近況①「ドールハウス秀作展」

 うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の会員で、なおかつ日本ドールハウス協会の会長でもある相澤和子さんから、「ドールハウス秀作展」と題する作品展の案内状がいっぱい届いた。
 相澤さんの他にも、うちのクラブからは秋山(利明)さんも作品を展示するそうです。
 是非お出かけください。

 タイトル:ドールハウス秀作展
 会場:新宿京王プラザホテル・本館3 階「ロビーギャラリー」
 日程:2017/8/11(金)~8/19(土) 午前10 時~午後7 時 最終日4 時閉場
 出展作家: あいさわかずこ、吉川ゆうこ、髙橋起弥、高梨匠、都築作治、秋山俊明、地主薫、佐々木育子
 入場:無料

 京王プラザホテルのロビーギャラリーって言ったら、そのむかし駆け出しのころのわたしが個展をやった、めちゃくちゃ思い出深い場所だ。久しぶりに出かけてみようと思う。

近況②「山脇隆個展」

 もうひり、山脇隆氏もうちのクラブの会員だが、その山脇氏も近々作品展を開催するという。先日ぼくのスタジオまで案内状を届けてくれた。郵送で済むものを、わざわざ持ってきてくれるところが山脇流である。

 タイトル:山脇隆個展 Trip to darkness ~黄泉のかけら達~
 会場:スパンアートギャラリー(中央区銀座2-2-18 西欧ビル1F)
 URL:http://span-art.co.jp/
 日程: 2017/8/10(木).8/18(土) 11:00.19:00(最終日17:00 まで)
 入場: 無料

 氏の個展は確か今回で2 度目、いま正に絶好調である。彼はゴジラ作家としても有名だが、本展ではゴジラではない作品ばかりを展示する予定。ゴジラでもフィギュアでもなく、模型でもなくオブジェでもない、まさに造形作品としか言いようのない独特の作品ばかりを十数点披露するそうだ。
 是非お出かけください。
 以上、ふたつのエキシビションのお知らせでしたが、これを書いている本日(8/5)と明日(8/6)の二日間、やはり当クラブの遠藤大樹くんの個展(遠藤大樹作品展)が「横浜ランドタワー」の33 階で開催されています。みんな大活躍ですね。
 遠藤くん、告知が遅れてゴメン、ゴメン。


2017年8月6日

てけてけのマスター

 小生のスタジオから駅へ向かう道筋にてけてけというお好み焼き屋がある。かなりボロい(失礼!)店だが、近くて便利ということに加え、安くて美味しいという条件も重なって、ここ数年、教室の放課後には必ずでかける癒しの空間となっている。
 この店のマスターがグループサウンズ時代に一世を風靡した人気バンド「オリーブ」のギタリストだったというはなしを、以前一度紹介したことがあったが(2016/7/9付)、そのマスターに、うちのクラブのままやさんが、高円寺のライブハウスで遭遇し、大興奮したそうだ。下のようなメールが届いた。

 先生!唐突な話題ですが、昨日観たライブがすごかったんですよ!グループサウンズ時代に大人気だったオリーブってバンドのリードヴォーカルのマミーさんを、タブレット純が招いて、トークとライブでの共演という企画だったのですが、そこへゲストで登場したのがおなじバンドのギタリストだった竹屋一水(たけやかずみ)さん。そうです!あの田端のお好み焼き屋のマスターです。マスターの奥様キャロルさんもステージに上がられて、オリジナル曲を2曲披露してくださいました。終演後にサインをいただき、芳賀先生に連れられて何度かお店におじゃましたことをお伝えしたらとても喜んでくださって、先生によろしくとおっしゃられ、握手までしていただき帰ってきました。以下、略——-。

 ままやさんは昭和歌謡やグループサウンズには目がなく、しょっちゅうライブハウスへも出かけるほどの大ファン。その憧れのステージに、いきなりお好み焼き屋のオヤジが上がってきたのだから、そりゃあびっくりしたことだろう。帰りの駅のホームでは大胆にもハグまでしてもらったそうだ。
 ままやさん以外にも、当欄の読者なら、てけてけを知っている御仁は多いはずだ。
 次回行った折には、マスターとともに是非彼のギターにもご注目いただきたい。たいがいはテレビの下あたりに、無造作に置いてありますので…。

