近況①「久保田さんの作品」

 先週、宮崎の久保田卓という方から書籍の注文メールがあった。このメールには久保田氏作による作品の写真が数枚添付されていて、「気が向いたらご覧いただき、笑ってほしいと思います——–」とあった。えらくご謙遜のようすだが作品はどうしてなかなかのもの。特にスケールは書いてなかったがおそらく24分の1ぐらいだろう、随所に作者の思い入れが感じられるこだわりの一品、たいへんな力作であった。
 ね、久保田さん、ちゃんと掲載しましたよ。
 ——–だれも笑っちゃいませんよ~。

久保田卓作「和田商店」

近況②「フクイさんの作品」

 名手フクイ・タカアキ氏からも、ひさしぶりにメールが届いた。
 「こんばんは芳賀先生。去年の教室課題でした消防分団小屋、やっと完成いたしました。遅くなりまして申し訳ございませんでした。完成すると達成感を感じ、とても嬉しいものです。次は地形を作り、配置をして、すべてを完成させなければ…。
 ——-簡単ですが失礼いたします。」
 このメールには計8枚の添付写真があり、下がその一枚。まったくよく出来ている。
 氏は去年まで千石教室の生徒さんだった方。最近とんとご無沙汰だったが、来月彼らの同窓会が開かれるという。
 フクイさん…、同窓会にはぜひこの建物を持ってきてくださいね、みんなが見たがっていますよ~。
 《追記》
 フクイ氏らの千石教室は去年終了し、今年からは目黒区自由が丘で、新しい教室がスタートしている。その新教室1月期最終日3月27日の放課後に「打ち上げ」と称する親睦会があります。参加希望者は当日の午後7時ごろ、直接教室までお越し下さい。当教室のOB、あるいは単なるファンの方も参加OKです。
 フクイさんもどうですか?

フクイさんの作品
スケール:1/80


2010年3月21日

ジェーンさんとアランさん

 米ミネソタ州のルーシー・マロニーさんが、ある日偶然ぼくのサイトを発見し、ニューヨークの雑誌のエディターに連絡してくれた。そこまでが前回のはなし。
 そんなことから2003年の秋、わたしはそのエディター、ジェーン・フリーマンさんを訪ねてニューヨークへと飛んだ。下がそのときの写真。ワールドトレードセンターから歩15分ほどのところにある彼女のアパートでのツーショットである。部屋の窓からはハドソン川が眺められ、ときどき船の汽笛が聞こえた。
 ジェーンさんは雑誌のエディターであり、ライターであり、同時にミニチュアリストでもあり、なおかつアートペイントも描くというマルチ人間。そんな彼女からこの日この部屋で約3時間のロングインタビューを受け、後日それが雑誌の記事となった。
 それから約一年が経ったある日、おなじくニューヨーク在住のアラン・ウォルフソンという方から連絡があった。彼の新しいウェブサイトに、ぼくのサイトをリンクしたいという。もちろんOKと答え、尋ねると、彼はジェーンさんから、ぼくの作品をすすめられたという。
 まあ、そんなことを念頭に、本日はアラン・ウォルフソン氏のウェブサイト(下)をご覧いただきたい。以前にも一度紹介したことがあるが、最近の読者にもぜひ見てほしいと思い、本日あらためて紹介する。(なお画面上段「News」をクリックすると「Links of Interest」というコーナーがあり、そこに確かに当サイトがリンクされている。)
 http://www.alanwolfson.net/
 アラン氏とぼくは同い年。たぶんジェーンさんもほぼ同年のハズだ。しかも三人ともミニチュアリストである。いつか天気のよい日に、マンハッタンブリッジでも眺めながら、この三人で、ゆっくりとビアジョッキでも傾けたいものである。その場にルーシーさんもいたら最高だが、ミネソタからマンハッタンまではちと遠い。

2003年9月20日
ジェーン・フリーマンさんと


2010年3月15日

いやぁびっくりした

 アートインボックスの制作教室は初心者には向かない、という趣旨のことを去年小欄に書いたことがあった。にもかかわらずどうしても参加したいという猛者があらわれ、現在この教室の日曜グループに所属している。その生徒氏、尾方麗二さんの住所が変わったというので先日メールを打ったところ下のような返信が届いた。
 「芳賀先生こんばんわ。ご確認のメールをわざわざ恐れ入ります。そうです。新住所はその通りです。なお申し遅れましたが、以下に私のサイトのURLも貼っておきますので、もし宜しかったらおヒマなときにでもご覧くださいませ。」
 http://miniatureruins.web.fc2.com/
 これに対するわたしの返信は
 「いやぁあぁあぁすばらしいぃぃいぃぃ作品ですねぇえぇぇ、て、て、天才的な感性、恐れ入りました。はが」でした。
 ——-いやぁびっくりした。
 おヒマなときにでも…とか言っちゃって、オガタさん、急におどかさないでほしいのよね。

