ぶらり途中下車の旅

 あれっ?と思ったかたがいるかもしれない。つい数日前までこの場所にあった最新トークス一件を、事情があって削除した。かわってきょうは「ぶらり途中下車の旅」について。
 12月に放送予定の表題番組取材のため、日本テレビのスタッフ一行6名がぞろぞろっと芳賀のおんぼろ工房へとやってきた。できるだけキタイ服を着て、部屋をめいっぱい散らかして彼らを待つつもりだった。ところが散らかすまえにクルーが到着してしまい、そのとき部屋はまだ片づいていた。それを見たディレクターは、これじゃまったく絵にならない‥と機嫌がわるい。
 「われわれは、そのために、わざわざ時間を使っているのですから‥」
 けっこうキツイをことをおっしゃる。
 「まあとにかく、ただちに散らかしますから、少し待ってください‥」
 ぼくはやおら棚から丸ノコをとりだしてガーガーコンパネを切って若干のおがくずを宙に舞わせ、板切れを床に散らばして、自分の体にもさりげなく微量のおがくずをふりかけた。そうしてからもう一回見てもらった。
「まあいいでしょう。芳賀さんはそうやってここでガーガーやっててください。いまタレントさんがきますから‥」
 というわけで、TVタレントでありムービー・アクターでもある勝野洋(かつの・ひろし)さんが、ぶらりと部屋に入ってきた‥。
 そんなわけで、12月9日(土)放送予定の「ぶらり途中下車の旅」に、芳賀がちょこっと登場する予定だ。日本テレビ。番組は午前9時半から、です。
 どうぞよろしく。

右が俳優の勝野洋さん


2006年11月20日

80分の1/トキワ荘展示のこと

 ただいま小型版トキワ荘(縮尺80分の1)を製作中だということは、前回お知らせした。この作品は、完成後以下の場所・日程において展示される。お時間のある方は是非ごらんいただきたい。

 日程: 2006年10月23日(月)~29日(日)
 場所: 「宮城ふるさとプラザ」2階・観光情報コーナーにて
 住所: 東京都豊島区池袋1-2-2東池ビル
 電話: 03-5956-3511

 —期間中「宮城ふるさとプラザ」では石巻観光物産キャンペーンというイベントを開催中で、「石ノ森萬画館」を紹介するブースがある。そこに80分の1・トキワ荘が展示される予定だ。

 展示日程は上のように決まったが、作品はまだ完成していない。だから、いそがしい。お陰さまで外壁は終わり、あしたから屋根に取り掛かるところである。屋根が終わったら今度はベースを作らねばならない。20日までに、だ。
 屋根については諸説ある。水野先生は普通の日本瓦だったとおっしやり、大家さんはグレーのスレート瓦だったという。なにしろ屋根が写っている写真はないのである。図面もない。だから本当のところはよくわからない。ところがである。トキワ荘は「赤い瓦」(赤っぽい色の瓦)だったとおっしゃる御仁があらわれ、ますますわからなくなってきた。その御仁とは藤子不二雄・A(本名・安孫子素雄)氏である。藤子不二雄といえば代表的トキワ荘在住のマンガ家だった方で、誰でもが知っていると思う。その藤子先生に、以前鈴木伸一氏が、僕の作った前作トキワ荘の写真を見せたことがあるらしい。そのとき藤子氏は、即座に、屋根の色が違うような気がする‥という感想を述べたという。そのことを鈴木氏から後日うかがい、以後ずっと気になっていた。ところで鈴木伸一氏とは、藤子・F・不二雄氏描くところの「どらえもん」に登場する小池さん(常にラーメンを食べているキャラ)のモデルになったといわれている伝説的マンガ家で、やっぱり当時トキワ荘に住んでいた。そんなグレートなお二人から屋根の色を指摘されたとあっては、おちおちしておれない。そこで先日、思い切って新宿の「藤子スタジオ」にお邪魔し、屋根の色も含めて、外壁の色のことや、ふすまの柄のことなど、そのほかにもいろいろな事柄を、直接藤子先生からお伺いしてきた。それら貴重な証言は、できるだけ今回の作品に反映させたいと考えている。下が訪問時の写真である。自分があんまりにもデブっていることに愕然とし、とても悲しくなった。本当は見せたくないのだが、今般のトキワ荘の信憑性を裏付けるため、しぶしぶ掲載することにした。

左が藤子不二雄(A)先生
写真: ままや


2006年10月10日

トキワ荘・アゲイン

 わけがあって、このごろポツポツと「トキワ荘」を、また作っている。
 トキワ荘については説明不要と思う。2001年に「石ノ森・萬画館」に納入するために、縮尺15分の1というサイズで一度作ったことがある。これはかなり大きな作品だった。しかし今回は80分の1というコンパクトサイズで進めていて、もうすでに石ノ森章太郎氏の部屋を含めて計約20部屋の室内造作は完了し、ただいまは建物の外壁に取り掛かっているところである。資料等については、当時このアパートにお住まいになっていた少女マンガ家の水野英子先生や、横山孝雄氏や、石森プロの各氏から前回提供を受けている。またこのアパートの大家だった天野秀喜氏にも一度取材したことがあり、かなり詳細に理解している。加えて今回版のために、水野先生からは新しい資料も届いていて、万全の体制で臨んでいる。
 完成は10月20日ごろの予定。
 乞うご期待 !

