伊藤ギャラリー見学

 カリスマ模型師の伊藤誠一ちゃんは、まるで美術館か歴史資料館のような、大森のふるい家にひとりで住んでいます。家の入り口には彼のプライベートギャラリーがありますので、このあいだみんなで見に行きました。

 いやし系のまゆみちゃん
 まゆみちゃんのパパ
 マンガ家のエリちゃん
 こち亀のコウちゃん
 グラマーな秀代さん
 ドールハウスのふるはし先生
 勝ち組のシンちゃん
 すご腕の斉藤さん
 高級自転車の光村さん
 建築屋のケンちゃん
 管理職の高谷さん
 東京芸大の木津文哉教授
 HAGA

 当日は上のように予想を上回る参加者がありましたので、あんまり広くないギャラリーは満員電車のようになったのでした。下の写真で嬉しそうにしているのは格差社会における勝ち組のシンちゃん。彼がニコニコ顔で見つめている先は伊藤氏の傑作「品川営林署・井戸川林道」。

写真: 伊藤誠一


2007年3月5日

オーシャンバー・クライスラー

 7月に銀座で個展をやることになっているACギャラリーは、エルメスのちょうど裏手にあたる阿部ビルの4階にある。阿部ビルは今年で築40年というレトロもので同ビル2階には「オーシャンバー・クライスラー」というまことにしぶい店が入っている。そのオーシャンバーが今年の3月末日をもって40年にわたる歴史に幕を閉じるという。
 ACギャラリーの方から
 「なくなる前に一度行きませんか?」
 と誘われ、行ってきた。
 まあとにかくレトロ。
 カウンターに座り、久しぶりにウィスキーの水割りなんぞを傾けていると、やおら目の前の小さなスピーカーからフランキー・レインの「OK牧場の決闘」などというおじさん好みのBGMが流れてきた。
 ガッツ石松でもないのに、なんだか泣きそうになった。

昭和がまたひとつなくなるなあ。


2007年3月4日

ワンフェス恐るべし

おとといワンダーフェスティバル、通称ワンフェスに出た。過去数回客として見物に出かけたことはあったが、このたびはじめてディラーとして、会議用テーブル一個の小さなブースを設けた。
 ワンフェスというとどうしても萌系フィギュアの祭典といったイメージが強い。そういう場所に拙作をならべても見向きもされぬだろうと、いままで出店を考えたことはなかった。しかし今回事情があってお誘いがかかり、半信半疑で出てみた。ところがである。ある時間帯から以降、ぼくのブースには常に客が群がり、ときには黒山の人だかりといっても決して過言ではないほどの状況に至ったのには驚いた。みなさん写真を撮らせてほしいとおっしゃり、トキワ荘や千駄木慕情などの作品にカメラを向けた。いつもこのサイトを見ているという客も多かった。たちまち名刺が空になり、仕方なく年賀状の残りを名刺がわりに配らねばならぬなど、予想を上回る反響があった。
 会場でお声をかけてくれた方々、そしてお買い上げいただいた方々に厚く御礼を申し上げます。
 その前夜のこと。
 会場に並べるための品物を調達するため、秋葉原のイエローサブマリンに間借りしている自分のショーケースまで作品を取りに行った。
 けっこう店が混んでいたので
 「きょうは、よさそうだね‥」
 と、挨拶代わりに売り上げを尋ねてみた。すると店長は最高だったとホクホク顔で答え、続けてこう説明した。翌日のワンフェスに入場するため、世界中からやってきた客が現在東京のホテルに滞在している。彼ら外国人は気前よくまとめ買いをしてくれるので、ワンフェスの前後はホビーショップにとっての書き入れ時なのだという。
 そして
 「もうすでにならんでいるという連絡が入っています」
 という恐ろしい情報まで耳打ちしてくれた。ならぶとは無論ワンフェス会場へのこと。この寒空の下、ほんとうに前夜の8時からならぶのか?
 ワンフェス恐るべし!!!

作品のうしろにちらっと見えるのは
当日手伝ってくれた山ちゃん


2007年2月27日

お知らせ

 急なお知らせですが、知り合いから口説かれて、今度の日曜日 (2月25日)に、東京ビックサイトで開催される「ワンダーフェスティバル・2007年・冬」に、急遽参加することなりました。

