緊急事態宣言

 志村けんが亡くなったあたりからわれわれの意識が変わったと思う。東京都の感染者数がうなぎのぼりに増えはじめ、若者の感染も激増した。そこへもってきて慶應病院での院内感染のニュースが覆いかぶさり、ひたひたと迫りくる恐怖がいやおうなしに高まってきたタイミングでの緊急事態宣言の発令だった。遅すぎたという論調が多いが、わたしはグッドタイミングだったと思っている。
 もっと早い時期だったら、どれだけの人が真剣に受け止めただろうか、発令後もズルズルと感染の輪が広がって行ったような気がする。なにしろ強制力を伴わない宣言である。人々が真っ青になって、おびえていていればいるほど「不要な外出はするな!」という言葉の自覚力が高まる。まさにそのタイミングでの発令だった。
 かかる事態を受けて、4月に開催予定だった工作教室はすべて自粛することにいたします。緊急事態の終了後、つまり5月7日以降の講座につきましては、そのときの状況を見て改めてお伝えします。
 こんなときは家でのんびり工作をするのが一番。
 余裕の工作ライフを楽しんでください。

わざわざ新聞屋まで行って写真を撮りました。
(我が家は「毎日」ではありません)

余裕の日々

 毎年4月には米シカゴで大規模なミニチュアショーが開催されるため、いつもこの月にはほとんど教室の予定を入れていない。加えていくつかの教室が自粛中のため、わたしの余裕ライフ(暇ライフ)は、この月になっても、依然として続いている。
 47歳のとき、アパレル系の商売をやめて最後の店をたたんだとき、からだ中の血管から酸素の泡ががふわ〜っと湧き上がってくるような、爽快な安堵感に満たされた。しばらくのあいだ何もしなくてもよいという自由も嬉しかった。しかしそのあとの24年間、すきなことをやっているとはいうものの、常に時間に追われていた。刻々と納期が迫るなか、寝る間をおしんで作品を仕上げ、常に教室の準備に追われ、催事、催事と、あちこちの催事場をかけめぐっていた。ほとんど休んだことのない24年間だった。
 それがこのコロナ騒動のおかげで、ほんとうにゆっくりとした日々を、久しぶりに満喫している。外出するなと言われても家でやることは山ほどあり、まったく退屈しない。前回、写真の整理をしているとお伝えしたが、そればっかりではアキるので、今週は「東屋」(1/12)の店内を組み立ててみた。(下の写真)。おとといフェイスブックに掲載したところ、すでに500越えのいいねがついている。
 余裕ライフはまだまだ当分つづくことになりそうだ。

写真は自由が丘教室の制作課題である「東屋」の一部。

泥沼に足を踏み入れる

   当ホームページ「Works(作品写真集)」のセクションを、もっと見やすくするために、なんらかの改造をしたいと、以前から考えている。セクション全体を一旦整理して、新たなデザインで、作品ごとにまとまった量の写真を見られるようにしたい。そのためには写真を選びなおさねばならぬが、写真の量がハンパじゃない。どれを使ってどれを捨てるか、どんな順序で並べるか、等々、一旦手をつけたら泥沼だ。
 以前写真集を出したとき、毎日パソコンにかじりついての写真えらびが祟(たた)って、ついにはまったく背骨が立たなくなってしまい(つまり曲がったまま)ストレッチャーで近所の整体治療院に担ぎ込まれたことがあった。
 ついそんな記憶がよみがえり非常に気が重いが、外出自粛じゃしょーがない。きのうから、その泥沼に足を踏み入れた。いつ抜けられるかわからんが、今年中にはなんとか脱出したいものである。
 なおWorksの改造は、すべての写真データの蓄積が完了したときに、一気にドカーンとやってしまう予定。
 まだ先のはなしだが、乞うご期待を!

まずは「錠前屋のルネはレジスタンスの仲間」から。

延期になりました

 下の写真、なんだかわかりますか?
 そうです。復元された実物大のトキワ荘です。正式名称「トキワ荘マンガミュージアム」。模型ばっかりを見てきた目には異常にデカく映った。
 以前この物件の壁の色にケチをつけたことがあったが、この日は窓枠の色に疑問を感じた。むかしの交番によく使われていたこの色を水浅葱(みずあさぎ)というらしいが、区からの依頼で本件の模型をつくっていた当時、窓枠は白にするよう担当者から指示を受けた。だがこのアパートが建ったのは昭和27年。その時代に白い窓枠はちょっと考えにくく、確認のため、わたしは元トキワ荘在住の漫画家水野英子先生とトキワ荘の元大家天野喜秀氏に電話で問いあわせてみた。そしたら彼らも白だと口を揃えておっしゃる。ならば仕方がない。白い窓枠での作品を制作し、区に納入した経緯がある。それがなんでいまさら水浅葱(みずあさぎ)になったのか。(白よりはるかに壁色にマッチしているとは思うが‥。)
 ちなみにこのトキワ荘マンガミュージアム、本来ならあさっての日曜日(22日)にオープンの予定だった。しかしこのご時世である。4月以降へと延期になってしまった。仕方がないので数日前にちらっと見に行って、とりあえず外側からの写真を撮ってきた。