尾方さんの作品


2010年3月6日

ルーシーさんのこと

 このホームページの英語バージョン作成にあたっては、米ミネソタ州在住のルーシー・マロニーという方にたいへんお世話になっている。当方がヘタな英語を書いてルーシーさんへ送ると、即座に彼女がグッドイングリッシュに直し、送り返してくれる、そんな関係がもう7~8年つづいている。
 そのルーシーさんからきのう次のようなメールが届いた。
 Hi Ichiyoh, I wanted to show you some pictures I took this morning. This is hoarfrost. Covered everything this morning until the sun came up. So beautiful! Hope you enjoy seeing them.
 けさ撮った写真です。きれいでしょ——-みたいなことが書いてあり、数枚の写真がそえてあった。下がその一枚。木々が真っ白に凍っている。これをhoarfrostというらしい。木々の手前に彼女の家がある。
 こういう土地でこういう家に住み現在独身の彼女は毎日せっせと犬猫のミニチュアをつくっている。そんなある日、彼女は偶然どこかでぼくのサイトを発見し、すぐさま知り合いの雑誌のエディター(女性・ニューヨーク在住)に連絡、おかげで2004年春、計6ページにわたるHagaの特集記事が、米ミニチュア系マガジンに掲載されることとなった。夢のようなはなしである。このことをきっかけにしてHagaの名が米ミニチュア界に知られるようになり、馬具店制作の仕事が舞い込んだり、シカゴのミニチュアショーにでかければ、見知らぬアメリカ人から声をかけられるなど、米国でのファンも次第にふえてきた。そういったことの原点がここ、写真の家の住人によってもたらされた。ぼくにとっては特別な場所である。

 そういうわけで、米ミネソタ州のルーシー・マロニーさんに対しては、常にひとかたならぬ恩義を感じている。だからこちらでもなんとか彼女のことを宣伝したいと過去数回当欄でも取り上げたことがある、下がそのルーシーさんのホームページである。あとでどうか見てほしい。そして英語が出来る方ならば是非なにかのメッセージを送ってほしいのです。「あなたの犬は最高です!」のひとことでもかまいません。
 ——どうかよろしく。
http://miniature-dogs-cats.com

「ルーシーさんの家」
なお計6ページにわたるHagaの特集記事は
英文Talks(2004年8月2日付)で読むことができます。


2010年2月28日

アバターを見た

 遅ればせながら「アバター」を見た。
 想像どおりCG映像が凄かった。流れる雲、うごめく森、風にゆれる草花、空を飛ぶ鳥、水しぶきを上げる海、そしてアバターを含めた動物たちの動き、等々、どこもかしこも超リアル。しかも立体メガネ付である。もはやチマチマ手でつくり「ほら、本物そっくりでしょ」なんてことを言っている時代ではないようだ。
 その直後にテレビで「崖の上のポニョ」をやっていたので、これも見てみた。するとこっちの背景は手書き感あふれるタッチで描かれていて、かたちも線もふにゃふにゃだったが実にいい味だしていた。“非リアル絵”とでもいうのか、いつもの宮崎画とは明らかに違っていた。さすが宮崎さんである。手で描いているのだから、むしろそのことを強調したほうがよいと考えたのだろう。
 模型もこれとおんなじではないのか。


2010年2月20日

「シカゴ・インターナショナル」のこと

 トム・ビショップ氏主催の「シカゴ・インターナショナル」というミニチュアショーが、4月17日からの3日間、米シカゴのホテルで開催されます。世界各国からやってくる選りすぐりのミニチュアディーラーたち数百チームが一堂に会するという、アメリカでもっとも大規模なミニチュアイベントです。
 このイベントに今回Hagaはディーラーとして参加します。
 小生のほかにも、うちの倶楽部からは古橋いさこさんがディーラーとして、すでに参加を表明しておりますし、去年まで千石教室の生徒だった正影智子さんが客として出かけるなど、日本からも大勢の方々がシカゴに向かいます。下のサイトを開き「Chicago International 2010」をクリックし、更に「Dealer List」を見てみますと、Hagaを含めて日本からは計7チームが参加することになっているようです。7チームといったらちょっとしたもの。これに一般客が加わるのですから、もしかしたら会場のロビーは“日本人でうじゃうじゃ”になるのかもしれません。
 http://www.bishopshow.com/
 ぼくは4月15日の午後便で成田を発ち、20日の夕刻に帰国する予定ですが、同行を希望される方がいらっしゃれば至急お申し出ください。


