「マガラさんの偉業」

  以前「消防署をつくる」という拙著をここで宣伝したことがあった。(7/21日付け小欄)。この本は、ぼくの工作教室で配っていたマニュアル書(作り方説明書)を、ヘタクソな手書き文字のまま一冊に綴じたレアもので、読んだからといってつくれるわけではありませんと但し書きを入れてあるにもかかわらず、ときどき売れる。
  それを元生徒のマガラさんが一冊買ったことは知っていた。その後マガラさんから、当該作品をつくる上での必要部品の注文があって、それらを送ったことも覚えている。だが、それでもなお、実のところ、まさか本当に彼が、つくるとは思っていなかった。
  ところがである。あるとき彼は自分のフェイスブックページに下のような写真を掲載し、小生のドキモを抜いてくれた。外壁の色や二階の散らかり具合など、どこもかしこもまるで拙作そっくりではないか。(下の写真はマガラさんの作品です。わたしのではありません)。
  ——-マガラ氏恐るべし、である。
  作品は、このあとトタン屋根の制作へと進むが、そのための材料もすでにお送りしたので、早晩きっと目を見張るような、立派な屋根が出来あがることだろう。
  というわけで、拙著を読めば作品がつくれるという事実が、図らずもマガラ氏の偉業によって立証されたことになり、著者としてこの上ない喜びに浸っている。ただし窓わく等の部品は絶対必要なので、この記事を読んで、マジでつくろうとお考えの諸兄は、どうか遠慮なくドシドシそれらをご注文ください。まだ幾らかの在庫がありますので。

写真はマガラ・ヤストシさんの作品(1/80)だ。(氏のフェイスブックページより無断で掲載いたしました。ごめんなさい)。1998年か99年ごろ、ぼくの教室にマガラ・アキヒロという生徒がいらっしゃった。そのアキヒロさんのお兄いさんがヤストシさんだ。アキヒロさんは小泉政権時に竹中平蔵大臣の秘書官に任命され、確か、それが理由で教室を辞めた。それから20年、アキヒロさんの紹介でやってきたのが兄のヤストシさんだった。しかしすぐにコロナがはじまってしまい、ヤストシさんのクラスはいつのまにか解散状態に。やや消化不良のままお別れしなければならなかったことが、今回の「作りたい欲求」につながっているのか…。