ニコレットの居酒屋展示

 ニコレットの居酒屋という作品がある。㈱オニオンから依頼されて制作し、いったん納入したが、その後長いこと借りっぱなしになっていて、どういうわけかいまだにぼくの手元にある。(詳しくは作品ギャラリー「ニコレットの居酒屋」参照のこと)。なので、今週末浜松町で開催される「弟10回・東京インターナショナル・ミニチュアショー」に急遽出品し展示することにした。
 まだご覧になっていない方はこの機会にどうぞ。
 ——以下詳細。

タイトル: 第10回・東京インターナショナルミニチュアショウ
会場: 浜松町・都立産業貿易センタービル5F
住所: 東京都港区海岸1-7-8
日程: 6月14日(土)10:00~17:00
    6月15日(日)10:00~16:00
入場料:前売券(税込)/1日券¥1,200/2日共通券¥2,000
    当日券(税込)/1日券¥1,500
    高校生以下(学生証持参のこと)・障害者手帳持参者 無料
主催:日本ドールハウス協会&トム・ビショップ
協賛:特定非営利活動法人・日本テディベア協会・日本ビスクドール協会・もの作りビッグギャラリー
 <お問い合わせ> 日本ドールハウス協会
〒112-0002 東京都文京区小石川1-27-9 渡辺ビル2階
TEL:050-3303-3693 FAX:03-3816-6978
E-MAIL:japan@dollshouse.co.jp

 芳賀は6月15日(日)の午後には会場にいる予定です。ブースナンバーは未定ですが、そんなに広い会場ではありませんので、行けばすぐに見つかるはずです。
 —-どうぞよろしく。


2008年6月9日

盗っ人リバーの馬具店/②

 まるで西部劇にでてくるような馬具店制作の予定があると4月30日に、この欄でお伝えした。下がその店の内部。おおよそ百年前の写真なので不鮮明なのは仕方がない。
 壁の上段にぐるっと並んでいるのは馬の首輪だ。床には巨大なトランクがごっそり積み重なっている。そこまではなんとか識別ができる。ところが右側の壁を埋め尽くしている金具のようなものが、なんだかわからない。多分これは馬と馬とをつなぐためのロッドだろうと推定はしているが、断定にはいたっていない。ジョンウェインの「駅馬車」が六頭立ての馬によって引っぱられていたことは、おじさんならみんな知っている。ワードボンド扮するトラビス大佐が率いていた「幌馬車隊」も、確か四頭の馬によって牽引されていた。それら複数の馬たちは金属もしくは木製のロッドによって馬車につながれていたはずである。だから幌馬車一台を仕立てるためには、さぞかしたくさんのロッドが必要だったろう。それがずらっと壁に並んでいた。
 以上がぼくの推理で、いまのところ約2名のアメリカ人が賛同してくれている。ところがこの仕事の依頼者であるナンシー・フローセスさんは軽装馬車(Buggy)か、あるいは馬車ぞり(Sleigh)ではないかとおっしゃっていて、どうもはっきりしない。ものが特定できればすぐにでもアメリカまで現物を見に行くつもりでいるが、いまだになんだか分からず非常に困っている。
 そこでですが、どなたかこの金具についてご存知の方がいらしたら是非ともお教えいただきたいのです。
 —–どうかよろしくお願い致します。

盗っ人リバーの馬具店・内部


2008年6月1日

トキワ荘の春

 故石ノ森章太郎著作による「トキワ荘の春」(清流出版㈱)という単行本が、このたび出版された。この本はマンガではなく、マンガ家石ノ森章太郎が若き日のトキワ荘時代を振り返って、自らが珠玉の文章で綴ったエッセイ風読み物であるが、目次や奥付ページにはなんと計6枚もの拙作トキワ荘の写真が使われている。マンガの王様といわれた石ノ森氏の本に、しかも氏が生前たった一冊だけ著したというトキワ荘について語った本の中に、よもやぼくの作品が使われることになろうとは…。
 もちろんぜんぶ読んだ。愉快でいてどこかしみじみとした味のある名著だと思う。
 「姉が死んだ。明日が23歳の誕生日。ある年のその日だった。三歳違い。ボクは成人式とやらが済んでまだ三ヶ月目。天気は快晴だった。トキワ荘の周囲は、なにごともなく明け、なにごともなく暮れていった。町の人々はいつもと同じ日のように、ラーメンをすすり、野菜を売り、コーヒーをつぎ、自転車のペダルを踏んでいる…」
 本文はこんなプロローグで始まっている。あまたあるトキワ荘本の中でも最重要な一冊。マニアはすぐさま買って読むべし。

