ひさしぶりの馬具店

 このところなにかと話題になることが多い中東のカタール。昨晩はサッカーのカタール戦が大騒ぎだった。この国の首都ドーハに、国王のまたいとこにあたる、アフマド・アルタニという、ミニチュア大好き男(41才)がいる。
 2012年の夏、とつぜんそのアフマドから「作品を買いたい」というメールが届いた。何点かの写真を見せると、ほぼぜんぶ「買う」と言ってくれたので、その年の12月、買ってくれた作品ひと山をたずさえて、はるばるドーハの彼の家まで、おとどけにあがったことがあった。(2012/12/15日付け当欄に記事があります)。さらには、このときの現地での面談中に、米西部開拓時代の馬具店「エドワード・モースの店」の制作を依頼され、その後1年がかりで制作し、2014年春に完成、でっかい作品だったので、今度は送料約100万円を払って、航空便で送ったこともあった。もちろんそれらの費用は全額アフマドからいただいたが、その後彼からはぱったりと連絡が来なくなり、送った作品を気に入ったのかどうか、よくわからない状態が続いていた。
 そしたらである。ついこのあいだ、一色美世子さんと、次女ノエさんと、英国の本田和美さんの3人(全員ぼくの教室の生徒)が、わざわざカタールまで、彼のコレクションを見に行ったそうだ。するとドーハの豪邸には、ぼくが行ったころにはなかった大きなふたつの展示室があって、そこに馬具店をふくめた拙作5~6点が、よい位置に、おいてあったという。展示室のほかにも、ただ作品を積んであるだけの在庫部屋もあったので、飾ってある作品は彼のお気に入りだけじゃないかと、一色さんはおっしゃった。
 「日本人が行くので、特別に飾ったんじゃないの?」と尋ねると「とてもそうは思えなかった」という。わざわざ部屋を暗くしてくれ、馬具店内部のストーブの炎がよく見えるように調整してくれたそうだ。
 アフマドに限らずのことだが、買ってくれた作品を、大事にしてくれているってことを聞くのは、うれしいことである。

ひさしぶりの馬具店@アフマド・アルタニ邸

2019年2月3日

トキワ荘講座のこと

 本日26日(土)午後6時より「トキワ荘制作講座」があります。
 —–お集まりください。
 ①本日は最終回ですので完成作品を持参し、説明いたします。
 ②みんなで集合写真を撮りたいと考えています。
 ③少し早めに終えて、近所の居酒屋にて「打ち上げ」をやる予定ですので、ふるってご参加ください。(かつて自由が丘教室に在籍していたことがあるOBの方々や、その他の方々も歓迎します ので、よかったら午後7時ごろ、いつもの部屋「自由が丘グリーンホール201号室」に、顔を出してください。)

 と、昨日SNSに、掲載しましたところ、多くのいいねがついています。ところがわたしは、昨晩より急に高熱を発してしまい、いくことは行きますが、もしかすると打ち上げには参加できないかもしれません。
 まことに申しわけありません。
 なお、わたしが不参加でも、打ち上げ自体は開催いたします。
 どうぞよろしく。

人生5度目のトキワ荘 完成! 1/50

2019年1月26日

東京MXテレビのこと

 東京MXテレビで毎朝「ヒーリングタイム&ヘッドラインニュース」という番組をやっていますが、その最後のころに、ちらっと拙作が出演しますので、朝よっぽどおヒマな方はご覧になってください。われわれのクラブの山野順一朗会長も、バッチリしょっぱなに出演していますので‥。
 *しばらくのあいだ毎朝見ることができます。
 *平日はAM7:00~7:30
 *土日はAM6:00~6:30

 東京MXデレビには「TOKYO MX1」と「TOKYO MX2」がありますが「MX2」のほうです。(地デジチャンネル番号093)。あわせるには、テレビのリモコン「9」を押して、そのあとチャンネル「進む(+)」のボタンを一回押すとよいでしょう。東京以外の方もPCとスマホで、オンタイムで見ることができます。詳しくは「mcas」か「エムキャス」で検索してください。
http://mcas.jp/c/mx1.htm

東京MXテレビ

2019年1月19日

やすらぎの刻(とき)~道

我が渋谷クラフト倶楽部がテレ朝系昼ドラマ「やすらぎの刻(とき)~道」の内装、美術に協力し、いくつかの作品を提供することになった。「刻(とき)~道」は、おととし制作され、やはり我がクラブが作品を提供した「やすらぎの郷(さと)」の完全なる続編で、役者も内装もまったく同じ状態の、そのつづきの物語である。したがって貸し出す作品も前回使ったのと同じものを準備した。

 遠藤大樹作品「コモリ時計店」(1/12) 一点
 遠藤大樹作品「ガソリンスタンド」(1/12) 一点
 杉山武司作品「赤いトタン屋根の家」(1/24) 一点
 井岸一臣作品「時計仕掛けのリストウォッチ」(ノースケール) 一点
 井岸一臣作品「時計仕掛けの万年筆」(ノースケール) 一点
 関根裕子作品「木造機関庫」(1/80) 一点
 はがいちよう作品「ベランダのムード」(1/12) 一点
 はがいちよう作品「THE KID」(1/12) 一点
 はがいちよう作品「ル・マタン・ブロン(白い朝)」(1/12) 一点
 はがいちよう作品「赤いテントのタマゴ屋」(1/12) 一点

