「BAINS/2月のパリ」

 8月11日「トーキングヘッズ叢書」(TH Series)No.103号が発売になった。
 最新号『幻郷の花嫁』では「現実と異界との橋渡しをするような、妖しく魅惑的な存在が紡ぎ出すさまざまな物語を特集。古来からの伝説をはじめ、小説やマンガ、映画、アート、音楽など、多様な視点からそれらを紹介し、そこに秘められたものを解題します」—–という内容だそうだ。
 ——-ぜひお求めください。アトリエサードの発行で、もちろんAmazonでも買えます。(1,650円)。
 今号における「はがいちようの世界」では「BAINS/2月のパリ」という作品を紹介させていただいた。下の写真。(この暑いさなか凍えるような2月の情景で申し訳ない)。
 BAINSはバンと読み浴槽(複数形)の意味。つまり風呂屋(銭湯)のことだ。パリには多くの風呂屋が存在するが、わたしは本作を含めて計3点の風呂屋作品をつくった。本作以外では「トルネ通りの風呂屋」と「ピエールの荷馬車」があるが、今から27年前に、一番はじめにつくった風呂屋作品が本作「BAINS/2月のパリ」である。

トーキングヘッズ誌 No103号より.

「ノエカフェ教室」

 8〜9年前に、シカゴのミニチュアショウで販売するための数種類のドア=ドアだけの作品=をつくったことがあった。そのうちの何点かが、どういうわけかノエカフェにあって、その制作教室を開いて欲しいと、以前よりノエカフェさんからの要望をうけていた。
 ノエカフェ・オーナーはご存知イッシキ・ミヨコさん、ぼくの教室の古くからの生徒で、且つ「渋谷クラフト倶楽部」の会員だ。彼女が一度なにかの要望を言い出すとずっとそれを言い続け、簡単には諦めないことを知っているわたしは
 「いいですよ、協力します…」
 と、お返事し、この暑いさ中に、先日その第1回目の教室が開かれた。(下の写真)。と言ってもドアだけなのでそう何回もつづけるほどのものではない。2回か3回やれば終了するスポット的な教室だ。

 《参加者》
 サトウ・チズコさん
 カネコ・マリさん
 フカザワ・ナオコさん
 ヨシダ・カオリさん
 ハットリ・カオリさん
 ウメノ・アユミさん
 ネギシ・ミハさん
 モチズキ・ヨウコさん
 タケイ・アキコさん
 コンノ・マキコさん

 練馬のノエカフェまではイッシキさんの車でご送迎をいただいたが、その車中で別の作品(作品題名「アトリエ・デ・イチヨウ」)の教室開催も求められた。これも、もう一年ほど前からずっと言われ続けているご要望だが完成までに最低20回を要するような難物で、今はちょっとはじめる自信がない。こちらに関してはご容赦いただきたいと願っているのだが…。

「勉強会のこと」

 先日「渋谷クラフト倶楽部」の勉強会があった。
 いままでは千駄木の集会場を使って開いてきたこの勉強会だが、どういうわけか今回は小生のおんぼろスタジオで開催され、この暑いさなか、わたしを含めて計19名ものクラブ員たちが狭苦しいスタジオに集まり、大変な熱気だった。(下の写真)。
 最初はサトウ・コウサク部員による「LEDライトをチカチカと点滅させるための配線」みたいな講義だったが、サトウさんの声が小さかったのと、こっちの耳が悪かったせいで、いまいち内容がよく聞き取れなかった。
 二番手はキシモト・ユウジ部員による「生成AIでデータをつくり、つくったデータによって立体作品をつくる」みたいな講義だった。AIによって実際につくられたビクトリア調時代の椅子や、各種胸像や、オブジェなどを見せてもらい、加えて、あるクラブ員から出された「大正時代のバスケット鞄」という突然のリクエストにも応じ、即座にそれらしいデータをつくってしまったAIの能力の高さにビックリだった。
 サトウさん、キシモトさんありがとう!!!

 《参加者》
 ナカジマ・ユウさん
 キシモト・ユウジさん
 サトウ・コウサクさん
 ヤマノ・ジュンイチロウさん
 サトウ・アキコさん
 タガミ・タエコさん
 アナグマ・アダチさん
 ハガ・ショウさん
 ウエノ・シゲユキさん
 タヤマ・マユミさん
 アイサワ・カズコさん
 コウノ・ヒロフミさん
 タジマ・ナギサさん
 イギシ・カズオミさん
 タカタニ・トシアキさん
 イシハラ・アキコさん
 ムカイ・ウチュウさん
 アカクマ・ヒデミツさん

 上の方々の中には、お会いするのは5年ぶりというメンバーもいらっしゃり、めちゃくちゃ懐かしかった。終了後は有志8〜9名とともにコミバスに乗って王子の居酒屋へ‥。

「渋谷クラフト倶楽部」の作品展

 ぼくの工作教室の生徒氏らの親睦会(渋谷クラフト倶楽部)主催による生徒作品展が11月に開催されます。最近教室に参加されたばっかりの新人(まだクラブの会員になっていない方々)でもトライできますので、よかったら自分の作品を出品してみませんか。
 ——-下がその作品展の概要です。

