ガラクタ屋、みたいな作品が完成した。
フランスの著名なフォトグラファー、ロベール・ドアノー(Robert Doisneau 1912~1994)の写真を元に、今回はできるだけ写真に忠実に制作した。
ところがその写真を見ただけでは、そこが何屋だか判然とせず、たまたま遊びに来ていたフランス人に訊いてみた。すると彼は「ガラクタ屋にも見えるし、アンティークショップ風でもあり、洋服屋にも見える…」とおっしゃり、けっきょく本場のフランス人にもよくわからないとのことだった。ついでに店頭のアルファベット「VEYSSEYRE」についても尋ねると、こちらは「人名に間違いない」とのこと。
店の右側の黒いドアーに関してもよくわからなかった。
ナベ釡の類がたくさんぶら下がったこの扉は「VEYSSEYRE」(ブェィセイル)の店のサイドドアーのようでもあるが、まったく別の店の入り口のようでもある。
以上、オリジナルの写真ではそんな風だったので、それをそのままつくったのが下の作品だ。とにかくよくわからない店である。
だから題名に苦慮している。
本来ならば「○○通りのガラクタ屋」などとしたいところだが、どうもこの店はガラクタ屋ではなさそうだ。そしてオリジナルの写真には通りの名前など、場所の手がかりは一切記されていない。仕方がないのでタイトルはただ単に「ブェィセイル」か、ないしは「ブェィセイルの店」あたりにするしかないのか。
いま考えている最中だ。
2012年9月22日