一番左がてけてけのマスター
マスターの右がキャロルさん


2017年7月30日

近況①「またトキワ荘を作っています」

 去年の春、豊島区から依頼されて制作したばっかりのトキワ荘だが、その後自由が丘教室の制作課題として、去年の秋から、またおなじものをつくっている。トキワ荘をつくるのはこれで5回目になるが、過去の4作品はすべて売れてしまったので、結局わたしの手許にはひとつも残っていなかった。だからまた作る気になったわけだが、さすがに当初は辟易していた。しかし徐々にかたちが出来上がってくるにつれて、最近やっとエンジンがかかった。
 これが最後のトキワ荘になるのだろうから、後悔のないように、過去品中最多の作りこみを目指し、寺田ヒロオ部屋、石ノ森章太郎部屋、赤塚不二夫部屋の、各室の内部造作は手抜かりなく、ほぼ完ぺきに済ませ、各室の天井にはLEDライトを灯した。また二階の廊下にも実物とおなじように3つの天井灯(LED)を取り付けるなど、時間に追われて思うようにつくれなかった豊島区版の憂さを晴らすように、じっくり取り組み、現時点ではかなり満足のいく仕上がりとなっている。(下の写真)。
 乗ってきたところで一気に片を付けたいところだがそこは教室課題、あんまりスピードを上げすぎると脱落者が出るおそれがある。あくまでもゆっくりと進めて、2018年秋ごろの完成を目指している。
 ちなみに自由が丘教室は見学無料です。ご興味のある方はご連絡ください。日程等の詳細は左のインデックスより「工作教室」をクリックしご覧ください。

制作中のトキワ荘(1/50)
二階の真ん中が赤塚不二夫の部屋
その左が石ノ森章太郎部屋

近況②「ドールハウス展のこと」

 ただいま新宿の京王百貨店において「ドールハウス展」を開催しています。
 お暑い中ではありますが是非お出かけください。

 タイトル:ミニチュアの世界へようこそ「ドールハウス展2017/SUMMER」
 会場:会場:京王百貨店 新宿店 7階 大催場
 日程:2017年7月21日(金)~7月26日(水)
 時間:午前10時~午後8時 ※最終日は午後4時閉場
 入場:無料


2017年7月23日

「石ノ森章太郎の机」展示のこと

 5月に修理が完了した石ノ森章太郎の机、さっそく7月には萬画館での展示が予定されている…などと書いたが—–(5/28 付当欄)——少し違っていた。展示されるのは石巻の萬画館ではなく、兵庫県の姫路で開催される「石ノ森章太郎 Touch 展」会場だそうだ。
 お近くにお住いの方は是非お出かけください。

 タイトル:「石ノ森章太郎 Touch 展」
 会場:「イーグレひめじ」B1F 特別展示室
   *兵庫県姫路市本町68番地290
 日程: 2017/7/20~7/30(午前10時~午後8時30分)
   *7/24 は休館日
 主催: 姫路市
 入場: 無料
 URL: http://www.mangattan.jp/manga/events/7799/

 311の震災後、姫路市が石巻に対し手厚い援助の手を差し伸べた。そのお返しとして、ときどき萬画館が企画した催事を姫路市にプレゼントしているそうだ。そんなわけで、今回は姫路での展示となったが、来年は石ノ森章太郎生誕80周年に当たり、Touch 展とは別の企画展を考えているそうだ。そのときにはちゃんと萬画館で展示する予定とのこと。
 「常設で展示したらどうなの?」
 と、尋ねたところ「たまに展示するほうが値打ちが出ると思って…」
 だ、そうだ。

1/12 石ノ森章太郎の机


2017年7月16日

ギャラリーの宣伝

 2013 年から「トーキングヘッズ叢書」(アトリエサード刊)という雑誌の「はがいちようの世界」という小さな連載コーナーを担当している。その最新号(今月末発売予定の第71号)では拙作「白い石炭商人」を紹介し、あわせて「はがいちようギャラリー」の宣伝をさせていただいた。下の写真。
 以下記事より。

 《白い石炭商人》
 写真は「白い石炭商人」(1/12)という作品だ。1945 年発売の写真集から、左の写真を元に制作した。
 店頭の文字AU BOUGNAT BLANC が「白い石炭商人」という意味だが、なぜそれが店の看板なのか、何人かのフランス人に尋ねて、やっと答えがわかった。
 当時は石炭の時代で、多くの石炭商人が街を闊歩していた。概して彼らは大酒のみで、リカー酒に白ワインを混ぜて飲んだ。転じてその酒が「白い石炭商人」と呼ばれるようになったという。つまり「清酒白鶴」と書いてあるのとおんなじだ。
 作品は現在「はがいちようギャラリー」で見ることが出来ます。あらかじめメール(ichiyoh@jcom.zaq.ne.jp)か電話(080-5497-3497)でご予約の上お出かけ下さい。東京都北区中里3-23-22/午前10 時~午後6 時/入場料100 円。

 というわけで「はがいちようギャラリー」は現在絶賛営業中!です。ぜひ一度ご来場ください。非常にレトロな小生の作業場もたった100 円で一緒に見ることができます。

トーキングヘッズ叢書71 号より
(アトリエサード刊)


