オランダへ出かけます

 10/21日と22日に、オランダのBrabanthallen(ブラバンザレン?)という所で「The BigEvent 2017」というミニチュアショウが開催されるのですが、これを見物するために、息抜きがてら、出かける予定です。
 10年ぐらい前、このショウの担当者から「来ませんか?」という丁寧なお誘いのメールが届いたことがありました。また、私のこのサイトが現地愛好家の間で人気になったことがあるらしく、シカゴでお会いした何人かのオランダ人からサインを求められたこともありました。そして今回は、計4通もの宣伝メールが届きましたので、暇ということもあって、久しぶりにヨーロッパへでも出かけてみるか‥という気になったのです。
 18日成田発、24日帰国予定です。
 18日の午後、アムステルダムのスキポール空港に到着後すぐにレンタカーを借りて、ぶらりと観光がてら、約100キロ南のショウ会場Brabanthallenに向かうつもりです。
 今回はのんきな一人旅。
 寒いだろうなあ~!!

http://poppenhuisbeurs.com/Dollshouse-event.html


2017年10月15日

香港ミニチュア展に行くべし!

 あなたはもう「香港ミニチュア展」に行きましたか?
下の写真は同展に展示されているトニー・ライさんの作品です。ほかにも計17名の香港作家たちによる目を見張るような作品がまとめて50点以上展示されていますので、ぜひお出かけください。いよいよ10月9日までです。東京駅丸の内口を出てすぐ目の前、KITTEビルディング一階のアナトリウムでやってます。
 香港展詳細: http://www.hketotyo.gov.hk/japan/jp/miniature
 上のリンクを開くとライさんを紹介したショートムービーがありますが、そのライさんが10/2日の夕刻、他2名の香港作家を伴ってわたしの自宅ギャラリーを訪れたのにはビックリでした。彼は現在51歳だそうですが、20代のころに日本語を習得するため東京の学校へ通っていたという日本通。パワフルなルックスに似合わず謙虚な人柄でとても好感が持てました。
 「香港展絶対宣伝します!」とお約束しお別れした。
 同点では10点以上のライさんの作品が見られますので、これを読んだあと、駆け出して見に行ってください。おもしろいですよ~!!

トニー・ライ作「摩星嶺木屋區」(1/50)


2017年10月6日

楊(ヤン)さんのこと

 9/20日に台湾からヤンさんが来日し、27日に帰国した。はるばる外国からマイスタジオまで習いにくる熱心な生徒、ヤンさん。飛行機でのスタジオ通いは今回で4度目。
 (ヤンさんに関しては3/14日付け当欄にも記事があります)
 日本滞在中はたいがい朝9時にはスタジオへ顔を出し、ときには夜の9時まで、その間ずっとぼくが相手をしているわけではないが、彼女は丸一日脇目も振らず熱心に作業し、終了後はどこかの安ホテルへと消える。それが一週間つづくのだからたいへんだ。そうして今回はけっこう複雑な「水場エレジー/給水塔のある風景」という作品を、ほぼ完璧なレベルで仕上げた。
 現地大企業の経理部に所属しているというヤンさん。勤続15年になる社員だそうだ。従って収入も良いのだろう。どこか言動に余裕が見てとれる。それにしてもである。見ず知らずの外国人(ボク)のところへへたくそな英語で〝習いたい〟とメールで頼み込み、言葉がまったく通じない国の、知らない人のスタジオに、たったひとりで飛び込んで行くという度胸・積極性にはほとほと感心する。ぼくにはとてもできない。
 いま〝言葉が通じない〟と書いたが、今年の3月、最初に習いに来たとき、確かにヤンさんは日本語がまったく喋れなかった。しかしそのあと彼女は台北の日本語学校へ通うようになり、猛然と練習したのだろう、いまでは日本語もだいぶん上達し、だんだんと言葉が通じるようになってきた。
 すごいパワーである。
 今度は11月に来るという。

右奥がヤンさん
左手前はhiromini roomの作品


2017年10月3日

白石さんのこと

 去年の暮れにぼくのスタジオで、我が工作教室の生徒である白石和良さんが、突然の脳溢血に倒れたことは、2/5日付けの当欄でお知らせした。倒れてから約10ヶ月、病院二箇所での入院及びリハビリー生活を経て、先月から彼は自宅に戻っている。
 教室での課題作をつくっている最中に倒れ、即病院に運ばれたため、そのときぼくのスタジオには彼の道具や、材料や、仕掛品が大量に残されていた。それらの品物を10ヶ月ぶりに当人に返却するために、先日北品川の白石邸へお伺いした。
 当初は半身不随で身を起こすことさえかなわず、ただベッドに横たわっているだけ。完全介護が必要な状況だった。しかしその後の回復ぶりには目を見張るものがあり、われわれが白石邸の裏門に到着し、門の外からチャイムを鳴らすと、なんと彼はひとりで屋敷の玄関を開け、外に出て来て、杖をつきながら壁伝いに門の真裏まで歩き、当人が鍵を開けてくれて、われわれを門の中へと迎え入れてくれたのである。
 信じられな~い!
 真面目に毎日リハビリーに励んだことによる成果だと思うが、大変な努力があってのことだろう。まだ車椅子の生活ながらひとりでトイレに行き、ひとりで食べ、スマホやタブレットを操り、かんたんなプラモデルを作る!など、ときどきヘルパーさんが来てはくれるが、それ以外はたったひとりで生活をしている。
 来年2月、交通会館での生徒展の折には車椅子に乗ってでも出かけたいとおっしゃるほど、凄まじい回復ぶりである。
 みなさんにくれぐれもよろしくとのことでした。