2010年2月13日

近況①「遊廓の写真」

 去年の春制作した「遊廓の座敷」(角海老楼)という作品があります。おくればせながらそのためのセクションを新設し、たくさんの写真を掲載いたしましたので、あとで是非ご覧になってください。作品ギャラリー表紙ページ、右下のポッチからはいれます。なおこのセクションに掲載されている写真は宇都宮の「ギャラリー悠日」において、プロカメラマンの神尾幸一氏によって撮影されたものです。


 最初、背景をどうしようかといろいろ考えた末、作品を宇都宮まで運び、ギャラリー悠日の倉庫で撮影することにした。その倉庫は大谷石でできているために独特のレトロ感があって、背景として申し分ないからだ。そしてその日、神尾氏が遊廓の作品を撮っている最中に、おなじ倉庫の別の場所では雑誌「フーガ」のカメラマンによってぼく自身が撮影されていた。後日この雑誌に掲載されることになるソファーに座っている状態の写真や、下をむいてなにかをつくっている写真などは、みなこの日にこの倉庫で撮影された。つまりこのとき神尾氏とわたしと、フーガのカメラマンと、フーガのエディター氏にライター氏の計5名が、おなじ屋根の下で、ひとつのラジオに神経を集中し、それぞれ別のものを撮っていたわけである。
 いまラジオと書いたが、奇しくもこの日は2009年3月24日。ワールドベースボールクラッシックの決勝日だった。対韓国戦。3対3でむかえた10回表、ツーアウト2塁3塁からイチローが決勝タイムリーを放ち、日本中が歓喜に沸いた午後2時半、ちょうどそのときわれわれはこの倉庫でそれらの写真を撮っていた。だから遊廓の写真を見ると、今でもこの日の試合のことばかりが、やけに鮮明に思いだされる。

「角海老楼」
写真:神尾幸一

近況②「やまげたたけぞうさんのこと」

 東京ソリッドモデルクラブの山桁丈三(やまげたたけぞう)さんが、去年の夏ぼくの工房を奇襲しパチパチ写真をいっぱい撮って、後日それらを自分のクラブのホームページで「驚愕のストラクチャーの世界」という記事にまとめ、掲載してくれたことがあった。そして秋には千石教室を訪問し「千石教室訪問記」という記事を書き、又つい最近では正月に赤坂のプリンスホテルで開催された催事会場へもやってきて、そのレポート記事を掲載してくれるなど、このところ頻繁にぼくの活動を、彼らのHPで取り上げてくれている。それらはそのつど当欄でも紹介し、ご覧になった方も多いと思う。
 そのやまげたさんが、このたび小生の自由が丘教室初心者クラスへの参加を表明し、つまりうちの教室の生徒におなりになった。こういうのをミイラ取りがミイラになったとでもいうのか、はやくもクラスの人気者になりつつある。そして彼は、今度はうちの教室の生徒という立場から、またまた記事を書いた。下のホームページ、コーヒーブレイクというセクションにおける「自由が丘教室・秋の小屋」と題する記事(2010,1,31日付)がそれだ。是非ご覧になってください。
http://www.ne.jp/asahi/tsmc/net/

 やまげたさん、あんまりしょっちゅう芳賀ネタばっかりをやってたら、そのうちそっちの読者にあきられちゃうんじゃないんでしょうか。だからもうちょっと間をあけてもいいと思うんですが…。

自由が丘教室で
写真:やまげたたけぞう

近況③「情景王とのツーショット」

 これを読んでいるかたならばヤマタク(山田卓司)さんて知ってますよね。情景王として泣く子も黙る存在である。このあいだ秋葉原のイエローサブマリンで、そのヤマタクさんとバッタリでくわし、やあ、やあ、とひさしぶりの再会をよろこんだ。そこまではいいんだが、そのあといきなり、カルチャーで教えてカネになるの?——-や、模型という定義をどう考えるのかなど、立ちばなしにしてはいささか重すぎるテーマのつっこみを受け、たじたじとなった。
 そこで
 「ブログに掲載したいので、一緒に写真でも撮りませんか——」
 と、やんわりはなしの腰を折り、店のすみっこに移動してパチリと撮ったのが下の一枚。
 右がヤマタクさんだが、やっぱ、ハクリョクあるよね。

写真:くにかわなおき


2010年2月7日