2017年7月8日

THE BIG EVENT

 ときどき当ホームページ宛てに、オランダからミニチュアのショウに関する宣伝のメールが届く。今年も10月に、オランダのブラバントハレン(Brabanthallen)という会場で開催されるという。ブラバントハレンはアムステルダムから車で約一時間、世界各国からおよそ400のミニチュアディーラーが集う、文字通りビッグイベントだそうだ。
 一度行ってみようかと考えているのだが、どなたか同行を希望される方はいらっしゃいませんでしょうか?
 詳細は以下です。

 タイトル: Dollhouse & Miniaturesshow THE BIG EVENT 2017
 会場: Brabanthalls’s-Hertogenbosch in Netherlands
 日程: 2017 年10 月21 日(土).22 日(日)
 URL: www.dollshouseevent.com

 航空チケットがだいたい往復12.3万円、ホテル代が一泊約一万円。いつ出発し、何泊し、いつ戻ってくるかなど、詳細はまだ決めていませんが、同行者がいればすり合わせたいと思いますので、希望者はお申し出ください。

THE BIG EVENT


2017年7月2日

母カシクへの手紙

 石森章太郎の父親が書いた、非常にレアな手紙が存在することを知ったのは、つい最近のことだった。知らせてくれたのはフェイスブックフレンドのK 氏。K 氏は郷土史研究サークル東北昭和史談会のメンバーである。
 手紙は、当時トキワ荘に入居中だった石森章太郎を世話するために上京していた章太郎の母(カシク)に宛てた、章太郎の父(康太郎)からのもの。(下の写真)。まだ公にされていない貴重な資料だそうだが、出どころや発見日時を明記しなければ当欄に掲載してもよいという許可が得られ、以下にその全文を掲載する。

母カシクへ宛てた父からの手紙

無事安着安心しております。三河島駅の事故を見て痛く心配して居りました。電報をかけて安否を尋ねようかとも思いました。途中連れがあって心強かったでしょう。
章太郎も名古屋方面に出かけたそうですが、無事な帰着を念じられます。弘幸も変わりなく通勤しているようで結構ですね。社の人達もいいひと達らしいので、楽しく働けることでしょう。下宿代が高いのと月給が安いので仲々下宿に入れないようですね。章太郎のところに置いて貰えればいいでしょうけれども不規則な生活になることが心配されます。それも当人の心持次第でしょうけれども。赤塚さんのお母さん達にご迷惑がかかりませんか? 弘幸も入社早々の飛び石連休で心身の疲れがいくらか休められたことでしょう。早く仕事に慣れて、いい所員になることが肝要だと思います。
昨日6 日、東京の懸田きくさんが久々に来られ、お土産を頂きました。その日の夕方東京に帰ると言って居りました。章太郎のところにも訪ねて行って見たいと住所を書いて行きましたから、そのうち尋ねて行くことでしょう。早くお嫁さんを貰った方がいいでしょう、と言って居りました。もし貴方が居るうちに行ったら、そしてその話が出た時は、宜しくと言っておいた方がいいと思います。仲々親切でいい人ですし、いいところとも交際して居ると思いますから、もし世話をして下さるようなことがあれば、いい人を世話してくれるのかも知れません。
日曜日の6 日は引地の人達とレッスンに行きました。帰りには登記所に寄って遊んで来たそうです。レッスン料、今は値上げになって1000 円だそうです。今月も出費が多いことでしょう。5 日は孫助さんの米寿のお祝い。9 日には茶畑に古法事があるそうです。それから境堀の藤村文幸さんが4 日の夜、脳内出血で急死しました。行年45 歳でした。お悔やみに行って来ました。
地震見舞を、北海道の務君、仙台の春日の父さん、千葉智得さん達から貰いました。
東京は水がすくなくて困りましたね。丁度暑くなって来る季節で心配されますね。
弘幸の宿のこと、章太郎とよく相談して都合のいいように決めてください。
それでは疲れないように働いて下さい。
章太郎、弘幸にもよろしく。
5 月7 日(推定1962 年)
小野寺カシク様
——康太郎

 読み始めたとたん、一瞬のうちに当時の情景が目に浮かび、胸が熱くなった。
 内容から言って母はこの手紙を章太郎には見せなかったと思うが、彼女は捨てずに故郷へ持ち帰り、死ぬまで大切に持っていた。
 ——–発見されたのはつい最近のことだという。

石森章太郎の本名は小野寺章太郎である。
しかし父は小野寺ではなく石森と宛名書きしている。
反対していた漫画家としての息子さんを認めていることの証だろう
とK 氏は言う。


2017年6月27日