先日、ご近所の畳屋のご主人・橋本政昭(はしもとまさあき)さんがやってきて
「素晴らしい船舶模型をたくさん見られるお宅があるんですが、一度見に行きません か‥」
と、誘われた。
聞くと、我が家から徒歩10分ほどのところにある本島邸のご主人洋(ひろし)さんは、帆船模型の制作が趣味で、定年退職をされたあと、たくさんの模型を作っていた。しかし残念ながら10年ほど前にお亡くなりになり、残された奥様がそれらの作品を管理しているという。
一昨日さっそく拝見してきた。
下の写真は、当日拝見したもののうちでは一番大きな作品を私が覗き込んでいるものだ。更に大きな作品もあったそうだが、良いものは親戚知人宅に出払ってしまい、全部が揃っているわけではないとのこと。それでも大小あわせて20点ほどの作品が、日当たりの良いリビングにずらっと並んでいた。さすがに奥様は船の名前にお詳しく、それぞれの船名とともに作品をご説明くださった。中にはサンタマリアやカティーサーク、日本丸など、かなり有名な船も含まれていたと思う。時にはどこかの会社か ら頼まれて作ったこともあったし、台湾の博物館から頼まれたこともあったそうだ。
帰りしな、私も模型を作っていることを説明し、拙作の写真をお見せすると
「主人が生きていたら、どんなにか喜び、良い話し相手になったことでしょう。せめ て10年前にお近づきになっていたら‥」
と、しきりに残念がってくださった。
―――素晴らしいコレクションの数々をお見せくださった本島さんの奥様には厚く御 礼を申し上げます。
ところでこの日見に行こうと誘った畳屋のご主人・橋本さんだが、私が一番初めに開催したエキシビション(渋谷パルコ・ロゴスギャラリー)での搬出の折には作品の運搬を手伝っていただいたことがあった。そしてトキワ荘制作のときには四畳半部屋の畳を作るためのサンプル(ミニチュアの畳のサンプル)を特別に編んでいただいたり、また屋根瓦製作のためにはどこかから本物の瓦を運んできてくれたり‥等々、なにかとお世話になっている方である。氏はこのトークスの読者でもあるという。そう いったもろもろの事柄を含めて橋本政昭氏に対しても、この際は改めて御礼を申し上 げたいと思います。
今後ともどうぞよろしく‥。
2005年9月10日