山田康雄さんのこと

 考えるところがあって彫刻家の山田康雄さんに会いに行った。
 山田さんは現在82才。
 自分の作品を展示する「木の美術館」を那須高原に建てて30年。自分でそれを運営し、365日ひとりでそこに住み、館に併設された工房で今も毎日作品をつくっている。それどころか自分のメシを自分でつくり、掃除や洗濯も自分でやって、来場者への切符売りから接客まで、ぜ~んぶひとりでやっている。
 行った日の晩、われわれは彼に案内されて近所の民宿へ。川のせせらぎを聞きながら、宿で出された晩メシを一緒に食べたが、山田さんは夕方6時からノンアルコールビールを片手に夜9時まで、ひとりでガンガンしゃべり、あとは車で風のように去った。
 まあとにかくすごいパワーである。
 この美術館、以前は春夏のみに営業し、秋冬のあいだ彼は東京に住んでいた。その東京大田区の山田工房へ、うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)のみんなでお邪魔したことがあった。(2012/11/17日付け当欄に記載あり)。一通りの見学が終わったあと、近所の居酒屋で、このときも山田さんはひとりでビシバシしゃべった。その日のことを彼は鮮明に覚えていて、しきりに懐かしがった。
 というわけで、みんなも一度那須へ遊びに行ったらどうか。
 感銘を受けること確実である。
 ★木の美術館:http://stylestore.jp/blog/user/T01361/110520151746/

山田工房@那須高原


2015年5月30日

近況①「井岸さんの新作」

 先日ひさしぶりに元生徒井岸一臣さんがやってきた。自由が丘教室での去年の課題作「ぼろい工場」がやっと完成したということで、ちょうど駒込教室がある日に持ってきて、みんなに見せてくれたのだ。(下の写真)。
 この作品はもともと屋根のトタンが半分外れた状態のデザインだったが、井岸さんはそれを台風のせいと意味づけし、その影響で工場の裏手に土砂崩れが発生、地下室が丸見えになってしまったというストーリーを描き、作品化した。なんというオリジナル性か。ぼろい工場という素材を生かし、発展させ、見事な「井岸ワールド」につくりかえている。脱帽である。

井岸さんの作品(1/80)

近況②「山脇展が始まります」

 ちょうど井岸さんが来た日、おなじく元生徒の山脇隆さんもやってきて、近々銀座で開催される「山脇展」の案内状を配ってくれた。

 ≪山脇隆・個展≫
 タイトル:CREATURE’S GARDEN/異形モノ達の箱庭
 会場:スパンアートギャラリー(中央区銀座2-2-18 電話03-5524-3060)
http://www.span-art.co.jp/
 会期:2015年6月2日~6月13日(日曜休廊)
 時間:午前11時~午後7時(最終日午後4時まで)
 入場:無料

 山脇氏は有名ゴジラ作家として活躍中だが、最近はゴジラの枠に収まりきらない独特の作品を次々と発表、今回はその集大成的な作品展となるらしい。
 パワー全開の「山脇ワールド」を是非ご堪能ください。
 必見です!

CREATURE’S GARDEN


2015年5月26日

イベント情報

 今週末の5月16日と17日に、東京ビックサイトで開催される「デザインフェスタ」(通称デザフェス)に出場いたします。私は大体会場にいる予定です。是非ご来場ください。

 タイトル:デザインフェスタvol. 41
 会場:東京ビッグサイト・西館
 日程:2015年5月16日(土)~17日(日)
 時間:午前11時~午後7時
 当日券:\1,000(1日券)/\1,800(両日券)
 URL:http://www.designfesta.com
 ★HAGAのブース№:H109~H110(暗いエリア)

 上記デザフェスと時を同じくして、静岡ではホビーショーが開催されます。このショウの名物企画「モデラーズクラブ合同作品展」へも、うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)から総勢11名が参加し、さまざまな作品を展示いたします。静岡へお出かけの折には是非こちらへもお立ち寄りください。

 タイトル:第26回モデラーズクラブ合同作品展
 会場:第54回静岡ホビーショー会場で(@ツインメッセ静岡)
 日程:2015年5月16日(土)・17日(日)
 時間:午前9時~午後5時(17日は午後4時閉場)
 テーブル名:はがいちよう&渋谷クラフト倶楽部
 テーブル№:225
 入場:無料
 URL:http://www.hobby-shizuoka.com/

モデラーズクラブ合同作品展@2011年


2015年5月15日

おねえさん

 シカゴから帰って、松江展での撤収を終え、戻ってきた大量の作品およびミニチュアグッズを整理整頓したあと、大慌てで取り組んでいるのがイエローサブマリン(通称イエサブ)の棚の復旧だ。シカゴショウに出払っていたため、その前後を含めて一か月近くも空っぽだった棚を一刻も早く元通りにせねばならぬ。
 そのために頑張ってくれているのが元生徒・田山まゆみさんだ。以前から小生のアシスタントとして時々手伝いを頼んでいる女性である。
 うちのクラブでは単に「まゆみちゃん」と呼ばれ、古くからの有名人だが、どういうわけか彼女の写真はネットでの掲載が今まで〝不許可〟だった。それがついに〝解禁〟になったということを、最近当人のフェイスブックページで知り、本日晴れてここにその活躍ぶりを紹介することにした。(下の写真)。イエサブクルーのあいだで彼女は単に「おねえさん」と呼ばれ、親しまれている。
 ———-見かけたら一声かけてくださいね。

