ひと月前、ある方から連絡があって、近々クランクインする予定の映画にいくつかの模型(ジオラマ)が要るとおっしゃり、だいたいは以下のような話をされた。
主人公である少女がその祖母に、祖母が17才のころに住んでいた家の模型を見せるシーンがあり、祖母がその家の窓から、当時の自分の部屋を覗いて懐かしがるという場面を撮影するために模型の家一点と、その室内のジオラマ一点が必要だ。そしてこれとは別に、むかしの阿佐ヶ谷一帯の風景と、当時の駅をあらわした模型が要るので、都合4点のジオラマ(模型)をつくってほしいとのこと。
「いつまでに?」
と聞くと、9月には撮影が終了するので、それまでに、という返事。
もちろんお断りした。
そんなにたくさんを急にはつくれないからだ。
しかし、ただ断るだけでは申し訳ないと思い、そのようなジオラマを精力的つくっておられる若手の実力者をひとり紹介し、帰ろうとすると
「どうしても、一点だけでも、あなたにお願いできないか」
と、強く頼み込まれ、仕方なく「祖母が覗いた室内の模型」一点を、お引き受けすることになった。
(縮尺については特にいわれてないが、おそらくは12分の1になるだろう。)
まだなんにもやっていないので、非常にあせっている。
9月末までには完成させねばならぬが、なにぶん時間がないので、あんまりたいしたものはつくれないかもしれない。
2014年8月9日