「トーキングヘッズ叢書No.96」

 「THトーキングヘッズ叢書」という雑誌(季刊誌)に、もう10年以上にわたって「立体画家・はがいちようの世界」という連載コーナーを持っている。その連載が今回で42回目になる。そのように、長いことお世話になっているトーキングヘッズ誌の、最新号である第96号「GOTHIC-Rゴシック再興〜闇に染まれ」が、一昨日発売になった。
 今号の特集は「ゴシック」だ。
 「ゴシックの源流から、ゴシックな精神を受け継いだ現代の作品までを俯瞰し、建築はもちろんのこと、ドール、廃墟美、身体改造、南部ゴシック、千夜一夜など、アート、文学、映画等々、多様な視点からその特質を紐解きました。また特集以外でも、レビュー・エッセイなども豊富に掲載しています。ご高覧いただき、ぜひ諸媒体・SNS等でご紹介いただけると幸いです。」
 ——-だ、そうです。

 もちろんアマゾンでも買えます。
 編集=発行=アトリエサード/発売=書苑新社
 A5判/全208ページ/本体1500+税

 下に掲載したわたしのページはほんの刺身のツマに過ぎず、あとはガツンと文字がつまった優良記事のオンバレードである。「ゴシックの精神とは何か」にはじまり、「ゴシック作品に通底する精神とは?」や、「クィアでフリークな南部ゴシック『風と共に去りぬ』から『ノーカントリー』まで」…等々、どれも熱の入った記事で、読み応え充分だ。
 本好きのみなさん、ぜひお求めください。

ピエール氏の荷馬車がBAINSと書かれた建物の前に停めてある。BAINはバンと読みバスタブのことだが、語尾にSがついているので複数形だ。複数のバスタブがある建物とは、つまりここは風呂屋(湯屋)なのである。遠い村から荷台いっぱいの穀物袋を積んでパリまでやってきたピエールは、取引先に荷をおろし、牛を休ませ、今はのんびり銭湯で湯に浸かっているのだろうか…。と、本作はそういう作品である。