シカゴインターナショナル

 米国でのミニチュアショウに参加するため、杉山武司氏と久保田和夫氏と芳賀の三人が3月28日に日本を発ち、4月4日に無事成田に戻ってきたところである。世界各国から数百に及ぶミニチュアグッズのディーラーたちがシカゴ郊外のホテルに集合し、3月31日(金)~4月2日(日)の三日間、シカゴインターナショナルという、ミニチュア関連グッズ販売のための催しが開催され、私はこのたびが二度目の参加だった。
 今回、少しは売ろうと考え、バケツやモップといった小物類(ミニチュアパーツ)をたくさん持参したところ、めぼしいグッズに関しては初日が始まったとたんにほとんどが売り切れてしまい、これは予想外の出来事だった。しかし作品は売れず、こちらは次回への持ち越しとなった。もっともうれしかったのは、私のこのウェブサイトが実に多くのアメリカ人たちに愛好されているという事実を実感できたことだった。ショーの前夜、搬入と陳列にバテバテになっていると、まずはアラバマ州から来たという隣のディーラー氏(なかなかの熟女だった)から、私はあなたのサイトをいつも見ていますと、突然声をかけられた。アラバマ美女の隣、ニュージャージーから来たというディーラー氏からも、自分のワイフがあなたの大ファンであると大仰なジェスチャーで説明してくれた。その後ショウが始まってからも口々に、あなたのサイトの熱烈なファンですとおっしゃる多くのアメリカ人から握手を求めらるなど、かなり気分をよくした。そして私の作品を知らないという客に対しては
「ぜひサイトをご覧ください‥」
と、へたくそな英語での宣伝にあいつとめるなど、あっという間の三日間だった。
 この手のショーについて、私はあんまり詳しくないのだが、このたびのショーと同規模の催しが5月にフィラデルフィアでも開催されるそうで、あなたはそっちにも出るべきだと多くの米国人から薦められ、また数人の英国人からはケンジントンやバーミンガム(両方とも英国の都市名)でのショー参加を薦められるなど、あちこちからいろいろなお誘いも頂戴した。
 ま、体が動くうち、である。
 近々またどこかへ出かけようかと考えている。
 ところで今回、最初はニューヨークに到着し、そこから西へ約1200キロ、夜間車で移動したのだが、一晩になんと三回も!スピード違反で捕まった。その直前、ニューヨークでは「シートベルト無着装違反」の切符も切られているので、24時間以内に計4回捕まったことになり、これはおそらく我が生涯における一日の最多記録となるであろう。

撮影:久保田和夫
芳賀は写真の左端
ブースがB1フロアーだったので、ちょっと天井が低い。


2006年4月6日

お知らせ

 下記クラフト教室の事柄について、このサイトをご覧の方々にも広くお知らせする意味で、本日、トークスの話題として取り上げることにした。下の文書をよくお読みいただいた上で、ご質問や、参加者希望等のご要望があれば当サイト・ウェブマスターまでご連絡をいただきたい。

—-アートインボックス一日教室のこと。

 忙しくて毎回の教室日程に参加できない人。あるいはスデに終了してしまった課題を作りたいという人。または作成中の作品が未完のままやめざる得なかった人など、さまざまな理由から、単発式の一日教室を希望される方もいらっしゃるようです。そこで4月から「単発式一日教室/個人レッスン型」を、当クラフト教室のメニューに加えることにいたします。

①開催日: 土曜日以外ならば、原則いつでもOKです。
 開催日の数日前までにHAGAと連絡を取って、希望の曜日(日時)においでください。一回限りの受講でもかまいませんし、複数回に渡って続けるのも自由です。そして受講頻度も、受講者の自由ということにいたします。週一回の頻度でも、数ヶ月に一回の頻度でもかまいません。

