「昭和の挿絵画家」

 この夏から「Gallery ICHIYOH」 に、元生徒スズキ・マサハルさん作による「昭和の挿絵画家」という作品が展示されているが、(ことの経緯は8/21日付当欄に)、秋にギャラリーを訪れたニコラス・フェルナンデスというオーストリア人が、その作品を購入したいと申しでたため、売るのか売らぬのか、スズキさんに電話で問い合わせるというひと幕があった。(詳細は10/16日付当欄に)。
 結局「売らない」ということに落ち着いたが、それから約2ヶ月たったいま、改めてスズキさんから下のようなメールと写真が届いた。

 以下スズキ文。
「やっぱり売りません」

 先日、カナダ観光客の方(*注: 正しくはオーストリア人)から拙作「昭和の挿絵画家」 を売ってくれませんか?との嬉しいお知らせにトキメキましたが、国際郵便で放り投げられたら“昭和の残骸”になりそうで、やっぱり売りません。というのもこの作品、室内レイアウトがラクになるよう壁が床からスポッと抜ける分解式。天井や屋根もただ“乗っているだけ”です。
 さらに小物の大半は愛用の強力ゴム系「GPクリアボンド」による、逆さにしても落ちない絶妙な“半固定”。おかげで今でも気軽に模様替えできますが、異国へのひとり旅はさすがにヘビーです。
 以上、当人の承諾を得て掲載しました。売るかもしれない騒動から少し時間がたちましたが、当時書いた記事のつづきという意味で掲載させていただきました。
 こうして写真を見ると全分解できるスズキ作品のスゴさが改めて伝わってまいりますね。
 ——-なお本作はGallery ICHIYOHでご覧になれます。