YURIさんの作品

 下の写真は千石教室の生徒、YURIというレディーがつくった作品です。「プロローグ」という題だそうです。
 高さわずか50ミリの小さな作品ですが、あまりにもあっぱれな出来ばえだったので、「今度ぼくのサイトに掲載したい!」と思わず言ってしまいました。ロードオブザリングのホビットたちが、建物のうしろから、いまにも飛びだして来そうです。
 ●「佐野賞」ゲット、ですね。
 —–おめでとうございます。

YURI作/「プロローグ」


2008年12月3日

盗っ人リバーの馬具店/③

 馬具店のはなしはその後どうなったんですか、とたまに訊かれることがある。
 きょうはそのはなしから。
 以前6月1日のこの欄で、表題の馬具店内部の写真を紹介した。壁の上段に馬の首輪がズラッと並んでいて、その下になにやら黒っぽいものが密集して見えている写真だった。その黒っぽいものがなんだかわからなかったので、知っている人がいたら教えてほしいと呼びかけた。そこまでが前回のはなし。
 その後、数通の回答メールをいただいた。その中に、写真の店は馬具店ではなくて、駅馬車のストレージルームではないかとおっしゃる方がいて、裏付けの写真も数枚添付されていた。下がその中の一枚だ。
 見たとたん「これだ!」と思った。
 写真を見ると首輪の下の黒っぽいものの正体は馬のベルトのようである。
 そのように、馬の首輪とベルトが大量に壁にかけてあり、床に旅行カバンが積みあがっている場所、それは、そこが駅馬車のストレージルームだったことを示しているとその人はおっしゃった。ところがこの仕事のクライアントは馬具店だと言っている。ただちに納得するわけにはいかなかった。そこで今年の夏に、米カリフォルニア州のゴーストタウンへと出かけた折に少し足を伸ばして、ついでにサクラメントシティへも立ち寄った。そこに有名な駅馬車ミュージアムがあると聞いていたからだ。
 さっそくミュージアムのマダムに、馬具店の写真と一緒に駅馬車ルームとされる写真を見せて、これらはおなじものかと尋ねた。
 いくら英語がダメでもそれぐらいは訊ける。
 するとマダムは「もちろんです」と断言。
 専門家に断言されたとあれば仕方がない。以後盗っ人リバーの馬具店は、駅馬車のストレージルーム的形状で制作することに決め、すでに数ヶ月前からポチポチ部品をつくりはじめている。しかしこの仕事の完成予定は来年年末なので、まだまだ余裕のヨッチャンである。
 そして、上のはなしとは別に、実はあるひとから、むかしの遊郭の座敷をつくってほしいというはなしがあって、こちらはつい最近制作をスタートした。納期は来年2月末。だから現在フルスピードで対応している。縮尺約7分の1という、あんまり聞いたことのないないスケールで鋭意制作中であるからして、かなり大きな作品になりそうだ。
 そんなわけで、この年末はちょいとばかり忙しい。

駅馬車のストレージルーム的写真


2008年11月24日

ご来場ありがとう!

 先週デザフェス(デザインフェスタ)に参加した。そしたら初日の午後、模型界のカリスマ・伊藤誠一ちゃんがやってきて、ずいぶん長いことぼくのブースの周りをうろうろしていた。なにをやっているのかと思ったら、あっちの角度こっちの角度から、作品に群がる人々を写真に撮っている。
 「2時間にはならんだろうけど、間違いなく1時間以上はいるよね」
 横にいた山ちゃん(山下浩氏)に声をかけると
 「ええ、気に入るまでやらなければ気がすまないのが彼の性格ですから…」
 山ちゃんはいつもの調子でボソッと答え、じゃなけりゃああんな模型はつくれませんよ、とため息まじりに付け加えた。あんな模型とは伊藤氏がつくるものすごい模型のこと。(ご興味のある方は「伊藤誠一さんのレイアウト」で検索すれば写真を見ることができます)。
 ま、それはともかく、このとき伊藤氏はきっと100枚以上の写真を撮ったと思う。で、送ってくれた写真が下。こういう、どうってことない写真って、結構むずかしいのだ。伊藤ちゃん、ありがとう。使わせていただきました。そしてご来場いただいたみなさん、ありがとう!!

