染め液のこと

 内輪のはなしですが、ぼくの教室のみなさんは「染め液」という、金属を黒く染めるための特殊な液体を常に使用しております。この液は東急ハンズなどで、いままでは簡単に入手できましたが、いろいろな事情から最近では入手困難になりつつあるようです。数名の生徒諸氏から「探したがどこにも売っていない」という声を聞き、調べてみますと、扱いをやめてしまった店があったり、売ってはくれるのですが印鑑が必要だったりなど、かなり面倒になっているようです。知り合いの模型屋のおっさんに尋ねると、そのうちみんなが扱いを取りやめるのではないか、とのこと。
 それは困るのです。
 染め液は小生の商売道具。ならば、なくなる前にまとめて入手せねばと、このたびある程度の量を確保いたしました。
 というわけでして、染め液を探しても入手できなかった方は、直接ぼくかあるいは当サイトウェブマスター宛でもかまいません、メールをいただければ小分けいたしますので、ご遠慮なくお申し出ください。値段は250ミリリットル入り一瓶が税込1500円(送料別)です。

赤いちゃんちゃんこのお祝いに
生徒のみなさんから特別製いいちこをいただきました。
ありがとう!!


2008年4月20日

シカゴのミニチュアショーへ行ってきた

今回、行きはよいよい帰りはこわいのちょうど真逆を体験。
 行きは、自家製特大トランク2個といいちこのポケット瓶4本が入った小さな黒いバッグの計3個が、シカゴオヘア空港で見事紛失するというとんでもないスタート。
 シカゴ到着は4月3日午後4時9分。入国審査を済ませ、受託手荷物返却場のターンテーブルの前へと進んだ。ところがいつまで待っても自分の荷物だけが出てこない。恐る恐る尋ねると、荷は間違いなく到着しているという。見つかったら連絡するからホテルで待ちなさいと、紛失したバッグの番号を記した証明書をわたされた。仕方なくショー会場であるホテルへと向かう。タクシーで約15分、ほどなくホテルマリオットオヘアへと到着。そこで今度はクレジットカードまでもが紛失していることに気がつき愕然とした。
 「カードがないのなら宿泊費はいま全額現金で支払ってほしい…」
 チェックインカウンターで言われ、到着早々異国の地で、財布の中身がたったの250ドル(約2万円)に。しかもクレジットカードもない。その上トランクもないのだから売上金の見込みもたたぬ。大事なショーにも穴を開けてしまうという最悪の事態。
 ショーのプレビューは翌4日(金)午後5時半からのスタートである。
 そんなわけで到着早々から翌日の午後まで、マイバッグ奪回作戦に従事せざる得ず、その日は深夜まで空港への問い合わせを続けた。そして翌4日は2回空港まで出向いた。そして2度目に行ったとき、空港のとある場所に保管されていた特大トランク2個を発見、証明書を見せて取り戻す。見事奪還に成功したトランク2個を自分のブースへ運んだときには期せずして周囲から拍手がわき起こった。それはプレビュー開始直前のことだった。
 そしてショーの最終日、4月6日(日)午後、ホテルのマネジャーがぼくのブースにやってきて、いまだに見つかっていなかったいいちこ入りの、最後のバッグが見つかったことを知らせてくれた。
 やがてすべてのショーが終了し、会場のあと片づけを済ませて自分の部屋へ戻ると、なつかしい小さな黒いバッグが置いてあった。さっそく中からいいちこを取り出し、カンパーイ! その上そのバッグからは紛失していたVISAカードまでもが出てきた。なんとまあ嬉しいことよ。しかも翌日は帰国である。グラス片手にルンルン気分での荷造りとあいなった。特大トランクの2個はすでに1個に減っていた。マシな品物はおおかた売れてしまった、ということである…。
 いやあ~おもしろかった。
 —–なお、このたびのバッグ騒動では以下の方々の多大なるご協力をいただきました。
 リリパットランドのマーティーさん、ロスの弁護士ティム・オベンスキーさん、そしてショーの主催者であるトム・ビショップさん、以上お三方には本当にお世話になりました。心より御礼を申し上げます。

2008年4月14日

白い石炭商人

 最近つくったアートインボックスに「白い石炭商人」(原題名・AU BOUGNAT BLANC)という作品がある。第二次大戦後のパリに実在したキャフェバーを、わりと忠実に模型化したもの。看板に大きく「AU BOUGNAT BLANC」と書いてある。下が実物の写真だが、作品のほうはアートインボックスセクションに、すでに掲載してある。だいぶん前に完成していたので、もっと早くお知らせしたかったが看板の意味がわからず、調べていて遅くなった。
 さて、「白い石炭商人」(AU BOUGNAT BLANC)とは?
 知り合いのフランス語通数名に問い合わせたが、いまひとつピンとくる答えが返ってこなかった。そうこうするうちに、アニー・デュボワさんというベルギー在住のミニチュアリストを思いだし、ひさしぶりに彼女に、問い合わせのメールを打ってみた。
 ベルギーはフランス語圏である。
 そしてやっと納得のいく答えが見つかった。
 実は、ぼくからの問いに対しデュボアさん自身も正解がわからず、仕方なく彼女は、知り合いのフランス人女性に問い合わせたそうである。
 下がその回答だ。
 ——-AUは冠詞で、BOUGNATは石炭商人のこと。そしてBLANCは白なので「AU BOUGNAT BLANC」は「白い石炭商人」という意味です。概して彼らは大酒飲みだったので、彼らの名前はいつしか大衆が好む安酒のことを指すようになりました。すなわち「AU BOUGNAT BLANC」とは、白ワインにリッカー酒を混ぜたアルコール飲料の名前です——-。
 な~るほど、目からウロコである。白い石炭商人とは、なんと酒の名前だったのだ。だからキャフェバーの看板になっている。まあ日本でいえば、浅草の「電気ブラン」みたいなもの。ただ石炭商人が白いのか、あるいは彼らが扱っていた石炭が白いのかは依然としてわからない。そのどっちにせよ白ワインにリッカー酒を混ぜたものならば「白い(無色透明な)酒」であることは間違いなさそう。
 というわけで、最新作「白い石炭商人」(AU BOUGNAT BLANC)を、あとで是非ご覧いただきたい。

