幻の横浜駅

 むかしの横浜駅の模型展示物をつくってほしいという依頼があり、このごろ毎日そのことばっかりを考えている。
 下がその駅だ。
 この駅はいまの横浜駅とは別の場所に、大正4年に建てられた。しかし大正12年の関東大震災で被災してしまい、たったの8年しか使われなかったそうだ。その後昭和3年に現在の場所に新しい横浜駅ができ、いまではこの駅のことを知る者もなく「幻の駅」と呼ばれている。
 写真を見ればわかるように、つくるのはものすごくむずかしそうである。
 ちなみに展示物が完成した暁には現横浜駅の一角に設置され半永久的に展示されるらしい。てーことはくだらねーものはつくれねーってことだ。
 一体どんなものをつくったらよいのか。
 いま必死に考えている。

幻の横浜駅

2011年8月27日

近況①「中井さんからのメール」

 (株)丹青社の中井弘志さんから久しぶりのメールがあった。
 『私はこの春オープンした「リニア鉄道館」で鉄道のジオラマを作る機会があり、足掛け3年ほど鉄道模型の世界にいました。制作面積が大きすぎて、ディティールに凝る前に、全体のクオリティーとして鑑賞に耐えられるものにすることに腐心いたしました——』
 なんてことが書いてあり7~8枚の写真が添えてあった。下はその中の一枚だ。
 中井さんがどこかに依頼してつくらせたんだと思うが、それにしてもよく出来ている。
 かつて石ノ森萬画館に納入するために、わたしが「トキワ荘」をつくったとき、その依頼主が㈱丹青社で、中井さんがその担当者だった。彼は見かけによらず(失礼!)美大出身で、非常に繊細で緻密な絵を描くひとである。そのへんがこのジオラマにもあらわれているような気がする。

縮尺80分の1

近況②「さようなら…」

 月刊「はるかプラス」の9月号が発売になった。
 今号では「DANONE 1944年/夏」という作品を紹介した。
 ——-以下記事より。
 左の写真は1944年に撮られた。
 中央のタイル絵は牛乳会社が取引先に配ったもの。看板にはBEU RRE(バター)、OEUFS(玉子)、FROMAGES(チーズ)とあり、その下にEPICERIE(食品雑貨)、VINS(ワイン)などの文字。ウィンドーには野菜や果物が山積みだ。要はなんでも売っている。ここは昔のコンビニだ。そしてDANONEとは食品の有名ブランドのこと。今も健在だ。
 1944年とはノルマンディー上陸作戦があった年である。8月にはパリが解放された。歓喜に沸いた夏。人々の暮らしは急速に平時に戻りつつあった。そんな時代のコンビニだ。作品は12分1。制作1999年。
 以上9月号より。
 気分よく続けていたこの連載「カリスマ模型師・芳賀一洋の世界」だったが、残念ながらあと一回で終了することとなった。昭和59年から27年間続いていたこの雑誌が、次号(10月号)をもって休刊することになったからだ。ご他聞にもれず昨今の出版不況が原因らしいが、まあしょうがないってことか…。

月刊「悠+」(はるかプラス)9月号より
発行:(株)ぎょうせい

2011年8月20日

改題し写真を撮り直しました

 下の写真の作品は、以前は「孤独の世界/スペシャル」というタイトルでした。これを今回の催事(ドールハウスの世界展/8日終了)に出品するために、イエローサブマリンの棚から抜いてきたところ、急にあちこちを直したくなってしまい、木をふくめていろいろと手直しをしたのです。そしたら題名もチェンジしたくなり、このたび「晩秋の情景」へと改題し、ついでに写真を撮り直しました。
 ——-ぜひご覧ください。
http://www.ichiyoh-haga.com/jp/structure/win22.html