80分の1/トキワ荘
左が石ノ森章太郎の部屋


2006年9月28日

アラン・ウォルフソンのこと

 米国にアラン・ウォルフソン(ALAN WOLFSON)というミニチュアの作家がいる。氏の作品についてはかつて数枚の写真を見たことがあり、スゴイ作家だなあと思っていた。そのアラン氏から数ヶ月前に短いメールが届いた。用件は「今度作ったサイトにICHIYOHのサイトをリンクしてもよいか‥」というもの。もちろんOKと答え、さっそくアラン氏のサイトを覗いてみて、ほとほと驚いた。どんな風にスゴイかはサイトを見ていただくしかないが、僕は強烈な感銘を受け、また影響も受けた。作品はどれもニューヨークの道端にころがっている「普通の情景」を、まことにリアルに作品化したものばかりである。僕も同様の雰囲気のものを、ロケーションを現在の東京に置き換えて、是非そのうちなにかを作ってみたいという欲求が、突然ふつふつと沸いてきた。
—アラン・ウォルフソン http://www.alanwolfson.net/
 バイオグラフィーによると、氏は1948年ニューヨークのブルックリン生まれとあり、僕と同い年である。もしかするとアトリエはニューヨークにあるのかもしれない。それならば一度是非おうかがいし、じかに作品を拝見したいものである。

ミニチュアなのだ!!!


2006年9月18日

バーベキューパーティー・イン・山中湖

 先週末、僕も含めた当クラフトクラブの面々12名が、さわやかな酒を飲むためにわざわざ山中湖(山梨県)まで小旅行に出 かけた。一行はレイクサイドのキャンプ地にあるバンガローに一泊し、大自然の中でのバーベキューパーティーを繰り広げ、おおいに酒を飲んだ。やおらポケットから「青いハンカチ」を取り出して、何回も何回もひっきりなしに、汗のまったくないひたいを拭きながらビールを飲み続ける御仁や、星空を見上げた拍子にバランスを崩し、椅子からひっくり返ってしまったご婦人など、いろいろとおもしろいパフォーマンスを見物することができた。
 当日の朝、僕は自転車で現地に向かう気になり、AM8時ごろ家を出た。最初はさっそうと走っていたが、途中八王子近辺までさしかかったときのこと、突然パーンという音とともに見事後輪が破裂してしまい、慌てて自転車屋を探し回らねばならぬ羽目におちいった。ところがやっと見つけた自転車屋のおっさんは僕の車輪に合致するタイヤの在庫がないという。仕方なく身体だけ電車でいったん東京まで戻り、今度はタイヤを探して駆けずり回るなど、お陰で八王子では都合3時間半もの時間をロスしてしまい、山梨に入ってからの山道はとっぷり暮れて、やがて完全な真っ暗闇とあいなった。したがってキャンプ地への到着が夜の10時半を回ってしまい、みなさんには多大なご心配をおかけしたようである。下の写真は到着直後に撮ったものだが、あんまり疲れていないようにも見える。(もちろん実際は、極度のバテバテ状態ではあったが‥。)

写真:渡邊 格


2006年9月8日

千駄木慕情

 先週「千駄木慕情」という作品を作った。ストラクチャー作品の場合、僕はたいがい荒涼とした未開の地といったシチュエーションで作ることが多いが、この作品は東京下町の塗料屋という設定で、ベースの直径がたった13センチという非常に小さな作品だ。5年ほど前にも同様のものを一度こしらえたことがあるが、このときはすぐに売れてしまい、「また作らないのですか?」などと、たまに言われていた作品である。またすぐに売れてしまうと困るので、今回はとりあえず「非売品」として、そのうちイエローサブマリンの棚に並べるつもりだが、当サイト、ストラクチャーセクションにも「A Paint Store at Sendagi」として掲載したので、ぜひご覧いただきたい。

千駄木慕情


2006年8月5日

孤独の世界

 このごろけっこうまめに作品を作っている。小品ばかりだがここ一ヶ月ほどのあいだに計8点ものストラクチャー作品を完成させた。そんなことからこのコーナーでも、前回は火の見やぐらの情景をまた作ったことをお伝えし、その前は墓の作品のことだった。そして先週は、久しぶりに、またまた「孤独の世界」を作ってしまった。
 「孤独の世界」とは、今までにもっとも多く作った拙作の題名で、石原裕次郎の「二人の世界」からヒントを得て、命名した。僕が一番最初に作ったストラクチャー作品も、この作品と非常に良く似たものだったので、それも含めて、過去に20や30は作っていると思う。だからいいちこを片手にしても出来あがってしまうようなものである。それをなぜまた作ったのかというと、理由は火の見やぐらのときとまったくおんなじで、以前クラフト教室の教材として作った建物が、たまたま手元に一個残っていたからである。しかし今回は、腕によりをかけ、いつもよりは情景を膨らませ、「孤独の世界/スペシャルバージョン」とでもいうべき作品に仕上げ、近々イエローサブマリンの棚の肥やしとして持っていくつもりだ。
 この作品、孤独の世界は、決して大作ではないが、以前から人気があり、よく売れる。またフランスのリヨンにあるミニチュアミュージアム(ミューゼ・インターナショナル・デ・ラ・ミニチュア)にも一点陳列されているといういわくつきの作品で、僕の代表作のひとつでもある。しかし当サイトには今まで写真を掲載していなかったことに気がつき、今回はじめてスライドショーに写真を掲載することにした。ストラクチャーセクションの前半にある英題名「A Solitary World」(ひとりぼっちの世界)というのが、その作品である。タイトルはいかにも裕次郎的だが、コンテンツはやや春日八郎的方向に流れてしまった。ま、それもいいのではないか‥。

孤独の世界


2006年7月23日