使っていた写真のほうが絶対よかったと、彼女は言い張る。
 「そんなこと言ったって、あれは10年以上も前に撮った写真だからもう使えないよ、会ったときに別人って思われてしまうだろ」
 「会ったら別人って、世の中そんな人ばっかりですよ」
 「わかったよ、こんど変える‥」
 な~んて会話があり、彼女が言うところの前の写真とよく似た写真を改めて撮り直して、いろんなところに掲載されていたわたしのブロフィール写真を一斉にチェンジした。
 最近はずっと笑顔だが、笑った写真は撮らせないというマイルス・デビスの影響を受けて、この仕事を始めた当初は笑った写真は絶対に使わなかった。だがあるとき、やはり元生徒氏から「先生、プロフィールの写真を笑顔にすれば、生徒数がグンと増えますよ‥」と言われてコロッと路線を変え、それ以降ずっと笑顔である。
 もうこの写真(下)のまま、おだぶつまで行きたいものだ。

最新のプロフィール写真


2018年8月26日

肩書きで悩んでいます

 いま自分がつくっている作品をドールハウスとは思っていない。かといってジオラマとも思わないし、ミニチュアとも、模型とも、造形作品とも、ちょっと違うと思う。展示会のときなどに「こういう作品をなんと言うのですか?」と何回たずねられたかわからない。
 むかし仙台のアートディーラー氏が、わたしのための作品展を開催してくれた折、「模型作品を展示、販売します」では商売にならないと言われ、このときはじめて「立体画」という言葉を使った。20年も前のはなしである。このとき以降、わたしの作品は立体画ということになり、わたしの肩書きは立体画家となった。(このホームページでもそれを踏襲しています)。
 でもどうなんだろうか、自分では確かに、立体的な絵を描いているつもりで、作品をつくっているのだが、あえて「立体画」と言い切ってしまうと、少しニュアンスが違うような気がする。
 なぜ改めて本日こんなことを書き出したのかというと、実はいま作品の写真集をつくっているところであり、作者であるわたしの肩書きをどうするのかが、20年ぶりに論点となっているからだ。
 コピーライターであるわれわれのクラブのH氏に、以前そのことをおたずねしたところ、単に「画家」でよいとおっしゃった。さすがH氏である。明快で非常にカッコいいが、普通の人にはピンとこないだろう。
 そういうわけで、いまわたしの肩書きについて悩んでいます。なにかよいアイデアがありましたら是非おしらせください。適当な考えが見つからなかった場合、今回は肩書きナシ、単に「作者・はが いちよう」とだけ表記するつもりです。

20年前の仙台展の案内状
1997/2/8~3/9


2018年8月19日

新作を少しいじりました

 この時期世間は夏休み。
 そこで我が教室も7/8日に開催予定だった「ブーランジェリー制作講座」を一回休んだことを皮切りに、7/14日の「トキワ荘制作教室」も休み、7/28日の「火の見やぐら教室」も休み、そして7月と8月に開催予定だった「水曜教室」はやらないことにした。こんなにバタバタと教室を休んだのは初めてである。
 おかげで時間的な余裕ができたので、ずっとお蔵入りにしていたつくりかけの新作を倉庫から引っ張り出してきて、のんびり手を加えることができた。少し前にリペアーした「錠前屋のルネ」の室内に作り込んだワークスペースの評判がよかったので、二匹目のドジョウを狙い、ふたたびレトロな作業台(ワークベンチ)に挑んでみた。(下の写真)。
 この部分はこれで気に入ったが、作品全体としてうまくまとまるかどうか、まだよくわからない。11月に神戸市須磨区にある大丸百貨店での作品展開催が予定されているので、それまでにはなんとか完成させたいが、どうなることやら‥。
 これで私の夏休みは終わり、今日からはまた教室がある。

1/12新作 題名不詳


2018年8月12日

山脇展のこと

 きのうの夕方、4人の生徒さんを相手に教室をやっていると、とつぜん部屋の扉が開き、元生徒山脇隆氏が姿を現した。彼はそのまま部屋に入ってきて、エアコンの前に立ち止まり、腰を下ろした。
 「おお、ひさしぶりだなあ」
 と、声をかけると、ヘヘヘ、と余裕の笑みを浮かべ、こんど個展をやるんです、といいながら、カバンからいろんな種類の案内ハガキを取り出した。まずはスパンアートサロンでの山脇隆展、それから交通会館での幻獣神話展、さらには元麻布での「江戸を描く」というイベントのチラシまで、ざっとひと山をゆっくり我々の目の前に広げ、説明してくれた。ほぼ時をおなじくして開催されるそれら3つのエキシビションに、すべて山脇氏の作品が出演するのだそうだ。
 すごいパワーである。