トキワ荘マンガミュージアム
場所: 東京都豊島区南長崎3-9-22南長崎花崎公園内

コロナ騒動

 コロナ騒動が収まる気配をみせない。
 しがないぼくの教室でさえ、2月19日に開催予定だったペンギングルーブの制作講座がお流れになり、3月1日のデカルト通り制作講座も休講となった。本来ならいまごろ毎日スタジオに通ってきているはずの台湾のヤンさんも、この騒動のため、今回は来日していない。
 参加者の中から懸念の声があがれば、これからも休講はありうるだろう。それはよいが、まだ終息していないため、代替講座の日程が決められない。つまり、しばらくやらなくてもよいってことなので、小生にとっては近年まれにみるよゆーの時間を授かったことになる。ちょっくら自宅を直したり、ガラ空きの劇場で映画を堪能したり、のんびり銀座で買い物をするなど、ひさしぶりに時間に追われぬ日々を味わっている。
 ぼくにとっては恵みのコロナだ。
 このままゆる〜く続いてほしいなあ。

キツネにマスクを被せてみた。
コン、コン、

消防署(1/80)完成

 長年続いていた木造ストラクチャー制作教室のひとつが、最後の課題作だった「消防署」(写真の作品)を先日つくり終え、グループ全員がそろって“卒業”した。少し前に、彼らは「火の見やぐら」もつくり終えていて、それらの作品をふたつ並べることによって、めでたく「火の見やぐらの情景」が完成したことになる。
 この教室は、最初はかんたんな小屋からつくりはじめるが、その後だんだんと複雑な作品へと進んでいく。するとこちらの準備が次第にかんたんではなくなり、いくら行ってもキリがない。だからこの超難解な「消防署」の完成をもって本教室のゴールポイントとしている。
 ちなみにこのグループは4年前に9人でスタートした。しかし時間が経つにつれ、リタイアする者が続出し、また一方では途中から加わるツワモノが混入し、いつのまにか最初のメンバーのほとんどが入れ替わった状態でのゴール・インだった。結局最後は7名、そのうちはじめっからの生徒はたったのひとりだけという長い旅路だった。
 ま、そんなわけで、この教室は終わったが、参加者の中から、次はアートインボックスをつくりたいという声があり、少し間をおいてから、ブーランジェリー制作教室(1/12)をはじめるつもりだ。(月一回週末の午後開催予定)。そのときにはまた改めて募集をかけますが、そんなに大人数は受け入れられません。新教室にあぶれたくない人は、いまからでも構いません、お申し出ください。

消防署(1/80)
なおこの課題作は約一年後にもうひとつのストラクチャー教室でふたたび取り上げる予定です。

元生徒たちガンバレ!!!

 東京有明にスモール・ワールドという情景ミニチュアの新しいテーマパークが出来つつある。と言ってもわかりずらいかもしれない。要は鉄道模型レイアウトの巨大版が出来つつあると考えれば、当たらずとも遠からずだ。
 https://www.smallworlds.jp/
 いまその製作工事が佳境を迎えているが、ミニチュア作りの腕を買われて、ぼくの教室の元生徒氏らが、なんとこの施設の制作スタッフとして現場で汗をかいている。さいしょは確か2年ぐらい前に、元生徒のラルカちゃんがはたらきはじめ、次にまゆみちゃん(やはり元生徒)、つづいてナベちゃん(元生徒)、そして小西さん(現生徒)が加わり、現在計4名のはが教室出身者たちがここではたらいている。ほかにAFVモデラーの金子さんや情景師のアラーキさん、そして何人かのフェイスブックフレンドもかかわっているこのスモール・ワールド。一体どんな施設なのかと以前から気になっていた。
 そんな折、ラルカちゃんから見に来ないかというお誘いがあり、先日うちのクラブ(渋谷クラフト倶楽部)の山野会長、佐野匡司郎氏とともに見に行った。
 なにしろまだ制作の途中なので、散らかった現場の状況をネットに掲載しないでほしいと言われ、くわしくは述べない。ただ言えるのはデカイの一言。それと、本当にこれでオープンに間にあうのかと心配になるぐらい、まだまだ未完成なゾーンが多く、前途多難が予想された。
 オープンは4月25日だそうだ。
 元生徒のみんなガンバレ!!

説明するラルカちゃん。
猫の手を借りたいほどに忙しく、現在バイトを募集中とのこと。希望者は至急ご連絡ください。 模型づくりが好きなひとにとってはパラダイスみたいなところです。