「ルイ・ブラン通り5番地」のこと

 当サイトの表紙の写真を最新作「ルイ・ブラン通り5番地」にチェンジいたしました。
 同時にこの作品の写真5枚を「作品ギャラリー」に掲載いたしましたので、あとでぜひご覧になってください(下)。
 http://www.ichiyohhaga.com/jp/artinbox/win37.html
 むかし、パリでよく地下鉄に乗った。
 当時シャンゼリーゼあたりを走っていた路線の車両はすでにかなりモダンで、車輪にはゴムタイヤが使われ、滑るように走った。しかしちょっと外れた路線になると車両はまだまだ木製で、自分でガチャガチャッと鍵を外し、ガラッと扉を開けて乗り降りするスタイル。そんな車両たちがゴトゴト行き交うパリ北東部にルイ・ブランという駅があった。宿への行き帰りにはいつもここでいったん下車し別の車両へ乗り換るため、毎日必ずこの駅の地下ホームに立ってうす暗い天井を見つめた。見つめる先には大きな青いホーローの看板があった。そこに白であざやかに「LOUIS BLANC」と書かれた文字を、いまでもはっきりと覚えている。
 そして今回、あらためてパリの地図を眺めてみると、この駅のすぐ東側に、同名の通りがあることを発見。迷わずそれを作品の題名にしてしまった。
 で「ルイ・ブラン通り5番地」である。
 —–なおこの作品は、日本橋の三越で8月1日から開催される「ざ・てわざ展Ⅱ」に出品する予定です。

「ルイ・ブラン通り5番地」(1/12)

2012年6月23日

太田さんごめんなさい

 先週銀座伊東屋でペーパークラフトの天才太田隆司さんの作品展をやっていた。
 太田さんはただの紙切れをナイフで切って、貼って、ただそれだけで、人々の喜びや悲しみ、思い出や記憶といったかたちではないものを見事な立体作品に仕上げている。
 下が太田さんのホームページだ。
 http://www.paper-museum.jp/
 写真を見ただけではどんなものかよくわからないかもしれない。
 要はいろいろな色の紙を、建物や人物や木や自動車のかたちに切り抜いて、半立体状に貼り付けて、4~50センチ角のフレームの中に構築した3Dアートである。それが太田さんの手にかかると紙の人間ひとりひとりがまるで小津映画の登場人物のように、それぞれの感情を持って生き生きと立ちあがってくるのだ。昭和の日本の風景の中で、美しいヨーロッパの町並みの中で、しわくちゃのおばあちゃんが、わんぱく小僧が、若いカップルたちが、作品の中にちゃんと生きているのである。
 以前三越ではじめて見たときには大変なショックを受けた。
 その太田展がこんどは伊東屋で開催されるというはなしを聞き、事前に宣伝するつもりでいた。しかしついうっかり忘れてしまい、今になってしまった。
 太田さんごめんなさい。
 m(_ _)m

左が太田さんです

2012年6月16日

玉ノ井作品のこと

 自由が丘の教室に玉ノ井彰祥(たまのいあきよし)という生徒がいる。慶大出身の29才。カネがないカネがないとぼやきながらCG関係の会社に勤め、趣味でドラムを叩いている。
 「週末にジャムセッションがありますので…」
 と、しょっちゅう教室を休むので、模型のほうの腕前はあんまりたいしたことはないとおもっていた。
 ところがである。その玉ノ井くんが先日びっくりするような作品を持ってきた。それを是非みなさんにもお見せしたいとおもい、短文と一緒に写真を送ってもらった。
 以下、玉ノ井文。
 はじめまして、自由が丘教室生徒のタマノイです。
 今回自分の作品を先生のサイトに載せていただけるとのことで光栄です。
 最初の作品は先生に「よくできてる、驚いたよ。」と結構ほめられたのちに「75点だよ」と言われ、なんだか複雑な気分になりました。自分的には75点って、良くも悪くもない中途半端な点数という気がして…。
 で、今回は写真見せたら80点、実物みせたら90点と少しは及第できたとおもいます。
 ゆくゆくはオリジナル作品も作りたいですね。
 文章は、もっとふざけたものがよければ書き直します。もっとまじめなのがよければ、それはそれで書き直します。よろしくお願いします。
 ではでは。
 ——–というわけで下が玉ノ井作品だ。
 写真がいまいちだが実物はなかなかよいのです。