はがいちようのミニチュアコレクション@イエローサブマリン
秋葉原ラジオ会館6F


2015年5月9日

松江展終了

 3月より松江(島根県)で開催中だったエキシビション「ドールハウス&立体絵画展」の終了にあわせて、撤収のため現地へ。
 こういう際の助っ人は毎回元生徒山下浩氏にお願いしているが、加えて今回は我々のクラブの重鎮佐野匡司郎氏が〝私も行きたい〟と申し出たため、急きょ山下、佐野、芳賀の3名で現地へと向かった。
 佐野氏は若いころ、大手ゼネコンの社員として倉吉、米子、松江、出雲など、山陰地方の各都市でいくつものビル建設を手掛け、ご自身は当時出雲市に住んでいたという。それからサラサラと40有余年の歳月が流れ、ひさしぶりに訪れた思い出の地は、氏の目に一体どう映ったのか。
 29日の朝、われわれは空路神話の国出雲へと入り、まずは出雲大社へ参拝し、出雲そばをつまみに昼ビールを堪能したあと、一時間に一本の一畑電鉄(通称バタ電)で松江方面へと向かった。催事場のあるイングリッシュガーデン駅へ着いたのが午後4時。客はもう引けているだろうと思いながらガーデンの門をくぐり、回廊を進み、一番奥のはがコーナーまでたどりつくと、どういうわけかそこだけにはまだごっそりと客が詰まっていた。
 「一緒に写真を撮ってくださーい!」
 な~んて嬉しいお声もかかり、最終日とはとても思えない盛り上がりだった。
 ——-ご来場いただいたみなさん、ありがとう!
 松江展は4月29日午後5時を以って無事終了いたしました。

山下、佐野、芳賀@バタ電


2015年5月4日

シカゴでの買ってきたもの

 のろのろではあるが、いまふたつのアートインボックス作品をつくっている。
 「DANONE 1944/夏」と「エイミー&マドレーヌ」のふたつ。
 前者は八百屋のような店だ。一色美世子さんたちの希望で2年ほど前から教室の課題として少しずつつくっている。後者は伊藤順子さんの希望でつくりはじめ、ぼくの作品では初めての洋服屋にするべく取り組んでいる。モードの町パリにファッションブティックが一軒もないのでは片手落ちと思い、いつか作品ラインナップに加えたいと、ずっと前からひそかに考えていた。
 ところがこの洋服ってのが曲者だ。ミニチュアの布があまりにも軽いので、服がダラーンとぶら下がる、重力の表現が非常にむずかしいのである。自分ではまったくつくる気がしないので、はじめっからシカゴで調達するつもりでいた。
 で、下の写真のようなグッズ一式を買ってきた。奮発し占めて約1000ドル。
 あと「DANONE」に使う野菜類も100ドルばかり調達し、やっとこの2作品の完成へのメドが立ってきた。

Scale 1/12


2015年4月25日

帰ってきました

 21日午後シカゴから帰ってまいりました。
 旧知のディーラーたちが口々に〝今年は低調〟と述べていたが、客数は例年の7掛けか8掛け程度だったのか、盛り上がりはいまいちだった。しかしぼくのテーブルは、昨今の円安基調に助けられ、円に直して考えれば、それほど悪い売り上げでもなかった。
 ほかにもいくつかの好材料があった。
 その①:近作「エドワード・モースの店」の依頼主、アフマド・アルタニ氏からはじめて作品の礼を言われたこと。ストーブの炎がとてもラブリーだと言ってくれた。そのあとぼくの品物を1000ドルほど買ってくれ、美しい奥様を紹介してくれた。
 その②:知り合いのディーラーからアートインボックスを買いたいと言われ、恐る恐る超高プライスを提示したところ、ちっとも高くないと返され、内心ドッキリしたこと。
 もしかしたら彼はほんとうに買う気なのかもしれない。
 その③:以前からのファンだという米国人(Mr.Darren)がわざわざニューヨークから会いに来てくれ、マンハッタンでの芳賀展開催を熱烈提案してくれたこと。
 その方はなにか当地でのコネがあるらしく、もしかしたらミュージアム@ニューヨークでの拙展開催も可能かかもしれない。等々。ほかにもいくつかのおもしろいはなしがあった。
 さいわい腰痛はそれほど悪化することはなく、なんとか歩いて家まで帰り着くことができて、今はほっとしている。

Darren and me


2015年4月23日