②時間: 一日教室ですので、一回は丸一日ということにいたします。
 一応、午前10時から午後5時までの7時間を想定しています。しかし一日の範囲内ならば、更に長時間やることや、遅く始めて遅く終わることなど、時間はすべて受講者の自由とします。HAGAの作業場を丸一日独占的に使ってください。当日はすべての道具や材料を使ってかまいません。

③制作課題: なんでもOKです。
 HAGAが過去に作ったことのある作品ならば、作るものはなんでもOKです。また受講者が現在製作中の作品を持ち込んで、その続きを作ることでもかまいません。更には、受講者がオリジナルな作品を作りたい場合や、ある部分だけを教わりたいなどのご要望を含めて、課題は、なんでもOKです。

④人数: 原則一日一人ですが、同じ日に二人が同席することもあります。
 例えば、Aさんがパン屋を作っていて、仲良しのBさんがペンギン・キャフェを作っているなど、毎回二人で一緒に受講してもかまいませんし、あるとき一緒で、あるときばらばらでもかまいません。また、たとえば日曜日などの場合ですと、知らない人とご一緒していただくこともあるかもしれません。しかし「相部屋」は二人までで、よっぽど特別な場合を除き、三人以上の相部屋にはしないつもりです。

⑤ショバ代: ショバ代は一回7000円(消費税込・7350円)です。
 ショバ代は従来より一時間千円ですから、一日7時間で、7000円です。(一日の範囲内ならば、7時間以上でも7千円ですし、例えば昼から5時までの場合でも同額です。) プラス材料代が一回3000円です。従ってショバ代と材料代で一回10000円(消費税込み10500円)ということになります。お支払いは、できるだけ銀行振り込みにしていただきたいのですが、一回限りの場合は現金でもかまいません。また、数回続けて受講するという方の場合は、三回分程度をまとめて、後日請求書をお送りするようにしたいと考えています。(そのへんは話し合いで、、、。)

——–上のこと、希望者がいらっしゃれば、ご連絡をください。(なお、まったく初めて参加される方は、初回のみ入会金が必要です。金額については当サイト「ワークショップ」のセクションをご覧ください。)

●アートインボックス制作の場合、電動工具による作業が含まれており、作りたくても自宅では作れないという人がいます。一方、自宅に作業場を持ち、沢山の工具を所有している方もいます。金属加工(半田)を楽々こなす人もいれば、それが苦手という人もいます。そのように、各人の作業環境も違えば習熟度も異なった方々に対して、一律な説明を施すことの難しさを痛感しております。集団として説明をする場合、ひとりでも半田が苦手なひとがいれば、そのための時間を割かなければならないからです。しかしできる方々のことを考えると、どうしても説明不足になりがちで、なかなかうまくゆきません。そのへんを少しでも改善したいと考え、本日は思い切って単発式一日教室のメニューを提案することにいたしました。この単発式一日教室では、丸のこを持っているひとに対して丸のこ作業はやりませんし、半田ができる人に半田の説明はいたしません。したがって、なんでもできる人は2~3回顔を出せば、ひとつの作品を完成させることができるでしょうし、逆に工作の初心者に対しては、すべてに対して親切丁寧に説明をすることができますので、多少時間はかかりましょうが、楽しみながらゆっくりと技術を身につけていただくことができるでしょう。
 以上、本日は、単発式一日教室に関してのご説明をさせていただきましたが、従来からの集団的教室をやめてしまうということではありません。
 どうぞよろしく。
 はが・いちよう

