写真はいまつくっている馬具店の内部です。
床にたくさんの旅行カバンが積み重なり、天井にはズラッと馬の首輪がならんでいる。壁にぶらさがっているものは馬のベルトです。
内部の様子は以前制作した「カール・フローセス・ストアー」の依頼主からいただいた古い写真をもとにしている。しかし今回は、そのときの写真には写っていなかったストーブを部屋の真ん中に置いた。
前作同様馬具類は当クラブの山野順一朗氏が制作を担当。旅行カバンは田山まゆみさん、ストーブの炎は山口貞彦氏が、それぞれ制作を担当。
前作「カール・フローセス・ストアー」の依頼主だった米ナンシー・フローセスさんは、この店をずっと馬具店と呼んでいた。ところがアメリカで調べると、ここは馬具店ではなく、駅馬車の出発準備室だとわかった。
映画「駅馬車」(J・フォード監督)は8頭の馬で引っ張られていた。
てーことは、駅馬車一車を仕立てるには首輪8個にベルト8本が要る。乗客は一車6人だったので、一車出るたびにトランク6個が消えていく。そう考えると駅馬車準備室説はまことに理にかなっているが、ナンシーさんに準じ、今まではずっと馬具店で通してきた。しかし今回の依頼人はカタール人である。そろそろ本当のことを言ったほうがいいように思い、以後できるだけ本作を「駅馬車ステーション」と呼ぶことにする。
もうほとんど完成しているように見えるだろうが、現在あることに悩んでいて、まだまだ、まだまだ、先は長そうだ。
2014年1月11日