ニコ生、ユーチューブ界で今やその名を知らぬ者のない、オタキングで知られるユーチューバー、岡田斗司夫さんが、お仲間一名を伴って、先日風のように現れた。実はオカダさんはむかし、有楽町での拙展の折に一度顔を見せてくれたことがあり、まったくの初対面ではなかったが、あの迫力満点のキャラを目の当たりにすると、やっぱり、改めて驚いた。
プライベートギャラリーを拝見したいという用件だったので「オカダさんが、好きそうなものは、あんまり置いてないかも知れませんが…」と、言いながら、さっそくギャラリーへとご案内し
「ご自由にお好きなだけご覧ください。」
ひとこと述べて、わたしは隣の作業小屋へと引っ込んだ。
彼は数日前のメールで「昭和33年/江戸川区鹿骨」(1/80)を見たいとおっしゃった。さすがに言うことがシブイ。しかしご指名の作品は展示しておらず、置いてあるのはいわゆる「パリもの」と呼ばれるアートインボックスばっかりだ。どう考えても彼の好みに合うとは思えず、10分もすればたちまち戻ってくるだろうと時計を見ていた。そしたらである。あにはからんや、なんと30分もご覧になり、また風のように去っていった。
(写真: キシモト・ユウ)