「失敗だ!」

  うひゃ〜! なんだぁこりゃあ〜。
  あるとき突然、たいへんな失敗に気がつき、アタマをかかえた。
  何かうまくゴマかす方法はないか、ずっと考えてきたが、いまだに大した方法を思いつかない。
  下の写真を見てほしい。
  ペンギン屋から頼まれてつくっているペンギン作品がほぼ出来上がり状態である。あとは石畳の上に、いくつかの鉢植えポットでもならべりゃ完成と、機嫌よく、せっせとポットをつくっていた。つくりながらもポットの数や、置くべき位置などを改めて考えていると、そのときはじめて「あれっ?」と思った。よく見ると、店へ入るためのステップが逆の位置に付いているではないか。これじゃあ階段を上ったとたんペンギンにぶつかってしまう。
  これはヤバイ。
  冷や汗タラーリ状態で考察するに、ステップを正しい位置に直すには、石畳まで、ぜんぶつくり直さねばならぬと理解した。それからの数週間、まったくやる気が起きず、①だまってこのまま納品してもペンギン屋はきっと気がつかないだろう‥説や、②入り口ドアの手前に木の台でも置いて、それをステップにしてしまう‥とか、③幅の広い、錆びた鉄板のようなスロープ状のカバーを手前に被せて、失敗全体を隠蔽してしまうとか‥等々、あれこれ考えたが、どれもいまいち。
  こんな間抜けな失敗ははじめてである。
  ボケが来たのか。

「年末までに作ってくれればいいですよ‥」と、ペンギン屋からは言われているが、もうそろそろ12月である。わかっちゃいるがやる気が起きない。