「忘年会の変遷」

 先週末うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の忘年会があった。
 このところ忘年会はいつも池袋のもんじゃ鉄板焼きの店「Na味」(なみ)で開催するのが定番になっている。(下の写真)。しかし当クラブがはじめて開いた忘年会は2000年、渋谷の「山家」(やまが)という古い居酒屋でだった。当時ぼくの教室が渋谷にあったので山家のほかに、やはり渋谷の「わらじ屋」という店でやったこともあり、いまとなっては懐かしい思い出だ。
 そのあと2003年ごろ、教室が駒込のぼくの作業場へと引っ越し、引っ越した最初の年の忘年会は近所の居酒屋「阿里」(あり)で開催。その翌年は、やはり近所の「近江屋」で。そしてその翌年は、駒込の大衆割烹「磯太郎」で開催した。
 この磯太郎が好評で多分10回以上ここで開催している。参加人数もこのころがもっとも多かったようにおもう。ところがある日とつぜん店の経営者が代わってしまい、屋号も「駒込/元気丸」へと変わり、料理も雰囲気もガラッと変わった。その元気丸でも一度開催したが、評判はいまいちだった。
 そう言えば2010年ごろ「駒込女子栄養短期大学レストラン」という店(確かそんな名前だった)でも試しに一回やったことがあったが、そこは、あまり忘年会むきの場所とは言えなかった。
 そこで2018年から、忘年会は毎回池袋の「Na味」で開催することになった。おいしいこと、安いことに加えて、ここはうちのクラブの古くからのメンバーであるイッシキ・ミヨコさんのご主人が経営している、いわば身内の店。なのでしばらくは「Na味」の時代がつづくのではなかうか。
 —–ちなみにぼくは上に挙げたどの忘年会にもすべてに出席しています。

今回の参加者(順不同)、アキヤマ・トシアキさん、フジシタ・ケンジさん、タケイ・アキコさん、スズキ・マサハルさん、ハガ・ショウさん、キシモト・ユウジさん、タカハシ・トシアキさん、タカハシ・トモミさん、オオウチ・マコトさん、ハガ・イチヨウさん、スズキ・ケンシさん、ヤザワ・シュンゴさん、イギシ・カズオミさん、カネコ・マリさん、イッシキ・ミヨコさん、テシバ・ユウホウさん、スズキ・カツヤさん、ウエノ・シゲユキさん、アダチ・ヨシキさん、サトウ・ジュンコさん、ヤマノ・ジュンイチロウさん、ヤマノ・サエさん、タカタニ・トシアキさん、以上の方々でした。

「昭和の挿絵画家」

 この夏から「Gallery ICHIYOH」 に、元生徒スズキ・マサハルさん作による「昭和の挿絵画家」という作品が展示されているが、(ことの経緯は8/21日付当欄に)、秋にギャラリーを訪れたニコラス・フェルナンデスというオーストリア人が、その作品を購入したいと申しでたため、売るのか売らぬのか、スズキさんに電話で問い合わせるというひと幕があった。(詳細は10/16日付当欄に)。
 結局「売らない」ということに落ち着いたが、それから約2ヶ月たったいま、改めてスズキさんから下のようなメールと写真が届いた。

 以下スズキ文。
「やっぱり売りません」

 先日、カナダ観光客の方(*注: 正しくはオーストリア人)から拙作「昭和の挿絵画家」 を売ってくれませんか?との嬉しいお知らせにトキメキましたが、国際郵便で放り投げられたら“昭和の残骸”になりそうで、やっぱり売りません。というのもこの作品、室内レイアウトがラクになるよう壁が床からスポッと抜ける分解式。天井や屋根もただ“乗っているだけ”です。
 さらに小物の大半は愛用の強力ゴム系「GPクリアボンド」による、逆さにしても落ちない絶妙な“半固定”。おかげで今でも気軽に模様替えできますが、異国へのひとり旅はさすがにヘビーです。
 以上、当人の承諾を得て掲載しました。売るかもしれない騒動から少し時間がたちましたが、当時書いた記事のつづきという意味で掲載させていただきました。
 こうして写真を見ると全分解できるスズキ作品のスゴさが改めて伝わってまいりますね。
 ——-なお本作はGallery ICHIYOHでご覧になれます。

「ドアだけの教室」

 アートインボックスで一番かんたんな作品といったらドアーだけの作品だろう。窓だけ、屋根だけでは作品にならない。なので入門者がさいしょに取り組む課題として、ドアだけの作品を、むかしはよくつくった。だが最近は、だんだんと客=生徒たちの目が肥えてきて、さいしょっから、かなり複雑な作品を、(自分たちの腕前のことは棚に上げて)、嗜好するようになり、この10年ぐらいドアだけの作品はつくっていない。
 ところが先日有楽町で開催された「渋谷クラフト倶楽部展」の会場には、むかしの生徒がつくったドアだけの作品が2点展示されていて、独特のヒカリを放つっていた。
 それを見た元生徒のKさんが
 「ワー、わたしたちもコレをつくりたーい! 次の教室でぜひやってほしい…」
 と、期間中に何度もそのことを訴え、その結果、ずいぷんひさしぶりに「ドアだけ教室」を、またはじめることになってしまった。
 ついては今回一名だけ、参加者を募集します。

 会場: はがいちようの駒込スタジオ(北区中里3-23-22)
 制作課題: 「5番地のドア」(縮尺12分の1/写真の作品)
 初回開催日: 2026年1月18日(日曜日)
   (原則月一回、日曜日の午後に随時開催する)
 開催時間: 午後1時半〜午後5時
 参加費: 一回11,000円(消費税込み)