自宅での白石さん


2017年9月26日

A氏の情熱にほだされて、孤独の世界を  電気アリにしました。

 教室の課題作としてむかしからつくっている「孤独の世界」という作品がある。いままでずっと〝電気ナシ〟でつくってきた。この作品だけではなく、ぼくがつくる80分の1のストラクチャー作品は、いままでは、すべて電気ナシだった。
 ところが現在進行形の孤独クラスに、やたらとツッコミの強い生徒がいて、仮にA氏とする。A氏はどうしてもこの建物に室内灯を点けたいとおっしゃった。しかたなく電池の仕込み場所やLED照明に関しての能書きをあっさり説明したあとで、面倒だからやめたほうがいいですよ‥と付け加えた。A氏ばかりか、わたしも面倒なので、できればやめてほしかったのだ。
 なのに、その次の回に、A氏はわたしが言った通りのLED照明をちゃんと点けてきて、一歩も引かない構えを見せた。だがA氏の照明は色(光の色)がよくないことや、電池ホルダーの組み込み方がいまいち‥等々で、結局、わたしが見本をつくって見せなきゃいかんハメにおちいり、案の定とても面倒なことになってしまった。そうしてつくった電気アリの孤独の世界が下の写真である。まだいくらか未完成ではあるが、室内の明るさは十分に伝わっていると思う。
 A氏の情熱にほだされてつくったこの「電気アリ」は、ご覧のように超かっこいいが、もしイエサブの棚に並べるなら、ときどき電池交換のために出かけねばならない。交換は、作品をヒックリ返して行う必要があり、もし購入者がやった場合は、一瞬で作品をぶっ壊す恐れがある。そんなこんなを考えると当分イエサブへは持っていけない、なんともカネにならない作品である。

「孤独の世界」(1/80)


2017年9月18日

ショーケースが移動しました

 下のビジュアルをご覧ください。秋葉原ラジオ会館6階「イエローサブマリン」(通称イエサブ)の平面図です。図のてっぺん、Hagaと書いてある場所に、このたび、わたしのショーケース「はがいちようのミニチュアコレクション」が移動いたしました。
 前の場所に行き「棚がない!」などとビックリしないようお願いいたします。
 もうご存知だと思いますが、拙作の数々やオリジナルパーツ、世界各国から集めたミニチュアグッズがごっそり詰まったショーケースが「はがいちようのミニチュアコレクション」です。ミニチュア以外にも書籍や、黒染め液(他店のものよりははるかに反応の早い優れものです)や、オイルステイン(塗料)なども取り揃えています。
 秋葉原にお出かけの折は是非お立ち寄りください。
 下記イエローサブマリンの中にあります。

 イエローサブマリン秋葉原本店★ミント
 住所:千代田区外神田1-15-16 新ラジオ会館6階
 電話:03-5298-7712
 営業時間:午前10時~午後8時
http://ysscaleshop.blog137.fc2.com/


2017年9月10日

リペアー完了

 前々回お伝えした「炭酸入りのレモネード」(ガラクタ屋)のリペアーのことだが、思ったよりうまくいった。(下の写真)。
 店舗部分をうしろに約5センチほど膨らませ、そこに新たなガラクタ類をつっこんでディスプレーし、LED照明3灯を弱々しく灯した。この弱々しくてところが肝心だ。退廃的で、どこか投げやりなこのガラクタ屋がローソンのように明るくっちゃ興ざめだ。
 本体ばかりか、ついでにフレーム(額縁)も直し、イーゼルも、後部のふくらみに合わせてつくり直した。もちろん収納用の木箱も作り直したので、なんだかんだで10日ぐらいかかったが、大満足している。
 むかし駆け出しのころ、非常に熱心なファンの方で、毎回拙展に来てくださる紳士がいた。仮にY氏とする。Y氏は有名財閥のご子孫で、奥沢の大きな邸宅に住んでいた。
 ある日Y氏から
 「家に遊びに来ないか‥」
 との電話があり、行ってみると、薄暗い美術部屋に通され、Y氏がコレクションしている美術品の数々を見せてくれた。そのあと、ズラッと美術書が並んだ、日当たりの良い書斎に通され、そこで小一時間、パリに関するはなしを伺った。やがておいとまの時間が訪れ、席を立とうとすると、Y氏は書棚から数冊の美術書を取り出し、参考に、とおっしゃり、荻須高徳画伯(1901~1986)の画集三冊を持ち帰るよう勧めてくれた。
 後日、それらの画集の中から、荻須先生の「BRIC-a-BRAC(ガラクタ屋)」と題する油絵を立体作品化したのが本作である。このときは同時に「鍵屋(パリ)」と題する油絵も一緒に立体化し、そちらには「錠前屋のルネはレジスタンスの仲間」というタイトルを付けた。それら二作品は、Y氏の勧めによって、はじめて、油絵を意識してつくった、最初のアートインボックスである。うち今回は「BRIC-a-BRAC」を修理したが、機会を見て「鍵屋」のほうも、ぜひ直したいと考えている。
 ちなみにY氏だが、その数年後に認知症をわずらい、以後なんの連絡もない。
 存命なら優に80を超えているはずだが、どうされているのか。

炭酸入りのレモネード(1/12)


2017年9月7日