5/11 付け当欄でメチャクチャにぶっ壊れた状態の写真を掲載した「石ノ森章太郎の机」だったが、おかげさまで修理が完了した。(下の写真)。
これをつくった当時私はけっこう売れっ子で、伊東屋、石の家、ニコレットの居酒屋と矢継ぎ早に大作をつくり終え、そのすぐあとにこの仕事が舞い込んだ。2008 年の6 月に突如制作を依頼され、納期が確か8 月の末だった。ところが私は同年8 月から開催予定の拙展「—-Paris—-芳賀一洋展」の準備に追われ、ほとんど身動きが取れなかった。それでもつくってほしいと言われ、仕方なく拙作中最多の豪華助っ人陣による外注作戦が繰り広げられた。
すなわち椅子、机、Z ライトはよしだともひこ氏、仮面ライダーは矢沢俊吾氏、カーテンは佐野匡司郎氏、書籍は田山まゆみ氏、文房具は米山楊子さん、漫画原稿は坂井恵理さんという6 人のプロに、それぞれのパーツを手分けしてつくってもらい、最後にそれらをHagaがビルドアップするという方法で間に合わせた。
なのでぼくは台座や壁などの基本部分以外はあんまりつくっていない。
それなのに非常によい作品に仕上がったのは、上の6 人が素晴らしい仕事を残してくれたからである。それらがすべてぶち壊されてしまったのだから、最初は打ちのめされ、完全に直すのは無理だろうと考えた。しかし終わってみればなんじゃらほい。ほぼパーフェクトに修理が完了し、むしろ以前よりよくなった部分もあって、直した自分が驚いた。
そうして生まれ変わった本作。さっそく7 月には萬画館での展示が予定されている。
2017年5月28日