 参加希望者は至急HAGAまで連絡をください
 ——早いもの勝ちです。

「さえない日」

 22日の土曜日をもって「渋谷クラフト倶楽部展」は無事終了いたしました。ご来場いただいたみなさん、および出品者のみなさん、そしてクラブの山野順一朗会長に熱く御礼を申しあげます。
 わたしは期間中は毎日午後の4時ごろに会場入りしていましたが、なれない電車通勤にもやっとなれたころ、予定通りの閉幕となり、今週はややエキシビジョンロス的気分ただよう毎日を過ごしています。
 そんな中きのうの朝は、鮫洲の運転免許センターまで出かけて、まことにくだらない「認知機能検査」なるものを受けてきた。もちろんわたしが高齢者ゆえ、こんなものを受けなきゃならんわけで、当日そこに集まった人々は全員高齢者。したがって場のふんいきは超最低。
 その場でわれわれ高齢者は、机の上にズラッとタブレットがならんだ部屋へ通され、それらタブレットが発するいくつかの問いに答えるというカンタンな試験を受けた。それ自体はたったの15分ほどで済んだが、はじめる前の説明がいろいろあって、それに待ち時間が加わり、全体ではしっかり半日もかかってしまった。
 結局わたしは「認知症のおそれがある基準には該当しません」という表題のペーパーを一枚渡され「帰ってよい」と言われたが、半分ぐらいのクラスメート(?)たちは帰ろうとせず、午後は「高齢者用の運転技能検査」を受けるという。
「なんでわたしはそれを受けられないのか?」
 と、教官に問うと「予約していないから」と言われて万事休す。
 とぼとぼと帰路についた。
 なので、また別の日に、今度は王子の自動車学校へ出かけて技能試験を受けなきゃならんし、もしかしたらまた別の日にどこかの会場で今度は目の検査があるかもしれない。
 ああ、めんどくさい!!
 ———まことにサエないエキシビションロスの一日でした。

「ただいま開催中!」

  今回で18回目になる作品展「渋谷クラフト倶楽部展」が、いよいよスタートいたしました。いつもなら会場の約半分を拙作の展示に使っているのですが、今回は、会場のほぼすべてのスペースをクラブ員たちの作品で埋めつくすという、正に、これぞクラブ展といったおもむきでの開催です。
  拙作は今回2点だけなので、いつもならヘトヘトになる搬入や陳列も難なく済ませ、比較的元気な姿でオープニングパーティーにのぞむことができました。
   (下の写真)。
  初日の午前中に自作の搬入を終え、いったん家へもどり、夕方ふたたび会場へもどると、予想以上の客の入りに少々おどろいた。
  聞くと
「昼からずっとこんな調子です」
 とのこと。
 これが初日だけの現象に終わらぬことを祈りたい。
 —–みなさんもぜひお出かけください。
 わたしは大体毎日16:00ごろ会場入りする予定です。
 SNS等での拡散もよろしく…

 渋谷クラフト倶楽部展ただいま開催中!
 22日まで/有楽町交通会館B1Fゴールドサロンにて。
 11:00〜20:00 (22日は19:00閉場)
 入場無料

「渋谷クラフト倶楽部展」

   今度の日曜日(11/16日)から「渋谷クラフト倶楽部」のみなさんによる作品展がスタートします。(渋谷クラフト倶楽部とはわたしの教室の生徒さんたちの集まりです)。
   開催要項は下記です。

   日程: 2025/11/16(日)〜11/22(土) 11:00 am〜20:00 pm
      (初日16日は1:00 pm開場、最終日は7:00 pm閉場)
   会場: 東京交通会館B1Fゴールドサロン(JR有楽町駅前)
   電話: 03-3215-7933 (期間内会場直通)
   ※初日(16日)の午後6時から会場でオープニングバーティーがあります。
      (どなたでも参加できますので奮ってご参加ください)。

   今回わたしはほんの数点しか出品しませんが、生徒さんたちの出品点数は90点以上にものぼり、見応え十分と期待されます。
   お誘い合わせの上お出かけください。
   なお初日(16日)に限り開場は午後1時です。
   お間違えのないように。

「伊東屋一号店」

 トーキングヘッズ誌No.104「孤高の徒花(あだばな)たち~はぐれ者の美学」が発売になりました(アトリエサード/発行)。最新号では「孤高の徒花たち」をテーマに、たとえ徒花に終わろうとも、社会や流行に迎合しない者たちに焦点を当てました。諸媒体・SNH等でご紹介いただけると幸いです。
 ——-だそうです。
 もちろんアマゾンでもお求めいただけます。
 税別1,500円(A5判・192ページ)
 ぜひご高覧ください。

 今号における連載コラム「はがいちようの世界/第50回」では「伊東屋一号店」と題し、明治37年(1904年)の創業時における銀座伊東屋(文房具店)の店内のようすを紹介した。(下の写真)。
 本作を制作した2004年には、4代目社長であった伊藤高之氏がまだお元気で、創業時のエピソードをいろいろと聞かせてくださった。なにしろ電話が普及していなかった時代である。通信手段としての絵ハガキがよく売れ、常に店の真ん中に置いてあったという。
「それがうちの店の特徴となり、いまでも一階を入ってすぐのところに絵ハガキの売り場があります…」
 と聞き、帰りに改めて、一階の売り場を確認した記憶がある。
 なので、そのことを原稿に書いてメールで送ったが、あとで考えたら、伊東屋はそのあとの2010年ごろに、新しいビルに建て変えている。
「マズイ、もしかしたら間違ったことを書いたかもしれない…」
 と、わたしはあわてて銀座の伊東屋まで見に行った。
 そしたらちゃんと一階に、ポストカード売り場が、今でもありました。
 ——ああ、よかった。