2016年10月から続いている「1/15トキワ荘制作教室」がそろそろ大詰めを迎えている。その通算19回目の講座が昨日午後6時から自由が丘グリーンホールで開催された。トキワ荘をつくるのはこれで5度目という小生、さすがに当初は飽き飽きしていたが、やっと完成が見えてきたいま、急にやる気が湧いてきた。
昨晩のお題は「屋根」だった。
壁や玄関なら何枚もの写真が残っている。だが屋根となると写真がなく、且つだれも見たことがない。なのに諸説があり、過去いろいろな屋根をつくった。最初につくったトキワ荘の屋根は普通の黒い日本瓦だった。次のトキワ荘は赤茶色の日本瓦だった。三作目ではまた普通の黒い瓦に戻り、そして一昨年、豊島区に納入したトキワ荘では、ふたたび赤茶色の、こんどはセメント瓦の屋根にした。(セメント瓦とは戦後の一時期よく見かけた文字通りセメントで固めた瓦のことで、ペタッと薄っぺらくて、通常セメント色をしている)。普通の黒い日本瓦なら既製品が売っている。しかしセメント瓦となるとわざわざ作らねばならず、豊島区版ではボール紙で作った。それを赤茶色に着色し、屋根に貼ったわけだが、ぼくはどうもその色が好きではなかった。
もともとセメント瓦を言い出したのはトキワ荘の大家氏である。従って豊島区版では、色のことを含めてすべてを彼の言に従ったわけだが、この度つくっている自由が丘版では別段クライアントがいるわけではない。せいぜい好きにやらせていただこうと思っている。
昨晩の講座では、まあそんなことを生徒のみなさんに説明し、こんどはセメント色のセメント瓦にすることを宣言した。
お陀仏にならなければ本作は今秋完成の予定だ。
2018年6月24日