2006年3月28日

Kodou展のこと

 うちの娘が最近「MARUIKE HOUSE」(マルイケ・ハウス)というタイトルのホームページを立ち上げた。マルイケ・ハウスとは、非常にぼろっちい木造二階建て老朽アパートのことで、JR山手線駒込駅から歩いて5分ほどのところにある。四畳半やら六畳、あるいは三畳といった、こんがり日焼けした畳部屋がずらっと並んだ、むかしはどこにでもあった下町風アパートのことだ。以前つくった「トキワ荘」もちょうどそんなアパートだったので、製作中は何度もここへ足を運び、畳の敷き方やら鴨居の高さなどを実地調査したものである。現在、住人はほとんどネパール人なので、カトマンズでは割に名の通ったアパートだという。娘のホームページには私のサイトもリンクされていて、オヤジのことは下のように紹介されていた。
 HAGA ICHIYOH
 「マルイケハウス・オーナーの亭主であり、一風変わったミニチュア作家として知る人ぞ知る存在の芳賀一洋‥‥」
 ということは、このアパートのオーナーはうちの女房、ということだ。
 だからこの数年、彼女はほとんど毎日のようにこのぼろアパートへ出かけてゆき、なにやらゴチャゴチャとした仕事を続けている。家賃の徴収や掃除は無論のこと、各部屋の住人が部屋を去るたびに畳を取っ払い、代わりにフローリングの床を敷き、壁や天井にペンキを塗りたくるといったハードな工事仕事を、一部屋ずつ、ほぼぜんぶを自分でやっていて、このごろ畳の部屋はめっきり少なくなった。おかげでだいぶんキレイになった。下の写真は二階の廊下を写したものだが、けっこう「クール」だと思う。
 ま、そこまではいいのだが、こともあろうにこのボロアパートをギャラリーとして使い、娘の大学の学生グループが「アート・エキシビション」を開催するという。聞いたときにはおったまげたが、そのため娘はわざわざホームページまでを立ち上げて、超マジなのだ。そこできょうは「特に娘から頼まれたわけではないが」それを宣伝することにした。下がそのアート・エキシビションである。タイトルの「Kodou」とは、心臓の「鼓動」の意味だとのこと。

「Kodou」
 木造2階建て築40年のアパート、マルイケハウスにて作品展を行います。絵画(壁画を含む)、写真、映像、オブジェ、服etc‥。廊下と空き部屋を使い、鼓動をテーマに、クリエーターたちがおのおのの世界をつくりあげます。どなたさまも気楽にいらしてください。
 開催期間—3月6日(月)から3月19日(日)
(PM1時からPM6時30分まで。入場無料)

「Kodou no oto — Live in 松の湯」
作品展開催期間中、イベントとして近所の銭湯「松の湯」にて、銭湯が休みの日に、音楽ライブを行います。
Rezzyのライブペイントもあり!
開催日時—3月13日(月)、飲み物食べ物の持込可。
—–詳しくはマルイケ・ハウスのホームページをご覧ください。
http://www.maruike-house.com

ということなので、興味のある方はぜひのぞいてほしい。「Live in 松の湯」なんて、なかなかおもしろそうだ。

撮影: Chihiro Haga

たまにこのサイト「BBS」に登場する「みづよしのおっさん」なる人物は、20年ほど前、上の写真左奥の部屋に住んでいたことがある。

2006年2月19日

東屋の完成写真

 伊東屋と非常によく似た作品、「東屋」(あづまや)を作っているということは、以前お知らせしたことがあった。作品は去年の秋完成し、先日カメラマンの佐藤紀幸氏に撮影してもらった。下がそうだが、この作品は、近々大阪で開催される「朝日現代クラフト展」に出品するつもりだ。