写真:伊藤誠一


2008年11月17日

先週フィラデルフィアへ行ってきた

 10月30日午後10時、乗っていた飛行機が突然ユサユサ揺れはじめた。サンフランシスコからの乗りつぎ便だったので、ぼく以外の乗客は全員アメリカ人。揺れは約15分ほどつづき、やっとおさまったころ、短いアナウンスがあった。もう安心ですよというメッセージだろうか、機長がなにかをしゃべったとたん周囲からどっと歓声があがり、よく聞き取れなかった。
 翌朝7時、ホテルの部屋から通りをのぞくとただならぬ雰囲気。なんだろうと思いながらも写真を撮った。(下の写真)。やがて身支度を整えて外に出て、はじめてそれが「フィーリーズ」(フィラデルフィア・フィーリーズ)のワールドシリーズ優勝に歓喜した群集だとわかり、同時に昨晩機長が何を言ったのかがわかった。
 それからの丸一日、まったくの馬鹿騒ぎを見せつけられ、とんだ迷惑をこうむった。あまりにも群集が多いのでまともに道を歩けない。レストランもコンビニも超満員。人々は常に大声を張りあげて何かを叫んでいる。へたに目を合わせたりすると、一緒に喜ぼうぜ、などと誰彼かまわず陽気に話しかけてくるので非常にヤバイのだ。町中全員がフィーリーズのロゴ入り衣装に身を包んでいて、ぼくのようなロゴなしウェアーの者は次第にいたたまれなくなってくる。
 当日は午後6時から、現地クラウンプラザホテルにて、フルスティームアヘッドという大規模なミニチュアショーが開催される予定で、本当はそれまで市内見物をするつもりだった。しかしとても無理と判断。町外れの美術館で時間をつぶしてからショー会場へ向かうことに。会場は市内からタクシーで30分ほどの距離にあり、さいわい静かだった。
 今回のショーは、トム・ビショップ氏の主宰ではなかったが会場にはビショップ氏の姿もあった。ミニチュアコレクター誌のバーバラさんや、かばん屋のゴメス、シーンコナリーのような顔をしたシェーカー・ワークスのケン・ビアー氏など、毎度お馴染みの顔ぶれが大勢いらっしゃり、みなさん「ハイ、イチヨー!」とか言って、気楽に声をかけてくる。アラバマから来たという、ちょいと美人のおばちゃんには突然ガバと抱きしめられ、ほっぺたをくっつけられて、背中をぽんぽん叩かれた。いわゆるハグというやつである。このおばちゃんは、ぼくを見つけると毎回必ずこれをやるのでまいる。今回を含めて計3回やられている。
 そして夜中の12時、自分のホテルへ戻ると、一階のバーでは相変わらず馬鹿騒ぎの真っ最中。「イェーッ!」やら「ワオーッッ!」やらを叫びながら、バーからあふれ出た人々がエレベーターホールにまでたむろしていた。少なくともこの日、ここフィラデルフィアでは、オバマのオの字も聞こえてこなかった。

Exif_JPEG_PICTURE 10月31日午前7時
フィラデルフィアのマーケットストリート Exif_JPEG_PICTURE


2008年11月8日

デザインフェスタのこと

 11月8日と9日の両日、有明の東京ビッグサイトで開催される「デザインフェスタ VOL.28」(通称デザフェス)に出展します。ぼくは両日とも会場におりますので、どうぞご来場ください。

 タイトル: 「デザインフェスタ VOL.28」
 URL: http://www.designfesta.com/index.html
 会場: 東京ビックサイト・西館
 住所: 東京都江東区有明3-21-1
 日程: 2008年11月8日(土)~9日(日)
 時間: 午前11時~午後7時
 入場料:1000円

