昨今、スポーツがたいへんな盛り上がりを見せているという事情は理解している。また私は高校のころテニス部に所属していたこともあったのだが、子供のころから運動(スポーツ)の類は、どうも好きにはなれなかった。運動会にもまったく興味がなく、その日になるといつもずる休みを繰り返していた記憶がある。従ってオリンピック中継なども、どこがおもしろいのか意味がわからず、若いころはほとんど見なかった。
先日、ちょうどアテネオリンピックの最中に、私の教室の生徒数人と歓談する機会があったが、みなさん興味ナシといった風情で、我が意を得たりと思ったものだ。だいたいからして模型をやる方々は、なにしろオタクと呼ばれる方々ばっかりなので、たいがいはアンチ・スポーツ派なものだ。私の推察によると当クラフトクラブに所属するみなさんのうちほぼ全員がそうだと思われる。つまり体育会系のひとたちは、はじめっから模型などやらないのである。もちろん何事にも例外はあるが、模型を作ったり、絵を描いたり、作曲をしたり、小説を書いたりといった仕事には、非・体育会系キャラのほうが明らかに向いているようである。
かく言う私ではあるが、オリンピックについてはたったひとつだけ自慢がある。どうして私がそこに行ったのかが不可解だが、私は代々木のオリンピックスタジアムにおいて東京オリンピックの女子陸上を、ライブで見物しているのだ。私の席は聖火側の中段に位置していたので、振り返って仰ぎ見ると、すぐ近くにオレンジ色の炎がめらめらと揺れているのが見えた。秋晴れの空に映える聖火と、鮮やかなレンガ色のフィールド、スタンドを埋め尽くしていた大観衆7万人(多分)のどよめきなど、まことに非日常的な体験だったので、いまでも強烈な印象として残っている。しかしそれとて学校から無理やり行けと強制されて、多分数名の生徒がいやいや出かけて行ったんじゃないかと‥‥いま考えれば、そんな気もするのだ。
ま、そんなわけで、アテネオリンピックが最終盤を迎えていた8月28日(土)と29日(日)の両日、我がクラフトクラブでは「オリンピックとはなんの関係もない」小旅行に出かけ、男子マラソンも閉会式も見物せずに、ただのドンチャン騒ぎに興じていたのである。長時間にわたるアルコール摂取には若干の疲れを感じるようになっていた私は、今回は不参加だったが、特にドーピングの検査などがあるわけでもなく、みなさんすこぶるゴキゲンだったとの報告を、さっき受けたところだ。
――このたびの「オリンピックとはなんの関係もない」アルコール摂取競技へのエントリーメンバーは以下の方々でした。
稲葉美智子
牧野幸文
中村幸司
坂田真一
赤松義彦
伊藤昭亜
坂井恵理
渡邉格
三宅隆雄
そしてメダル獲得者は、多分上記名簿における上位3名の方々であったと推定されるが、ひょっとすると坂井恵理氏あたりがかなり上位に食い込んでいたのかも知れない。
下に写真を一枚掲載したが、当日は折からの台風16号の接近によって、あいにくの雨だったため、まじめな集合写真を撮るチャンスを逸し、残念ながら競技中の写真のみしか残っていないとのことだった。
写っていない方々にはお詫び申し上げます。
2004年8月31日