近況①「馬具店の絵のこと」

 下の絵は馬具店の裏側だ。
 前回掲載した表側の絵は前作「カール・フローセス・ストアー」とよく似ている上に見どころ満載なので描くのにさほどの苦労はなかった。しかし裏となるとこれといった見せ場があるわけではなく、それを絵にせにゃならんてこったから、こっちはなかなかむずかしかった。加えて屋根の角度のことや瓦のこと、エントツのこと、下見板のことなど、他国の文化に関しちゃさっぱり自信が持てず、これ一枚描くのにも慎重に調べにゃならんことがあった。他方、こんな野中の一軒屋みたいなところに店があるわけがなく、そのへんは大胆にでたらめだ。
 気のはやい読者からは「どのていど進みましたか?」なんて問い合わせがあったが、まだなんにもやっていない。
 もうすぐ4月になると米シカゴのミニチュアショーへ出かけることになっていて、会場には使えそうなパーツがどっさり売っているはず。まずはそれらをひととおり見て、気に入ったものはどしどし調達し、それから実際につくりはじめる予定である。

馬具店裏側の絵

近況②「シカゴショーのこと」

 いま「シカゴのミニチュアショー」と書いたが、詳細は2012年9月29日付けの当欄をご覧になってください。いまのところぼくのクラブ(クラフト教室)からは以下の方々が同行することになっています。

 Dollhouse Isako さん(★ディーラー/駒込教室元生徒)
 アトリエバニラのJunkoさん(一日教室の生徒)
 菊入のケンさん(自由が丘教室元生徒)
 Rotten Ralcaさん(千石教室元生徒)
 目黒ねーちゃん(自由が丘教室元生徒)
 Minusculeのさえちゃん(自由が丘教室元生徒)
 日本橋の白石社長(自由が丘教室現役生)
 & ICHIYOH Haga ★ディーラー

 わたしを含めて計8名でゾロっと出かける予定ですが、ほかに同行を希望する方はいらっしゃいませんでしょうか。
 希望者は至急Hagaまでご連絡ください。
 4月17日成田発23日成田着です。

シカゴのミニチュアショー
http://www.bishopshow.com/


2013年2月23日

しげざねさんの北ホテル

 最近どうしているかと思って、しげざねさんにメールを打ってみた。そしたらすぐに返事がきた。
 ご無沙汰しております。
 あいかわらず、時間を見つけてはぽつぽつと作っています。手が遅いので、少しずつ少しずつといった調子です。先生のようにてきぱき出来たらいいのですが、とてもそうはいきません。
 写真は昨年11月に仕上げたもので、タイトルは「Hotel du Nord/北ホテル」としました。縮尺は60分の1です。どんなものでしょうか?
 合格だとうれしいのですが。
 このあとは「Sous les toits de Paris/巴里の屋根の下」(1/60) というタイトルであれこれ絵を描いたあと、作り始めました。あきることなく、楽しんでやっております。
 ——以上がしげざねさんからの返事。
 これには1 0枚の写真が添付されていて、それを見ると、この作品は建物の内部までしっかりとつくりこまれているようである。
 あきれました。
 もちろん「合格!」です。


2013年2月17日

馬具店のこと

 去年の10月、中東カタールのアフマド・アルタニからメールがあった。「馬具店(カール・フローセス・ストアー)が気に入った。おなじものをつくってほしい…。」
 (馬具店:http://www.ichiyoh-haga.com/jp/carl/win00.html)
 12月に中東くんだりまで出かけた理由のひとつがそれだった。
 ところが現地での話し合いにおいて、われわれの見解にちょっとしたズレが生じ、結局このはなしはなにも進展せず、中東における唯一の心残りとなった。わたしの考えていたかたち(形状)とアフマドの考えていたものが少し違っていたのだ。
 帰国してからもずっとそのことが頭に残り、そればかりを考えつづけた。やがてクリスマスが過ぎたころ、間違いなく彼が気に入りそうなあるかたちが見えた。
 だがどうやってそれをアフマドに伝えたらよいのか。
 あれこれ考えた末に絵を描くことにした。
 見れば一発でわかるような絵を。
 そうして正月に下の絵を描いてカタールのアフマドへと送った。すると即座に「パーフェクト!」という返事。投げた球がズバッとド真ん中に決まったようだ。めでたく1月の末にはこの仕事の前払い金が振り込まれた。
 というわけで、ふたたび「馬具店」をつくることになりました。(前作の題名は「カール・フローセス・ストアー」でしたが、こんどは別の題を考えるつもりです。)
 完成は一年後の予定。
 —–乞うご期待!