「AU BOUGNAT BLANC」
発音はオ・ブニャ・ブラン


2008年4月8日

80分の1トキワ荘が…

 今年はマンガ家石ノ森章太郎の生誕70周年だそうで、メディアがさまざまな特集を組んでいます。このたび東京ビッグサイト開催された東京国際アニメフェア〈3月27日~30日〉にも、「石ノ森章太郎・70周年記念ブース」が設けられ、そこに拙作「80分の1トキワ荘」が展示されました。

2008年3月31日

ニコレットの居酒屋

 おととし制作した「ニコレットの居酒屋」。
 いままでどこにも写真を掲載していなかったが、このたびやっとそれ用のセクションを新設し、数十枚の写真をまとめて掲載することができた。
 なにしろ居酒屋なので、イスやテーブル、タバコや灰皿、雑誌や新聞、食器や調味料といった見なれた物品がいっぱい詰まった作品だ。それらはみんな、おハシの一本にいたるまで、すべて接着してある。したがってどこになにを、どんな位置関係で固定するのかを決めるのがたいへんで、頭がパンパンに脹れるほど考えた。そもそも物の位置なんて現実にはただ無造作に置いてあるだけ。ちょっとでも作為的に見えたら興ざめだ。あくまでも“自然で”なければならない。とりわけイスの配置がむずかしく、試行錯誤のすえにどうにか決定したが、どうもまだ気に入っていない。
 ま、そのへんをポイントに、あとでジックリと写真をご覧いただきたい。
 左のインデックス「作品ギャラリー」をクリックし、表紙ページの右下にあるポッチから入れます。

2008年3月26日

ひさしぶりの真岡駅

先日、宇都宮まで出かける用事があったので、ついでに真岡の駅まで足を伸ばし、ひさしぶりに拙作「昭和初期の真岡駅」と対面してきた。
 「もしかしたら、もうないかもしれない…」
 出かける前には心配していたが、ちゃんと置いてあった。
 展示ケースが汚れていることをあらかじめ想定し、ガラスマイペットやダスキンなど、掃除道具一式を持参。まずはゴシゴシとガラスのケースを磨いた。ひと通りの清掃が終わったころ、電気を点けてもらうと、パッと光の中に模型の駅が浮かび上がった。よく見るとケースの内側、はじっこのほうに多少のクモの巣やちっちゃな昆虫の死骸などがあるものの、それでも作品はなかなかの見ごたえだった。たくさん写真を撮ってきたので、そのうちどこかに掲載したい。

真岡線真岡駅コンコースにて。
見物する場合は是非スポットライトを点けてもらってください。
駅員に言えばスイッチを入れてくれます。


2008年3月16日

みんなでゾロゾロ居酒屋へ…

 3月8日午後、ひさしぶりの顔ぶれがぼくの作業場に集合し、エッチング技法に関する知識、みたいなことのレクチャーがあった。講師は渡辺いたるちゃん(写真中央)、むかしからの生徒氏のひとりである。また名手・佐野匡司郎氏によるフル・スクラッチビルドの驚くべき新作ロコのご披露があったりと、なかなか盛り沢山なコンテンツだった。
 この会合は、ぼくの教室のOB諸氏が、ときどき自主的に開催している勉強会で、ぼくが講師をつとめているわけではない。しかし終了後、大方の参加者はゾロゾロと、必ずどこかの居酒屋へと移動するならわしになっていて、勉強会というよりは、むしろ酒を飲むための集まりといったほうがよさそうだ。
しかしこの日の芳賀は、みんなと一緒に居酒屋へは移動せず、新しい生徒諸氏の待つ巣鴨へと向かった。当日は「初心者クラス・Bグループ」の開催日にあたっていて、一月期・4回目のレッスンがあったからだ。
 巣鴨のみなさんは、初心者とはいえ、総じてレベルが高いので、驚いている。
 ところでこの初心者クラスだが、一月期の最終回終了後には、打ち上げと称して、こっちの生徒諸氏もゾロゾロと居酒屋へと向かう予定。当教室のOB諸氏や、これを読んでいる方の中で、このゾロゾロに参加したいという方々がいらっしゃれば大歓迎。当日の午後8時までに、直接巣鴨教室(㈱プラットフォーム・デザインルーム)までお越し下さい。(教室の場所は、左のインデックスから「工作教室」をクリックすればご覧になれます。)
 ——-㈱プラットフォーム: http://www.platform0.com/#

 Aグループ打ち上げ日: 3月15日/午後8時ごろより
 Bグループ打ち上げ日: 3月29日/午後8時ごろより
 会費:ワリカン
 居酒屋:未定

 なお、Bグループの生徒氏がAグループの打ち上げに参加してもかまいません。その逆も可。また一人の生徒氏が両方の打ち上げに参加してもかまいません。
 どうぞよろしく。

2008年3月10日