現在このウェブサイトの表紙に使っている写真は、去年の春、伊東屋を作っていたときのものだ。この写真のあと、作品は2004年5月には完成し、当サイト「ワークス」のセクションでたくさんの完成写真を見ることができる。そしてそのあと実はもうひとつ、これと非常によく似た作品を作り始めている。本編(伊東屋)制作のために調達したパーツがいくらか余っていたことに加えて、せっかく覚えたいくつかの新技術を一回ぽっきりで封印してしまうのはもったいないと思ったからだ。そんな事情から再び作ることにしたのだが、もう一回作るのならばと、今回は私の工作教室の課題として取り上げることにし、「スモール伊東屋」(本編よりは一回り小さいという意味)みたいなものを目指している。しかしなにぶんひとつ一つの作り方を説明しながら、しかも生徒さんたちの制作進度とあわせながらの仕事なので、どうしてもスピードが遅くなる。はじめたのは去年の夏のことだったが、それでも最近やっとかたちになってきた。下の写真を見てほしい。もちろんまだまだ未完成だが、オリジナル(伊東屋)と非常によく似ていると感じられることだろう。そして本編を製作中だったころの写真(表紙写真)と比べると一歩完成に近づいていることをご確認いだきたい。
あまりにも本編(伊東屋)に似ているために、このたびのスモールバージョン製作に先立っては、趣旨を説明して、伊東屋の伊藤高之社長には「似たものをもうひとつ作ってもよろしいでしょうか?」と問い合わせて許可を得た。そして(言われたわけではないが)「伊東屋」という名前は使わないこととし、いまのところ「東屋」(あづまや)という屋号を考えている。
おかげさまで一番やっかいな室内(店内)は大方終了し、そろそろ全体形状に取り掛かろうというところまできている。これからがおもしろいところなので私はやる気満々。やっと興に乗ってきた。ただこの作品は、生徒さんたちにとっては少々むずかしいので、一体何人の方々が完成までこぎつけることができるのかと心配している。
いずれにしても年末までには間違いなく完成する予定だ。できるだけ小さな作品に仕上げて、完成した暁にはアメリカまで持って行き、あっちのミニチュアファンにもお見せしようかと考えているところである。
2005年5月10日