撮影:サト・ノリユキ / SATO FOTO


2006年1月27日

あけましておめでとうございます

 元日の昼ごろ、数通の年賀状を投函するために、今年初めて自転車にまたがった。サドルに座り、改めてメーターの数字をのぞき込んだ。僕の自転車には小さなメーターがついていて、見ると前日までの走行距離が534キロと出ていた。これは去年の9月の中旬以降、大晦日までに走った距離の累計である。年頭にあたり、やや厳粛な気分で、それらの数字をすべてリセットした。と同時に、今年は一体何キロ走るのだろうかと考えた。
 僕は仕事がら、ほとんど毎日のように池袋の東急ハンズまで買い物に出かける。これが往復約10キロである。毎日10キロを走れば月300キロだから、年間では3600キロという計算になる。だが雨や、その他もろもろの事情で走れない日もあるだろうから、実際には、年間2000キロを走れば、まあまあだろうと考え、それを今年のノルマとして課すことにした。
 自転車を買ったのは一昨年のことだった。
 頻繁に乗るようになったのは去年の夏からで、ダイエットのためである。そのために小さなメーターを買って取り付けて、以後今日まで、毎日の走行距離を測っている。走った距離がわかると張りあいが出るものだ。銀座まで往復18キロだとか、同じく渋谷までが32キロだとかを考えていると、めきめきファイトが沸いてくる。銀座方面へは道が平らなので簡単に走れる。だが渋谷へ、となると、坂ばっかりなので、よほどの根性を入れてかかっても、ついへこたれてしまうこともある。中でも特にキビシイのが六本木ヒルズへのアプローチである。
 駒込から六本木へ向かうには、まずは皇居の北側、竹橋あたりに到達せねばならぬ。そこまでが約7キロだ。それから皇居の外側をぐるりと反対側まで回って、国会議事堂の前まで進まねばならぬ。ここいらが、かなりの登りで、結構イヤになる。その後溜池に向かっていったん下るが、そこから六本木の交差点へと向かう長くて急なのぼり坂をクリアーせねばならぬのが、何といっても非常にキビシイ。そうやってヘトヘトバテバテになりながらも、やっと帰ってくると、約30キロほどの走行距離を稼ぐことができる。これを10回やれば300キロだ。300キロといえば東京名古屋間の距離なのだから、ちりも積もればなんとやら‥である。
 以前、買い物には、もっぱら50ccのバイクを使っていたが、去年の秋、バイクは粗大ごみに出してしまい、今や自転車だけが唯一の自家用車である。
 本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

My Bicycle
撮影: 神尾幸一


2006年1月9日

2005年、納会

 はやいもので今年ももう終わり。
 時節柄、われわれのクラフトクラブでも過日、毎年恒例の「納会」を開いた。当日は女性が7名、男性21名で、計28名のクラブ員がJR駒込駅近くの飲み屋「磯太郎」に参集し、ひとときの宴を楽しんだ。宴のあと、飲み足らない若手クラブ員たちは、もちろん二次会へと向かったが、その後どうなったのかはわからない。(その二次会だが、今年はみんな終電前にはおとなしく家に帰ったとの事後情報があり、比較的平穏に済んだようである。)
 下の写真で、奥のほうにムンムン固まって見えるのが若手グループで、手前側にシラッと、おじんグループが座っている。写真の中央、鎧兜の置物の前に座っているのが芳賀(青いチェックのシャツ)である。

写真: 渡辺 格


2005年12月25日

パン屋

 以前一度、「ゆるゆるアートインボックスの教室」をはじめたと書いたことがある。(2005年8月2日付けトークス参照のこと。) その第一回目の制作課題は「パン屋」だった。なにしろゆるゆるクラスなので、非常にのんびりとしたペースで作っていた。しかしあと一回か二回で、みなさんそろそろ「完成」しそうである。ところが教えるためには見本が一個必要で、私も生徒のみなさんと一緒にできるだけゆっくりと、おんなじものを作っていた。しかし私のパン屋は、みなさんよりは一足先に完成してしまい、下にお目にかけることにした。看板にある横文字「BOULANGERIE」(ブーランジェリー)とは、フランス語でパン屋(パンの製造所)という意味だ。
 この作品は、アートインボックスといっても幅がたったの25センチで、高さ45センチという、かなり小さなものである。教室で教えるとなると、生徒のみなさんが毎回教室まで持ってこられる大きさでなければならないし、各人の住宅事情もあるので、できるだけ小さな課題を考えねばならない。このクラスは今後もしばらく続きそうなので、これからはこういった小ぶりな作品がどんどんと増えてしまいそうである。

写真: 渡辺 格


2005年12月15日