 芳賀のブースは西館のE(暗いエリア)、ブースナンバー91~94、それと110です。
 —–どうぞよろしく。


2008年11月2日

雑誌「創作市場」のこと

 今月末に、京都の「マリア書房」という会社から発行される雑誌に芳賀の作品が紹介されることになりました。雑誌の名前は「創作市場43号/ドールハウスに遊ぶ・3」。「懐かしさと趣に満ちたパリと昭和の立体絵画」という見出しで、計4ページにわたって拙作が掲載される予定です。定価2940円(税込)。ちょっと高いのですが、書店でみつけたらぜひお買い求めください。相澤和子さんの作品も掲載されているそうですよ。

創作市場/43号


2008年10月27日

サンフランシスコのケーブルカー

 以前、ケーブルカーのはなしをするといってそのままになっていたので、きょうの話題はケーブルカー。
 ケーブルカーったって大都会サンフランシスコの急坂を登ったり下ったり、確か3路線もあって、まあ都電のようなもの。市民の足だ。
 まずは下の写真を見てほしい。
 てらっとニス塗りの美しい木製車両である。左上にちょこっと見える白い部分はダブル・ルーフ(二重天井)の二階の窓だ。床はアピトンの板ばり。吊り革も本革製だったが残念ながら写真には写っていない。明治村を走っているチンチン電車とほぼ同時期の車両と思われるが、こっちはいまも現役。ひもを引っ張ってチンチンとなつかしい音を出し、ターンテーブルは人力でまわすという本格派。
 写真の中央、エンジ色のジャンバーの男が運転手だ。黒人である。彼の前方に黒い棒が一本立っているのが見えるだろうか。高さ約1.5メートル、床から突き出たこの棒は実は2本あって、もう一本は、このとき手前に倒れていたので写真には写っていない。乗車すると運転手は、まず握った棒が汗で滑らぬように、自分のバッグから細長い革の袋を取り出して鉄の棒の握りの部分にかぶせ、ひもでぐるぐる巻きに縛る。そしてみずからの手にも革手袋をはめ、棒の根元にたっぷりと油を注ぎ込む。それから渾身の力をふりしぼってギギギギギーッと棒を手前へ引っ張るのだ。するとゴットン、と車両が前へすべり出すという仕組みである。急な坂を下るときがたいへんで、ブレーキを掛けるためには両足を床に踏ん張って、向こう側に棒を倒さねばならず、そのときなぜかドスン、ドスンと床を蹴る。まるで格闘だ。
 ご覧のようにこのとき車内は満員で、右側には車外ステップに乗っている人も見える。この写真のあと、途中の駅で、妊娠している女性が乗ってきてぼくの前に立った。ちょうどそのとき、真っ黒な顔の運転手がくるりとこちらをふりむき、天井に視線を向けて、突然がなり声をあげた。
 「いたわってあげねばならぬレディーが乗車してまいりました。われわれは彼女に席を譲らなければなりません。それが合衆国における紳士淑女のたしなみというものです!!」
 鼻の穴をぴくぴくさせながら、ものすごい迫力で、ピシャリと言い放った。が、なにしろ英語である。一瞬意味がわからずポカンとしていたら、隣のおっさん(写真手前の野球帽)がスッと席を立った。そのときはじめて、あっ、そうか、あの運転手は、ぼくにむかって怒鳴ったのだと気がついた。と、同時に、急に感動で胸を突かれた。アメリカよ、まだまだすてたものではないぞと無性に嬉しかったのだ。
 と、まあ、そんなことだったが、すっかりこのケーブルカーが気に入ってしまい、帰国後たまに模型化できないかなどと物騒なことを考えることがある。中もしっかりつくればさぞかし楽しいだろう、なんて考えていると夜ねむれなくなる。

7月20日なのに人々はなぜか真冬の服装


2008年10月19日