2013年2月9日

中川さえさんの一文

 つい先日まで自由が丘教室の生徒だった中川さえさん。
 こんど自分のホームページをつくったそうだ。
 一度見てほしいというメールがあったので、当欄で宣伝してあげると言ったら、すぐに返事がきた。

えぇぇぇぇぇー!!!!
いいんですかっ(((p(≧□≦)q)))!!!!
まじですか!!!!!!
それはやばいくらいに嬉しいですっ!!!!
ならばしっかりした文章を考えたいので、
1日待ってください!!!!!!
先生のHPに2回も載れるなんて嬉しすぎますーーーー!!(ノДT)

★そして一日待ったら下のような一文が届いた。
———-以下、中川文。
(原文のまま)

こんにちは、
はじめまして、
中川さえです。
いつもお世話になっております。
今回、自身で作成したミニチュア制作のHPをこちらでご紹介頂けるとの事で、嬉しい気持ちでいっぱいです!!
東京へ出て、いつか芳賀先生と話がしたい!と願ってから早2年、今では先生の、お酒で顔を赤らめる姿を幾度も間近で見れる程お近づきになれました。
念願の渋谷クラフト倶楽部にも入れました、そして夏の合同展示会への参加の夢も叶いそうです。
HPも作ってしまい、
こんな楽しい事が沢山実現、
幸せすぎて、近いうちに何か反動がくるのではないかと不安もありますが、
全力で今を楽しんでいます!
HPでは、
ミニチュア作家に憧れていた小さい頃の作品も掲載しています。
2010年の途中から、先生への憧れが強くなっていくのを作品から感じて頂けるのではないかと思います。
少しでも、覗いて頂けたら嬉しいです!!

皆さまと、どこかでお会いできる日がありますように。
どうぞ、宜しくお願い致します!
そして芳賀先生、いつも有難うございます!!
minuscule 中川さえ
ホームページ:http://minuscule0036.com/

中川さえさんの作品


2013年2月2日

石ノ森萬画館のこと

 3.11の津波に襲われ、大きなダメージを受けた宮城県石巻市の「石ノ森萬画館」。その後長らく閉館していたが、昨年の11月17日にみごと再オープンを果たした。
 写真はその初日のようす。
 同館2階に展示中の「トキワ荘」(1/15)はさいわい無キズだったが、震災後ずっと停電だったため、館内に湿気がこもり、作品にカビが生えたのではないかという懸念や、長年のほこりが堆積し、ひどいことになっているのではないか、など、再オープンしたとなると、なにかと気になり、やきもきしていた。
 ちょうどそんなとき関係者から連絡があった。
 訊くと近々同館一階の正面に「石ノ森章太郎の紹介」というコーナーを新設する計画があって、トキワ荘展示物はそちらに移す予定だという。
 ついては一度作品をリペアーしてほしいと言う。
 「おー、いいじゃねーか!!」
 ってわけで、こんど石巻まで行くことになりました。
 (この件は追ってまたお知らせいたします。)

写真提供:㈱丹青社


2013年1月29日

本田和美さんのこと

 本田和美さんは高校卒業と同時にベルギーへ渡り、その後イギリスへ。そしてイギリスの大学に入学。そこで知り合った英国人と結婚し、今はロンドンの西40キロに位置するエマー・グリーンという町に住んでいる。一男一女の母である。
 その本田さんが現在川越の実家に戻っていて、このところ毎日ぼくの「一日教室」に通ってきている。最初は12分の1の「ドアー」をつくって、そのあとは80分の1の「小屋」をつくり、そしてそのあとは…。
 もともとドールハウスが趣味だという彼女は、数年前に訪れた仏リヨンのミニチュアミュージアムで偶然ぼくの作品を見て、ぼくの居どころを探り当て、習いたいと言ってきた。本国ではネット上のミニチュアグループ総勢約60人の世話人をやっていて、常にぼくの宣伝をしているという。
 うれしいはなしである。
 先週ちらっと自由が丘の教室へも顔を出してくれたので会った人も多いだろう。彼女はまだしばらく日本にいるそうなので、また教室へも顔をだすかもしれません。
 そんな本田和美さんをどうぞよろしく。

本田和美さん


2013年1月20日

近況①「うれしい再会」

 去年制作した「中古屋ブェイセイル(1/12)」がスペインの雑誌「ミニアチュラス」の一月号で紹介された。同誌に掲載されたのは10年ぶりのことである。
(下の写真)。
 この雑誌の女性編集長マデルバ・フェルナンデスさんは、西暦2000に東京で開催されたミニチュアショーで拙作を見て、とても気に入ってくれ、その直後に続けて二回ぼくの作品を紹介してくれたことがある。しかしその翌々年、日本ドールハウス協会とスペインのミニチュアグループとのあいだに金銭をめぐるトラブルが発生し、これをきっかけにして彼女はパッタリ東京へ来なくなり、いつのまにか1 0年の歳月が経ってしまった。
 そしたら去年、ひょっこりそのマデルバさんからフェイスブックでの友達申請があり、またぼくの作品を紹介したいと言ってきた。毎号掲載したいみたいなことも言っているので、もしかしたらまた続けて二回となるのか…。
 うれしい再会である。

スペイン「Miniaturas」誌
2013年1月号

近況②「銀座百点のこと」

 暮れの27日に伊東屋の伊藤高之会長から連絡があり、銀座百点という雑誌にぼくの作品(伊東屋)が掲載されたことを知らせてくれた。そしてその翌日には雑誌までもが届いた。
 以下その記事より一部を抜粋する。
 ———その最上階に大きな模型がある(通常は非公開)。1904年(明治37年)に創業したときの店舗を忠実に再現した模型である。模型作家の芳賀一洋氏が、一枚だけ残っていた創業時の写真を大きく引き伸ばし、伊東屋創業百周年にこの模型を制作した———–。
 扱いはそんなに大きくないが、せっかく会長が送ってくれたものなので、下にその写真を掲載することにする。
 伊藤会長、いつもお世話さまです。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

銀座百点
2013年1月号


2013年1月14日