毎年年末になると京都に住む長男夫婦が二人の孫を連れて帰省するので、しばらくは賑やかだった。しかし3日に彼らが帰り、突然静かになった。
さて、今年はなんと言ってもオリンピックが話題だが、自分的には3月にオープンする「復元トキワ荘/マンガミュージアム」のほうがよほど気になる。わたしはこの件の基礎調査に協力しているし、復元推進のための模型(1/50)もつくっている。
そこでだが、最近の新聞記事を見ると、復元されるトキワ荘の壁はベージュ色と書いてある。しかしこれは多分間違っている。
20年前に最初のトキワ荘をつくったとき、壁をベージュ系に着色し、屋根を普通の日本瓦にしたところ、元住人の藤子不二雄A氏(安孫子素雄氏)から、壁はピンク、屋根は赤だったというご指摘をいただいた。その直後に藤子氏の事務所で、壁の色を示す当時のカラー写真を見せていただいたことがある。加えてトキワ荘の大家・天野喜秀氏から、「壁はピンクでした。屋根はセメント瓦の赤でした」と、直接伺ったことがあり、以後わたしは、壁はピンクだったと信じている。ところが大家氏はその後認知症となり、藤子氏は「トキワ荘のことはすでに言いつくしたので、今後はもう言及しない」と公言し、今回の復元事業にはかかわっていない。よって、たとえ間違いであったとしても、復元トキワ荘の壁はベージュ色になるようだ。
ちなみにぼくの模型は一作目以降、壁の色はすべてピンクだ。しかし屋根は赤だったり、黒だったり、グレーだったり、そのときどきの気分で、いろいろである。
本年もどうぞよろしく。