 上の10作品とイーゼルや、各種付属品一式を先日局のトラックが回収していった。返却は1年後だそうだ。ちなみに番組の放送開始は本年4月で、終了が2020年3月とのこと。毎日放送され、かつ1年も続く連ドラなんて聞いたことがない。これに前作「やすらぎの郷」が加算されれば、間違いなくギネス級の超ロングドラマとなるだろう。「郷(さと)」「刻(とき)」ともに脚本はあの倉本聰である。
 この壮大な番組の美術担当者である荒川淳彦氏は、こうして、ときどき私の作品を使ってくれるので、いつも大感謝している。最初は2014年のキムタクの「HERO」で、そしてこの度のやすらぎシリーズでは2回も使ってくれた。その荒川さん、19日の午後10時から日テレでスタートする新番組「イノセンス冤罪弁護士」の美術も担当しているそうなので、よかったらこちらもぜひご覧になってください。

やすらぎへ出発する作品たち

2019年1月13日

年賀状

 デジタル時代を反映してか、このごろ紙の年賀状がめっきり減ってきた。しかしまだ送ってくださる方もいらっしゃるので、こっちも一応印刷した年賀状を毎年用意し、必ず返信している。
 下が今年の紙年賀の文面だ。
 あけましておめでとうございます。
 写真(下の写真)は昨年制作した「ル・アトリエ・デ・イチヨウ」という作品(1/12)です。つまりこれはわたしの作業場です。
 むかしと比べて作業時間はだいぶん減りましたが、わたしはいまも、こんな風な仕事場で、毎日なにかをつくっています。
 みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
 と、今年の場合は、上の文面になにかひとこと手書きで添えて、だいたい150枚ぐらい投函した。ここ数年、それら返信作業はかならず元日に行い、ほぼ夕方までかかる。そして夕方になると、新松戸に住んでいる妹夫婦がやってきて、加えてうちの子供達や、孫を含めた総勢9名での新年会がはじまる。と、まあ、だいたいどこのご家庭でも似たようなものだろう。別段なにも変わったことがないということが平和なんだと思う。
 晴天にも恵まれ、よいお正月でした。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年の年賀状の写真


2019年1月6日

良いお年を‥

 おととし、テレ朝系で放送された連続ドラマ「やすらぎの郷」のインテリア装飾品として拙作4点と我がクラブ員たちの作品7点が使われた。そして来年、シチュエーションは前作とまったくおなじで、その続編を放送するそうだ。したがって前回貸し出した作品とまったくおなじものを、新年早々に、再度貸し出しすることになっている。
 ちなみに続編は「やすらぎの刻(とき)」というタイトルで、もうすでに一部の撮影がはじまっているそうだ。そのためこの暮れは貸し出し予定の作品をいろいろと手直ししている。
 下の写真はそのうちのひとつ「ル・マタン・ブロン」(白い朝)という作品だが、ちよっと修理のつもりが、だんだんとエスカレートし、半分つくり直しのような様相を呈してしまった。この調子でいくと今年の除夜の鐘はこの泥沼の修理地獄(極楽か?)のなかで聴くことになりそうだ。
 みなさんどうか良いお年を‥。

「ル・マタン・ブロン」(1/12)


2018年12月29日

Hang(ハン)さんがやってきた

 台湾のHank Chengさんをご存知だろうか。フェイスブックで5000、インスタグラムで8万人のフォロワーを誇る、いま売り出し中の有名ミニチュアリストである。
 夏の北海道のショーで、ぼくの隣のテープルがHangさんだったが、彼の顔があまりにも怖かったので、そのときにはあんまり話をしなかった。そしたら今月になって、突然彼からメールがあり、月末に東京へ遊びに行くので、ぼくのギャラリーを是非見学したいという。いくら顔がこわいからと言って国際親善上断るわけにもいかず、おそるおそるOKした。
 そして22日の土曜日、羽田から直行でわたしのスタジオを訪れた彼は、とりあえずはギャラリーを見学し、教室を見学し、そのあとは、この日の生徒氏らと一緒に、例のお好み焼き屋・テケテケへと繰り出した。
 テケテケでの彼は決してこわいお兄さんではなく、イメージとはまったく違う生粋のベジタリアンだった。肉もイカもまったく口にせず、ただ野菜のみを食べ、流暢な日本語を笑顔でしゃべった。日本が大好きだという彼は、むかし4年間高円寺に住んでいたことがあるという。そんなHang氏のはなしを聞いているうちに、最初の怖さは徐々に消え失せ、いつの間にかわれわれは彼の大ファンになってしまった。
 Hangさん、もう怖くありませんので、また遊びに来てくださいね。
(彼の作品はHang Chengで検索すれば、山ほど見ることができます)

ぼくの隣の黒シャツがHangさん
Hangさんの隣は彼のガールフレンド


2018年12月24日