昨日9月25日に、ニューヨークから帰ってきたところである。(ニューヨーク行きの内容に付いては8月26日付けのトークスを参照のこと。)
現地は東京以上に蒸し暑く、かなりまいったが、全体的には非常に有意義な出張だった。もともと当サイトを現地で少しでも宣伝できれば‥との思いからの出発だったが、米国のミニチュア系マガジーン2誌に拙作が紹介されることが決まったことなど、そのほかにもいくつかの思わぬ収穫が得られた。しかし最後は、私ひとりがリッチモンド・ヒルの邸宅に取り残されるという孤独な結末を迎えた。というのは、最初は、私を含めて計9名の大所帯だったのだが、途中から次々と、そのうちとうとう全員が帰国してしまい、また、この家の主である石橋上人も現在は東京の実家に帰っている最中なので、いまは完全な無人家。そこに私ひとりが取り残された。
帰国の前日、暇つぶしに以下の手紙を書いた。
ただいま米国時間の9月23日(火)。わたしはまだ寺(邸宅)にいて、1階の白いソファーの上でこの手紙を書き始めたところです。
現在、午前3時45分。
もうこの寺には、わたし以外には誰も居ません。
ニューヨークに来てからは、ずっとショーのことや、ジェーンさんからのインタビューのことなどを考えていて、まったく観光らしき行動をする気が起きませんでした。とりわけ最大の心配ごとはショーの搬出でした。場合によっては、私ひとりで搬出せねばならぬ可能性もあり、最悪の場合は、シティーのレンタカー屋からライトバンを借りて来て、自分で運搬することも視野に入れて、覚悟しておりました。しかし幸い、高木淳子さんが居てくれたお陰で、搬出は、おとといの日曜日に、難なく終了。そして会場から戻ってきたぜんぶの物品の整理整頓や再梱包の仕事まで、すべて片付いたのが、きのう(月曜)の昼1時でした。これでやっと今回の私の任務はほとんどおわり、昨日の午後は、心からホッとした気分に浸ったものでした。それでやっとメトロポリタン美術館などを見物する気になり、午後の2時ごろに出かけたところ見事に休館! それからは歩いて歩いて歩いて、マディソン通りから、グリニッジビレツジから、バワリーへ‥‥。足がへとへとになるまで歩き回り、当初は「養老の滝」でメシでも食って帰ろうかと考えていました。そしたら途中で日本の食材屋を見つけ、思わず、大量に買い込んでしまったものです。
* いいちこ(焼酎)下町のナポレオン
* 納豆(おた福なっとう)3パック
* 明太子(辛子明太子)4切れ
* 生卵(6個)
* 永谷園の「たらこ茶づけ」
* 伊藤園の緑茶
* キリンの一番搾り(2本)
* もめん豆腐(1丁)
* 日清のこだわり「麺の達人」
* 赤いきつね・デカ盛り
* 読売新聞・国際版(9月22日付)
以上ぜんぶで、確か60ドルぐらいでしたが「養老」をやめにすればおんなじような値段。従って昨晩は寺でメシを炊き、いいちこを飲みながらスルメ(池田さんからのプレゼント!)and 豆腐 and 納豆という、グッドな組み合わせを堪能することができました。
――ところで、今回この寺で御一緒させていただきましたのは以下の方々です。
*石橋行受上人(いしばし・ぎょうじゅ・しょうにん)
(石橋上人の本名は石橋君康・きみやす・ですが出家してからは行受となりました。)
Nipponzan Myohoji New York Dojo
Mr. Kimiyasu Ishibashi 00th Street Richmond Hill NY. 00000 USA
Tel 000-0-000-000-0000
000-0000 東京都北区○○ TEL 0000-0000
若手の三羽ガラス
*田中香織(たなか・かおり)
000-0000 東京都世田谷区 ○○○ TEL 0000-0000
*金子智太郎(かねこ・ともたろう)
000-0000 東京都台東区谷 ○○○ TEL 0000-0000
*井田陽子(いだ・ようこ)
000-0000 千葉県柏市○○○ TEL 000-0000
ミドル・グループ
*稲葉美智子(いなば・みちこ)
000-0000 東京都渋谷区○○○ TEL 0000-0000
*坂井恵理(さかい・えり)
000-0000 東京都豊島区○○○ TEL 0000-0000
*及川麻紀(おいかわ・まき)
000-0000 千葉県船橋市○○○ TEL 000-0000
池田親子とその友人
*池田邦子(いけだ・くにこ)
000-0000 千葉県千葉市○○○ TEL 000-0000
*池田 聖(いけだ・きよし――池田邦子さんの次男)
*高木淳子(たかぎ・じゅんこ――池田邦子さんの友人)
000 church Rd. Apt. 0-0 North Wales PA 0000-0000 tel. 000-000-000
000-0000 東京都小金井市○○○ TEL 000-0000
ダライ・ラマ見物グループ
*Michelle Monagas(ミシェール・モナガス)
000 Cranberry Meadow Rd East Calais, VT 00000
*赤嶺辰次(あかみね・たつじ)
Tsukazan 0000-0000 Haebarn OKINAWA 000-0000 Japan
――以上の方々でした。
と、ここまで書いたら朝の6時近くになりました。
ここリッチモンド・ヒルでは午前の5時ごろから、突然雨が激しく降りだしていて、いくらか風も出てまいりました。実は、きょうは、トレインに乗って「BAYSIDE」というところまで出かけねばなりません。そこに「Tee Ridder」という名前のミニチュア・ミュージアムがあるのです。もしかするとそこに拙作を展示して戴けるかも知れません。知り合いはもう誰も居ないので、この際は、私ひとりが(決死の覚悟で)出かけてゆき、先方の館長と会わねばなりません。それが、ここでの最後の仕事になるはずです。
ペン・ステイション(マディソン・スクェアーガーデン)からロングアイランド鉄道に乗って、約1時間で「BAYSIDE駅」に着くそうです。それからはタクシーでミュージアムに向かうつもりです。
うまく行きますかどうか‥‥。
いずれにしましても明日(24日)には帰国いたします。
HAGA in Richmond Hill
2003.9.23
6:50 am.
以上が、先おとといの朝、書いた手紙だった。
この手紙を書いたあと、私は風雨の中をミュージアムまで出かけて行った。そしてミュージアム関係者のご夫妻と、郊外の素晴らしい英国風レストランで昼食を取った。昼食のあと、表に出ると、幸いいつの間にか雨は上がっていて、いくらか日も差していた。
結局、拙作を展示するというはなしは実現し、一点だけ(Numero 118という作品)を、そこに置いて帰ることになった。と、いっても永久展示ではなく、10~11月と約2か月間、期限を切っての短期展示だ。
2003年9月26日