2011年8月12日

奥川作品のこと

 今週は毎日「ドールハウスの世界展」会場(横浜高島屋8階)につめている。
 今回この会場に、ぼくは計13点の作品を出品しているが、ぼくの他にもさまざまな作家さんたちがさまざまな作品を展示している。中でも奥川泰弘さんの作品がスゴイ。下がその写真である。
 ご覧の通りこれはドールハウスというよりもプラモデルのジオラマだ。だがひと目見たとたん目が点になることうけあいだ。実は彼の作品はDOOZY MODELWORKSという名前でイエローサブマリン「芳賀コーナー」の隣の棚にも置いてあり、かねがね気にはなっていた。その奥川さんと今回はじめて会場でお会いし、はなしを聞くことができた。
 現在彼は47才。今年の春までの12年間なんと横浜でセブンイレブンをやっていたという。ところが数年前、近くに大型スーパーが出来たことから売り上げが激減し、仕方なく店をたたみ、模型の仕事をはじめたそうだ。まさに拙者とそっくり。
 しかし、はじめたばっかりだというのに彼はもうイエサブに自分のコーナーを持ち、アマモ(アーマーモデリング誌)でバーンと紹介され、静岡のホビーショーやワンフェスや、そしてこのたびのドールハウスショーにまで顔を出しヤル気マンマン、着々と地歩を固めつつあるのだから、たいしたもんである。
 そんな奥川さんの作品を見ることができる「ドールハウスの世界展」。8月8日までやってます。ぜひご来場を…。
 ちなみに縮尺は24分の1だそう。

“http://www.doozymodelworks.com/”
“http://doozymodelworks.blogspot.com/”

2011年8月7日

近況①「エンディングノート」

 北海道のスギちゃんや宮田いづみさんらとおなじころ、ぼくの教室にいたことがあった砂田麻美ちゃん。ご存知のむきも多いだろう。その麻美ちゃんからメールが届いた。
 芳賀先生
 大変ご無沙汰しております。砂田です。
 その後おかわりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
 ところで、今年の1 0月に私が初監督したドキュメンタリー映画「エンディングノート」が新宿ピカデリー他全国で劇場公開されることになりました。
 2009年末にガンで他界した父の最後を追ったものですが、闘病記的な内容ではなく、高度経済成長期を駆け抜けた元営業マンが人生の期限を悟った時、どのように人生の終わりを段どっていくのか…という側面を、長年私が撮りためた父の映像から浮き彫りにしていくエンターテインメント要素の強いドキュメンタリーです。
 現在「奇跡」が公開中の是枝裕和監督がプロデュースを担当しています。
 公開まで今しばらくありますが、どうぞ応援の程宜しくお願い申し上げます。
 またお目にかかれますのを楽しみにしております。
 不安定な天気が続く毎日ですが、くれぐれもご自愛くださいませ。
 砂田麻美
 (以上、砂田さんの許可を得て掲載)

 すごい! あの麻美ちゃんがムービーディレクターとしてメジャーデビューを果たし、全国で劇場公開するドキュメンタリー映画を撮ったというのだ。しかもその映画をプロデュースしているのは世界の是枝監督だという。今日性満点のテーマらしいので大いに話題になるだろう。
 ちなみに砂田さんは近々テレビにも出演するそうなので、時間等がわかりましたらまたお知らせいたします。
 映画『エンディングノート』の公式HP : http://www.ending-note.com/
 是枝監督『奇跡』の公式HP:http://kiseki.gaga.ne.jp/

エンディングノート

近況②「高島屋展開催のこと」

 月刊「はるかプラス」8月号が発売になりました。今号では「キャフェ・ル・マルスワン」を紹介し、同時に高島屋展の開催情報を掲載いたしました。
以下本文です。
 MARSOUIN(マルスワン)とは兵士(歩兵)のこと。当時フランスはアフリカに多くの植民地があったことから、絵の中の兵士は過酷なアフリカの原野に立っている。転じてマルスワンというキャフェは、汗水たらして働く者たちが憩う庶民の店だった。同時にバーもやっていたので、朝からリカー酒をあおるゴロツキも多かった。
 左が実際の写真である。店名と兵隊の絵はそのままいただいたが、その他の部分は自由気ままに適当につくった。制作1999年。縮尺12分の1。
 ところで8月3日~9日まで、横浜高島屋8階で催される「ドールハウスの世界展」に、本作を含め約10点の作品を展示する予定です。是非ご来場ください。
 以上が8月号の記事だった。
 その高島屋のことですが、上の原稿を書いた時点では「8月9日まで」と言われていたのでそのまま書きましたが、正しくは「8月8日まで」です。
 お間違いのないようお願いいたします。
 ——–どうぞよろしく。

