写真は、2019年9月にスタートした「デカルト通り48番地」制作講座においてつくりつづけてきた作品だ。途中にコロナがあったりして、予想以上の時間がかかったが、やっと完成させることができた。
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したウジェーヌ・アジェという写真家がいる。レトロな時代のパリ街並みを撮った風景写真を数多く残している。彼は自分が撮った写真のすべてに撮影場所の地名を記録していて「デカルト通り48番地」と記した写真には古ぼけた小さなパン屋が映っている。その写真を気に入ったわたしは、2011年、アジェが記した地名と同題のアートインボックス作品をつくった。オリジナルの写真はもちろんモノクロなので、色はわからず、この時はそれをブルーの作品として仕上げた。(当サイト作品ギャラリーに写真があります)。それから8年経って、ある生徒氏からリクエストがあり、そのアジェ作品を工作教室のテーマとして取り上げて欲しいと言われ、もう一度つくることになった。しかしおんなじ作品が2個出来あがってもしょうがない。
という訳で、こんどはブルーではなく、ピンクのデカルト通りに挑戦することになった。
教室での実技指導はすべてピンクで行ったが、生徒のみなさんは以前つくった拙作のようなブルーを目指すという、ちょっとややっこしい展開に。そして、あたりまえだが、わたしの見本作はピンクとして完成!
色が違うとまるで違った作品に見える。
さて、題名はどうするか‥。
上がピンク色の「デカルト通り48番地」。今回フレームの色にちょいとこだわり、うすいわさび色っぽい新色を使ってみたが、うーん、よくわからない。違和感はないのだが、地味過ぎたか。