出張展示が続いた2月は、ほとんどクローズの状態だった自宅展示場「Gallery ICHIYOH」でしたが、3月3日より、再びオープンしています。
名称: Gallery ICHIYOH
住所: 東京都北区中里3-23-22
営業時間: 午前10時~午後6時
入場料: 大人100円 (子供10円)
※メール(ichiyoh@jcom.zaq.ne.jp)か電話(080-5497-3497)でご予約の上お出かけください。
5月に再度、いったんクローズいたしますが、その後またリオープンし、ずっとつづけるつもりですので、一度ぜひお立ち寄りください。
近況②「ノブさんの一文」
先月のTOCビルでの催事(Rooms Experience展)ではヨシミツノブヒコさん、通称ノブさんに大変お世話になった。
催事の開催には手伝いがいる。規模によって必要な人数はまちまちだが今回は搬入に3人、搬出に3人、中日に2人づつ2日、計10人工(ニンク)必要だった。そのうちの4人工をノブさんがひとりで賄ってくれた。平日の昼間に手伝える人材・非高齢者で、となると、そうは多くない。その点ノブさんはまだ40代だというのに、今回の日程である火・水・木・金の昼間にからだを空けられるという余裕の身分、らしいのだ。
そんな彼の趣味は文章を書くこと。
なので、当欄でも、以前何回か彼の原稿を掲載したしたことがあったが、今回も、この度の催事にまつわる一文を提供してくれた。
—–以下ノブさん文。
2月21日から五反田のTOCビルでおこなわれた「rooms EXPERIENCE」におじいさん(←はがいちよう氏のことです)も参加したわけだが、今回初めて僕も「お手伝い」という形で参加させていただいた。
搬入、搬出、セッティングなど、エキシビションにかんすることすべてのお手伝いをさせてもらったのだが、今まで自分たちのエキシビションの搬入搬出の経験はあるが、人の手伝いは初めてだったので刺激も多かった。
何より面白いなぁ、と思ったのが会場となったTOCビルである。
TOCビルが完成したのは1970年ということなので、もう50年近い歴史がある。だから当然いろんなところは旧態依然としているのだが、だからこそ面白い。
おじいさんの話によると、かつてはアパレル関係の大きなイベントは必ずといっていいほどTOCビルでおこなわれたらしい。しかしビルとして古くなり、また渋谷や原宿に相応しいスペースが出来たこともあって、今は目立つ存在ではなくなってしまった。
今から2年か3年ほど前だったか、マツコ・デラックスの「夜の巷を徘徊する」でTOCビルを徘徊していたが、あの番組でもあった通り、良くも悪くも雑多で何でもアリ感がすごい。
和洋中ひと通り以上ある飲食店街をはじめ、よくわからないフシギな商品を並べる店、ショールーム、100円ショップ、そうかと思うと日本最大の売り場面積のユニクロまで入ってたりする。
上階には多数のオフィスも入っており、13階のイベント会場に至るまで、完全にビルがひとつの街になっているのだ。
あいにく開催期間中は天候に恵まれなかったが、昼食を食べたりお茶を飲んだりするにも、はたまた突然電池切れで買いに走るにしてもビルから出る必要がない。
そしてオススメしたいのが屋上である。
昨今景観やセキュリティの問題で屋上を封鎖している建物が多い中、TOCビルはそんなことはなく、昔のサラリーマン映画で出てくるような光景が広がっている。
さすがに昔のサラリーマン映画のようにバレーボールに興じたりするのは禁止だが、それでも十分すぎるくらい「昭和の屋上」が味わえるのだ。
五反田駅からそこそこ歩くので、意外と行ったことがない人が多いと思うが、このTOCビル、なかなかの隠れた昭和スポットだと思う。
——以上、原文のまま。
ノブさん、名文をありがとう!
ちなみにTOCとは東京卸売りセンターの略である。アパレルメーカーを中心に、オモチャから雑貨まで、むかしはあらゆるジャンルの問屋が入っていた。いま、むかしと書いたが、多分いまもそうだと思う。かくいう私は、以前アパレル関係の商売をやっていたので、そのころTOCへは頻繁に出かけた。
それからウン十年たって、今回ひさしぶりに足を踏み入れたわけだが、なつかしいと感じるにはどこもかしこもリペアーされすぎていて、どうもピンとこなかった。ノブさんご推薦の屋上には当時は昇った記憶がなく、従ってなんの思い出もない。しかしである。駐車場だけは往時のまま変わらずに残っていた。ある日子連れでそのパーキングゲートをくぐったとき、料金ボックスに自分でカネを入れたいとせがんだ長男が、いまはもう41歳になる。
こっちもおじいさんに‥なるよなあ。
2018年3月5日