●日時: 2月25日(日)
●時間: 10:00~17:00
●場所: 東京ビックサイト(東京国際展示場)
東館・Dブロック・Jにて

 ぼくの作品は「フライングメガロポリス」という造形作家グループと一緒のコーナーに展示する予定です。  どうぞよろしく‥。

2007年2月22日

宮沢もがきからの解放

 昨年の10月ごろ、ある方から宮沢賢治による童話3作品を立体作品化してほしいと依頼された。これがどうしてむずかしく、考えれば考えるほどむずかしく、ここ数ヶ月ずっともがいていた。このとき立体化を依頼された宮沢作品のひとつに「北守将軍と三人兄弟の医者」というはなしがあって、あらすじはこうだ。主人公である北守将軍のソンバーユさまは30年も馬に乗りっぱなしだったため体が馬に引っついてしまい離れなくなった。ひっぱがしてもらうために、彼は小高い丘の上にある病院へと向かい、馬に乗ったままズカズカと診察室へと入り込み、医者に会い、からだを馬から引き離してもらう‥。
 ま、そんなストーリー。
 そしてそれを魅力ある立体作品としてつくりあげねばならぬのだが、いくらイメージをふくらませても具体的なかたちや色が見えてこなかった。己の才能の限界を悟ったぼくはひとりのイラストレーターを助っ人として頼み、20枚ほどのイメージ画を作成してもらった。
 下がその一枚だ。
 素晴らしい絵だと思う。
 ところが、このような絵を立体化するというのがまたまた大変で、ますますもがき、もだえた。だがぐずぐずしているひまはなく、とにかく始めるしかないと腹をくくった。ちょうどそんなとき、突然依頼主側に事情が発生し、待ったがかかった。これをがっくりというべきか、ほっとしたと捉えるのか、いずれにせよこのときをもって約二ヶ月におよんだ「宮沢もがき」からは無事解放されることとなった。

 以上が宮沢賢治文学立体化計画の顛末である。もしもこの仕事がスムーズに進んだ場合、逐一写真を見せながらここに紹介するつもりでいた。だがストップしてしまった以上、あえてお伝えすることもないのでただ黙っていた。
 ところが‥
 「賢治ものは、その後どうなりました?」
 と、先日ある親しい方から問われ、はじめてこの話題を取りあげることにした。
 このたび立体化を依頼されていた作品は「北守将軍」のほかにあとふたつ、「マリヴォロンの少女」と「銀河鉄道の夜」だった。どれもみなむずかしい。だがそのうち機会をみて再度立体化に挑み、改めてなんらかの決着をつけたいと考えている。

丘の上へと向かう北守将軍
絵: ぶりお


2007年2月19日

ビアティチュード

 たまに発売されるコミック誌に「モーニング・two」(講談社発行)というのがあるらしい。そこに「ビアティチュード」という題名の、実録トキワ荘物語とでもいうべきマンガ・ストーリー(作・やまだないと)が連載されている。といっても、トキワ荘はトキオ荘に、そこに暮らす漫画家たちの名前は花森ショータローであったり寺山ヒロオ、あるいはフジノ・フジオだったりといった風に少しずつズレているのだが、それ以外はいまのところほぼ伝説にのっとった物語が進行しているようだ。そしてこのマンガに登場するトキオ荘は、芳賀製トキワ荘をモデルにして描かれているという。なるほど見たら、そのまんま・芳賀製だった。
 先年の暮れ、この雑誌の編集者から連絡があり、80分の1サイズのトキワ荘を一日貸してほしいといわれ、そのときはじめてそんなマンガがあることを知った。しばらく連載がつづくので、ついてはぼくのトキワ荘を一日だけ借りて、いろいろな角度からじっくりと写真に撮って、マンガの原稿に生かしたいというのだ。
 というわけで先週、文京区音羽の講談社まで、トキワ荘一台をお届けに参上し、その雑誌「モーニング・two」の最新号(創刊第2号)を、一冊いただいて帰ってきた。下がその雑誌だ。「ビアティチュード」のページをバッチリ写したので、いかにも芳賀製っぽいトキワ荘が描かれているのがわかるだろう。
 トキワ荘ファンにはオススメ!!
 ケチらずに買って読むべし!

2007年2月9日

エキシビションのこと

 今年は久しぶりにエキシビションの多い年になりそうだ。いまのところ当サイト・ネクストエキシビションの掲示板には7月9日から開催される銀座展と9月30日からの有楽町展の二本のみ掲示されているが、このほかにもいくつかのはなしが進んでいる。だから‥というわけではないが、去年の5月に有楽町で開催された「芳賀一洋&渋谷クラフト倶楽部展」のときの様子を写した写真を、遅ればせながら多数掲載することにした。(これらの写真は「エキシビション・シーン」というセクションの中で見ることができます。)
 下はその一枚。真ん中のおばさんはマイワイフ。このときぼくは客の目の前で脚立や椅子といったミニチュアパーツをたくさんつくった。

写真: 渡邊 格


2007年2月3日