 ①タイトル: 山脇隆個展 ~結界を越えて~
 会場: スパンアートギャラリー(中央区銀座2-2-18 電話03-5524-3060)
 会期: 2018年8月9日~18日(会期中無休)
 開場時間: 午前11時~午後7時(最終日は17:00閉場)
 入場: 無料

 ②タイトル: 幻獣神話展5
 会場: 東京交通会館 地下一階 ゴールドサロン
 会期: 2018年8月9日~18日(会期中無休)
 開場時間: 午前11時~午後7時半(最終日は17:00閉場)
 入場: 無料

 ③タイトル: 江戸を描く3
 会場: 元麻布ギャラリー(港区元麻布3-12-3)
 会期: 2018年8月21日~27日(会期中無休)
 開館時間: 平日 14:00~19:00 (最終日17時まで)
      土日 11:00~19:00
 入場: 無料

 「ブログで宣伝するから、なにかビジュアルも送ってよ‥」
 と言ったら、ただちに彼から下の映像が届いた。なんという題名なのかわからぬが、きっと氏の新作なのだろう、すごい造形力である。
 ぜひお出かけになって、自分の目でお確かめください。

山脇隆作品


2018年8月5日

写真集のこと

 作品写真集と制作記(下の写真)は、作品展開催の折や各種催事に出場したときには必ず作品の横に並べて売っている。と言っても大して売れるものではなく、2月に開催した有楽町展の場合だと期間中一週間で写真集がおよそ10冊、制作記が5冊ぐらい売れた。5月のデザフェスではその3倍売れたが、デザフェスには6万人の客が来る。
 そこで北海道ショウだが、どうせ客は来ないだろうから、ほんの2~3冊しか売れぬだろうと読んだ。しかし作品は2個しか持っていけず、せいぜい本でも並べとかなきゃぁテーブルがガラガラになってしまう。なので宅急便であらかじめ写真集15冊と制作記10冊を送った。ところが実際は予想をはるかに上回る客が押し寄せ、それら25冊の書籍は初日のうちにほぼ完売してしまった。この大珍事のおかげで、たったひとつしかない小生の写真集が、イエサブの棚と自宅ギャラリーに残る数冊を除いて、ぜーんぶ売れて無くなってしまったのである。
 そもそも写真集は2001年に、銀座で開催された伊東屋展にあわせて、某出版社から刊行され、計2500冊刷ったと記憶するが、それがスギちゃんの北海道ショウを最後に、あえなく販売打ち止めとなってしまったのだ。ギリギリ今年いっぱいはもつかと思って、のろのろと進めていた次なる写真集の制作作業を、おかげで、急ピッチで取り組まざる得なくなり、やれ題名をどうするのか‥や、おびただしい量の写真を大至急整理しなきゃならんとか、このところ、そんなことばっかりをやっている。

左が写真集「箱のなかのパリ」。右が「木造機関庫制作記」。
「制作記」はまだ100冊ぐらい残っています。


2018年7月29日

北海道初のドールハウスショウ

 この度のショウが開催された砂川市は、北海道のほぼ真ん中に位置する人口1万5千人のなんにもないところ。会場は駅のすぐ横だが、いつ電車が来るんだか、まだ一度も電車を見ていない。そんなところで開催するショウに果たして客が来るのか、大いに心配していた。
 そしたらである。開場10分前になると、入り口に大勢の客が並んでいるという情報が入り、まさかと思って見に行くと、入場ゲート目掛けて100メートル以上の行列が出来ていた。そしてオープン30分後にはもう下の写真のような有様である。(写真は初日に撮ったものだが二日目は更に多くの客が入った)。入り口で手渡したパンフレットの枚数から推定すると入場者総数は二日でほぼ4000名だったそうだ。これは東京でのショウとあんまり変わらない数字である。正に大快挙と言える。
 当ショウの実行委員会代表のスギちゃんと委員の皆さんおめでとう! そしてお疲れさまでした。
 小生はあした飛行機で東京へ帰ります。
 (なおショウの詳細については前回の当欄をご覧下さい)。


2018年7月24日