 タイトル:ドールハウスの世界展/手工芸バラエティフェア
 会場:横浜高島屋8階特設会場
 期間:2011年8月3日(水)~8月8日(月)
 時間:午前10時~午後8時(最終日は午後6時閉場)
 定休日:なし
 入場:無料

月刊「悠+」(はるかプラス)8月号より
発行:(株)ぎょうせい

近況③「伊藤邸見物ツアーのこと」

 以前当欄でお伝えした伊藤邸見物ツアーのことですが、参加者は結局以下の21名でした。今回で3度目になるこの催し。★印は初参加の方々です。

  坂田会長
 ★岸本さん
 ★佐野さん
  サカエリ
 ★しげちゃん
 ★ゆうこりん
  高谷さん
 ★穴熊さん
 ★かおりさん
  らるかちゃん
 ★のぶさん
 ★西山さん
  斉藤刑事
 ★山田優さん
 ★おがおが
 ★目黒ちゃん
 ★大田さん
 ★和泉まゆみさん
 ★けっとちゃん
 ★木島千香子さん
  いちようさん

 下の写真は伊藤邸の「伊藤ギャラリー」において伊藤作品に群がっている参加者たちです。このあと台所や、風呂場や、伊藤部屋(通称「鉄道マニアの雑念が消える部屋」)など、どこもかしこもくまなく探索し、あとは近所の居酒屋へ。ところが居酒屋のあと、うっかり見忘れた「伊藤パズル(? )」を求めて、ふたたび伊藤邸へ戻るやからもおり、正に伊藤づくしの一日となりました。

2011年7月30日

シゲザネさんの作品

 7月16日(土)に、あるマンの教室をやっているときに、ひさしぶりにシゲザネさんが遊びに来て、下のような作品(制作途中)を見せてくれた。
 持ってくるための箱から取り出して組み立てるのに約20分、そしてしまうのにも20分と、出し入れだけで40分を要する大作である。
 みんなあっけにとられて「わ~スゲエ!」を発するのみ。
 ちなみに縮尺は20分の1だそう。

重実博幸さんの作品

2011年7月24日

ソーシャルネットワーク

 ある若手の生徒氏がある晩やってきて頼みもしないのに勝手にぼくのパソコンにツイッターの登録をしてしまった。それ以降、しょうがないのでツイッターというものを始めてかれこれ10ヶ月になる。そして今年の春、ある方から、これからはフェイスブックの時代ですよと言われ、こんどは自分で設定し、フェイスブックなるものまで始めた。
 始めたのはいいが、ときどき何かのメッセージを発信せねばならず、これが結構わずらわしい。加えて週一回当欄も書かねばならぬので、パソコンをいじっている時間は増える一方だ。宣伝と考えてどうにか処理しているが、まだまだ活用しているとまではとてもいえなそう。ファンのみなさん、どうかフォローのほう、よろしくお願いいたします。フェイスブックの「友達承認」も基本OKですので。
http://twitter.com/#!/hagaichiyoh
http://www.facebook.com/profile.php?id=100002170093595

 ところでフェイスブックってもんはわからんことだらけ、おじさんにはチンプンカンプンである。だれかある晩たのみもしないのにやってきて、親切に教えてくれないかなあ。

「あるマンガ家の住居」(制作途中)
つい最近フェイスブックに投稿し好評を博した写真です。

2011年7月17日