玉ノ井作品

2012年6月10日

シカゴショーのこと

 来年4月に米シカゴで開催されるミニチュアショーに参加の予定。
 だからそれまでに会場で売るためのミニチュアパーツをどっさりつくらねばならず、うんざりしている。それがイヤなので今年は不参加だったが、米ファンから「さみしい」という声や、主催者トム・ビショップ氏からのお誘いもあって、重い腰をあげることにした。
 つきましては同行者を募集しています。

 タイトル:シカゴ・インターナショナル2013
 会場:ホテル・マリオット・シカゴ・オヘア
 住所:8535 W. Higgins Rd, Chicago, IL 60631 U.S.A.
 電話:800-228-9290 or 773-693-4444
 プレビュー・ショー&販売:2013年4月19日午前10時~午後5時
              2013年4月20日午前9時~午前10時
 ショー&販売:2013年4月20日午前10時~午後5時
 ショー&販売:2013年4月21日午前11時~午後4時
 主催:トム・ビショップ・プロダクション
http://www.bishopshow.com/chiinfo.htm

 ショーは3日間ですがセットアップを含めて現地「マリオット・シカゴ・オヘア」に4泊する予定です。ホテル代が約5万、飛行機代往復約10万、プラス食費がかかります。
 同行を希望する方がいらっしゃればお早めにお申し出ください。
 うちのクラブからはわたしのほかに古橋いさこさんが参加する予定です。

2011年シカゴで

2012年6月2日

新作のこと

 ひさしぶりにひとつ作品ができた。
 題名は「ルイ・ブラン通り5番地」。
 作品としてはギャラリー(画廊)だが、店のかたちは荻須高徳氏の油絵「ビリヤード屋」からそっくりそのままいただいた。全体の雰囲気もだいたいは荻須絵に準じたが、店内はジュルジュ・デ・キリコの絵画にあるような、非現実的ムードを醸すよう心がけ、荻須絵でありながら同時にシュールレアリズム風な味付けに仕上げた。
 そこまでは意図した通りだったが、全体の着色は、もっとセザンヌ風に、雑に、生き生きと描きたかった。だが結局は 今回もただの写実絵になってしまい、反省している。
 でも、まあいいんじゃないか…。

「1/12 ルイ・ブラン通り5番地」
本作に使ったミニチュア絵画の作者は以下の方々です
Ellen Tomy, Johannes Landman, Natasha Beshenkovsky

2012年5月28日

静岡の催事に出ます

 ■19日と20日の二日間、静岡で開催される合同作品展に出品します。

 タイトル:第23回モデラーズクラブ合同作品展
 会場:ツインメッセ静岡(静岡ホビーショー会場内)
 住所:静岡市駿河区曲金3丁目1番10号
 電話:054-285-3111
 会期:2012年5月19日(土)・20日(日)
 時間:午前9時~午後5時(20日は午後4時まで)
 テーブル名:「芳賀一洋&渋谷クラフト倶楽部」
 テーブル№:101
 入場料:無料
 ※静岡ホビーショーの一環として行われる合同作品展です。
http://www.hobby-shizuoka.com/

 くだらない理由がありまして、今回わたし自身は行けないのですが、わたしの作品を二点展示します。ほかにクラブ員たちの作品を約10点、計12点を展示する予定です。
 静岡のショー会場へ行かれましたら是非われわれのテーブルにもお立ち寄りください。
 ——-どうぞよろしく。

去年の写真
「芳賀一洋&渋谷クラフト倶楽部」

2012年5月19日

中川さえさんのこと

 去年の夏、横浜高島屋で開催されたドールハウス関係の催事に出展したとき、大ファンだというヤングウーマンから握手を求められた。彼女は自分でもミニチュアをつくっていると言い、自作が多数掲載されたブログのアドレス(下)を置いて帰った。
 http://ameblo.jp/kotu-minute/
 その女性、中川さえさんは新潟の出身で、彼女がまだ新潟の実家にいたころ、ネットで偶然ぼくのサイトを発見し、一発で気に入り、すぐに写真集「ICHIYOH」を買って、それを片時もはなさず、風呂場にまで持ち込んで、眺めつづけたそうである。
 現在、彼女は東京の建築設計事務所にお勤めし、毎晩終電で帰宅するという激務のかたわら、上のブログに掲載されている数々の作品(驚愕の作品!)を生み出した。恐るべきヤングウーマンである。
 その中川さん、この4月から、なんとぼくのクラフト教室(自由が丘)に通いはじめた。
 彼女ほどの技量の持ち主なら別段習いにくることもないと思うのだが…。
 そんな新入生、中川さえさんをどうぞよろしく!

中川さえ作「日本家屋」1/40

2012年5月12日