「渋谷クラフト倶楽部作品展」
 開催日: 2025年11月16日(日)〜11月22日(土)
 開催場所: 有楽町 東京交通会館B1Fゴールドサロン
 出品料: 1点12,000円。2点以上か、もしくは1点でも長辺が50cmを超える作品の場合は18,000円。(3点以上多数出品しても上限は18,000円です)。
 出品される方はクラブにご入会ください、(入会費無料/年会費3,000円)。
 締め切りは8月17日です。

 ぼくの教室は1997年からの数年間渋谷にあり、そのころの生徒たちによって結成されたクラブなので「渋谷クラフト倶楽部」という名称になっています。今回はその18回目の作品展です。
 参加希望者は当クラブ会長の山野順一朗氏まで連絡をください。
 山野順一朗: yamano11ro@gmail.com

「選挙に行こう!」

 去年の秋の衆議院選挙での自民党大敗後、石破首相の写真を添えて「目が点になる」という記事を書いたことがあった。このときは直後に石破氏が責任をとって首相の座を退くと思っていた。ところがどっこいカエルの面にしょんべんか、それから9ヶ月も粘りに粘り、いまだに内閣総理大臣の地位にいる。
 だがしかしやっと彼にも年貢の納めどきが来たようだ。
 みなさんご存知のように今度の日曜日(7/20)は参議院議員選挙の投開票日に当たっていて、オールドメディアやSNSでは連日大騒ぎをしている。彼らが伝えるところによると石破首相率いる自民党は今回歴史的大惨敗を喫するそうで、自公連立政権は過半数の議席を大幅に割り込み、政権運営が立ちいかなくなるという。
 するともう二度とあの顔を見なくても済むのかもしれない。
 二度とあのネバネバしたはなしを聞かなくても済むのかもしれない。
 バンザーイ! バンザーイ! と叫びたいところだが、議席が減ったぶん、どこかの政党と連立を組み、さらにネバネバする可能性もあり、選挙後の情勢にも、引き続き目が離せない。
 それにしてもみなさん選挙には行きましょうね。
 ぼくはもう期日前投票を済ませましたよ。

「パクられたのか?」

 下の写真を見てほしい。
 伊東屋作品を絵柄にしたこんなバッグが、パリの高級ブティック街、サントノーレ通りの店で売っているらしい。ノエカフェ・オーナーの一色さんがSNSに投稿した。投稿には下のような一文が添えられていた。

 伊東屋×ブリジットタナカ
 パリに本店を構えオーガンジー素材のバッグを手がける「ブリジットタナカ」と「伊東屋」がコラボレーション !
 お買い物やお出かけにぴったりなオーガンジーバッグには、1904年に銀座で創業した伊東屋の店舗をデザイン。よく見てみると、お店で留守番をしている猫が隠れています。

 絵柄を拡大し、じっくり眺めてみると、店内の右端に小さな丸い椅子があり、たしかにその上に猫がいる。だがこの椅子は、当時秋葉原にあったボクの店の商品(ミニチュアパーツ)を棚から取り出して持ち帰り、わたしがこの位置に取り付けたもの。絵柄にはその椅子が描かれている。
 2003年に伊東屋さんから創業店舗の展示物制作を依頼されたとき、資料として一枚の写真を提供された。が、それは100年前の写真ゆえ不鮮明な箇所が多く、多くのディティールがよくわからなかった。そういった不明な箇所は小生の乏しい想像(創造)力によって補うほかはなく、恐る恐るひとつずつの細部を解明し、まずは設計図としてのカンタンな図を描いた。そのとき描いた図と、このオーガンジーバッグの絵柄がおんなじなのだ。
 もし自分が異国の地でこんな商品に出会ったら相当びっくりしただろう。
 一色さんもとても驚き、思わずバッグを買ってしまったらしい。
 ぜひ現物を見たいものだ。

 はなしは変わるが、今週末の7/12〜13日に浅草の都立産業貿易センタービルで「ドールハウスショウ」が開催されます。お暑い中ではありますが、よかったらぜひお出かけください。詳細は6/12日付けの小欄に‥。

バッグを手にしているのはノエカフェのノエちゃんだと思います。

「参加者一名を募集します」

 8月から下記要項により「消防署制作教室」をスタートします。
 つきましては参加者一名を募集いたします。

 ①制作課題:「1/80消防署」(写真の作品)
 ②当教室は原則月一回、土日祭日の午後に開催します。
 ③初回開催日は8月10日/午後3:00〜5:00です。
 ④場所は「はがいちようの駒込スタジオ」(北区中里3-23-22)です。
 ⑤当日は何も持ってくなくてOKです。
 ⑧参加料は一回11,000円(木材費込み)です。

 概要は以上ですが、なにか質問があれば遠慮なくメール(ichiyoh@jcom.zaq.ne.jp)をください。事情があって今回一名だけの募集ですので、希望者はお早めに連絡をください。(応募者多数の場合は先着順とさせていただきます)。
 どうぞよろしく。