再々お伝えしている馬具店だが、いま屋根をやっている。
屋根といったらエントツだ。T字型やらH型など、日本だとそんなかたちだが、果たしてアメリカではどうなのか。調べると、あっちじゃあそんなのは見当たらない。じゃあどうするのかと困っているときに、ちょうどイギリスへと旅立った。行って驚いた。むこうの建物には100%エントツが立っている。エントツ、エントツ、エントツである。おかげですっかりエントツ通になり、帰国後、ただちに写真のようなエントツをつくった。
エントツができたら次は屋根を葺(ふ)かねばならぬ。
この時代には木のかけら—-木端(こっぱ)を瓦代わりに屋根を葺(ふ)いていたが、木端は瓦のように整然と並んでいるのではなく、たいがい微妙に(あるいはズルズルに)曲がっていた。素材の厚みや大きさが不均一だったことに加えて、必ずしもまっすぐに並べる必要もなかったからそうなったのだろう。決してわざと曲げたわけではない。
実は最初にやった屋根は見事に失敗だった。あまりにもびろびろに曲がりすぎていて、まるでわざとやったようなムードだったのだ。しょうがないのでいったんぜんぶ削り取って、やり直したのが写真の屋根である。
——–みなさん良いお年を!
2013年12月29日