以前はリリーという名前の雌ネコを飼っていた。彼女はペルシャとの混血だったので、やわらかくて実にシャレた色合いのグレーの毛並みをしていた。そして常に、餅のように人間にしがみつくというやっかいな特徴があった。しかしある雨の晩に、とつぜん彼女は病気で死んでしまい、翌日玄関脇の植え込みの傍に穴を掘って埋めた。土砂降りの雨が降りしきる日曜日の朝のことだった。
それからしばらくはネコ・ナシだったが、家のネズミがだんだんとふえてきて、夜中に枕元をかけずりまわるまでになっていた。そんなある日、うちの娘が道端で、メスの子猫を拾ってきた。けっこうかわいい顔をしていたので、ネズミ退治にと考え、飼うことにした。
名前は「ルル」。
下に写真を掲載したが、これは一ヶ月以上も前に撮った写真なので、いまはもっと大きくなっている。しかし、あいにくまだ一匹のネズミも捕っていないので、おふくろや愚妻がしきりに文句を言っている。
2004年8月17日