元日の昼ごろ、数通の年賀状を投函するために、今年初めて自転車にまたがった。サドルに座り、改めてメーターの数字をのぞき込んだ。僕の自転車には小さなメーターがついていて、見ると前日までの走行距離が534キロと出ていた。これは去年の9月の中旬以降、大晦日までに走った距離の累計である。年頭にあたり、やや厳粛な気分で、それらの数字をすべてリセットした。と同時に、今年は一体何キロ走るのだろうかと考えた。
僕は仕事がら、ほとんど毎日のように池袋の東急ハンズまで買い物に出かける。これが往復約10キロである。毎日10キロを走れば月300キロだから、年間では3600キロという計算になる。だが雨や、その他もろもろの事情で走れない日もあるだろうから、実際には、年間2000キロを走れば、まあまあだろうと考え、それを今年のノルマとして課すことにした。
自転車を買ったのは一昨年のことだった。
頻繁に乗るようになったのは去年の夏からで、ダイエットのためである。そのために小さなメーターを買って取り付けて、以後今日まで、毎日の走行距離を測っている。走った距離がわかると張りあいが出るものだ。銀座まで往復18キロだとか、同じく渋谷までが32キロだとかを考えていると、めきめきファイトが沸いてくる。銀座方面へは道が平らなので簡単に走れる。だが渋谷へ、となると、坂ばっかりなので、よほどの根性を入れてかかっても、ついへこたれてしまうこともある。中でも特にキビシイのが六本木ヒルズへのアプローチである。
駒込から六本木へ向かうには、まずは皇居の北側、竹橋あたりに到達せねばならぬ。そこまでが約7キロだ。それから皇居の外側をぐるりと反対側まで回って、国会議事堂の前まで進まねばならぬ。ここいらが、かなりの登りで、結構イヤになる。その後溜池に向かっていったん下るが、そこから六本木の交差点へと向かう長くて急なのぼり坂をクリアーせねばならぬのが、何といっても非常にキビシイ。そうやってヘトヘトバテバテになりながらも、やっと帰ってくると、約30キロほどの走行距離を稼ぐことができる。これを10回やれば300キロだ。300キロといえば東京名古屋間の距離なのだから、ちりも積もればなんとやら‥である。
以前、買い物には、もっぱら50ccのバイクを使っていたが、去年の秋、バイクは粗大ごみに出してしまい、今や自転車だけが唯一の自家用車である。
本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
2006年1月9日