目次の下段に拙作の写真が…。


2008年5月25日

コミュニティーバス

 4月27日から、家の前を「田端循環ルート」というコミュニティーバスが運行するようになりました。
 このバスはJR田端駅前から例えば午後3時など各時間帯ジャストに出発し、次は3時20分、その次は3時40分、そしてその次は4時という具合に20分おきに出ています(平日土日とも)。乗車して約2分で最寄りのバス停「富士見橋エコー広場館」に到着します。料金は一回100円。田端駅におけるバス停は北口「田端文士村記念館」前にあります。またJR駒込駅・南口ロータリー・マクドナルド前にもバス停があって、ここから「エコー広場館」までだと12分かかります。駒込からの発車時間は各時間帯の10分と30分と50分で、やはり20分おきです。
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/inform/278/atts/027870/attachment/attachment_2.pdf
 と、まあ、本日は模型とは関係ないバスネタでした。たまにぼくの工房で勉強会を開催している渋谷クラフト倶楽部のみなさんにとっても便利だろうと考え、あえて掲載いたしました。放課後の「飲み屋」への移動にも使えます。そのほかにも遅ればせながら田端・駒込の両駅に待望のエレベータがついたり、また今春には、モノレール「日暮里舎人ライナー」が開通するなど、身近なトランスポテーションが突然便利になりました。

前回お知らせした「渋谷クラフト倶楽部」の作品展示
(デザインフェスタ会場にて)


2008年5月20日

デザインフェスタのこと

ぼくの教室のみなさん「渋谷クラフト倶楽部」が、今週末東京ビッグサイトで開催される「デザインフェスタ・vol.27」に参加します。5月17日(土)と18日(日)の二日間、ブースは西ホールC-517です。それと、最近の生徒さん(藤田由紀子さん)も、5月17日のみ、「鍵の穴展」(C-0160,C-0161)というグループで作品を展示するそうです。
 是非お出かけください。
 ぼくも見に行くつもりです。

http://www.designfesta.com/jp/df/event/index.html


2008年5月13日

朝日商店

 田端新町三丁目に「朝日商店」(03-3800-3603)という機械工具の古道具屋がある。
 天気の良い日に、道を尋ねるために自転車で立ち寄った。店内は約20坪。足元には所狭ましと中古コンプレッサーが置いてあり、天井からは中古丸ノコや中古ジグソーなどがどっさりぶら下がっている。通路はやたらと狭く、人の気配がない。
 —–だれも居ないのかな?
 しょうがないから帰ろうとした矢先に、いらっしゃいませ、という声がした。声の主はアタマに白いタオルを巻き、こざっぱりとしたグレーの作業着姿。30歳代半ばとおぼしき好青年。
 「中澤という道具屋を探しているのですが…」
 尋ねると、中澤さんは100メートル先ですと、とても親切に教えてくれた。教えた先は同業者である。なのに、なんとまあ感じのいい対応だろうと、なにかを買ってやりたい気分になり、ヤスリの棚に手を伸ばし、中古の金ヤスリを三本手に取った。横を見るとドリルのキリも置いてある。ついでにそれも買う気になって、値段を見てビックリ。太さ0.5ミリのドリルのキリが、な、なんと10本400円!!
 新品が、である。
 (東急ハンズでは一本490円。)
 この店ではドリルのキリはすべて10本ずつのケースに入った状態で売っていて、バラ売りはしていない。そして太さ0.5ミリから1.8ミリまでが、すべて1ケース400円だそう。それ以上の太さだと更に安くなる。
 「な、なんで、こんなに安いの?」
 一応尋ねたが、出来るだけお安いお値段でお客様にご提供いたしたいと思いまして…などと、ツマラナイご回答。問題は品質だが別段悪くないと思う。
 オススメである。

店の外(手前)にもどっさりコンプレッサーが…


2008年5月5日

盗っ人リバーの馬具店

 シカゴのミニチュアショーへ出かけたことは、このあいだここに述べた。現地ではいくつかの収穫があったが、その中のひとつに馬具店のはなしがある。
 見ただけではわからないと思うが、下の写真は馬具店(Harness Shop)の外観だ。馬の首輪や、馬と馬をつなぐための金具や、家財道具一式をつめて幌馬車へ持ち込むための巨大な旅行用トランクなど、西部開拓時代の人々が新天地を求めて西へ西へと向かうために必要なさまざまな物品を取り扱っていた。写真の下に「Carl Froseth Store in Thief River」(盗っ人リバーのカール・フローセス・ストアー)と書いてある。そのカール・フローセスさんのひ孫にあたるケント・フローセス氏から、このたびシカゴで、この店の模型化(1:12)を依頼された。実際はケント氏の奥さんであるナンシー・フローセスさんから頼まれたわけだが、2009年年末までに仕上げるという条件で、現金うん千ドルの手付金を、ホテルのロビーで手わたされた。旅行者が所持するにはちょっとした大金である。受け取ったときには、さすがにドギマギした。
 ま、そんなわけで、ぼくのアタマの中身は、徐々にウエスタンモードに入りつつある。
 とはいっても店の外観を示す写真は下に掲載した、まことに不鮮明な一枚のみ。ディティールがほとんどわからない。しかしそのほうが自由に、気に入ったようにつくることができると考えればむしろ好都合。なまじっか鮮明な写真を見せられたりすると、ここか違うあそこが違うとなりがちで、やっかいなものである。
 ま、この件に関しては、おいおいまたお伝えしたい。

左側の窓の真ん中に馬の首輪が…


2008年4月30日