月刊「悠+」(はるか・プラス)での連載4回目、7月号が発売されている。
写真にそえて毎回たった300字という制約のなかで、短い記事も自分で書いているが、これがなかなかむずかしい。字数との関係で多くのことはとても語れず、すると、いきおい、あるひとつの切り口をみつけて、そこを突くしかない。前回は“アートインボックス作品の由来”とでもいった切り口から、「錠前屋のルネはレジスタンスの仲間」という短文を書き、そして今回はそのつづきといった流れで、こんどは“立体絵画”という視点から、下のような一文を書いてみた。
——-以下本文。
「炭酸入りのレモネード」
前号の作品(アートインボックス)は荻須高徳という画家の絵を立体化したものだった。今回もおなじ画家の作品集より、こんどは「がらくた屋」という絵を立体化した作品をご覧にいれる(縮尺12分の1)。画家はこのがらくた屋の左側路上にキャンバスを置き、店を左方向から見た絵として描いた。それをまっすぐの視点に直し、立体化し、つくりあげた作品を上から撮ったのがこの写真である。
絵の具のかわりに木と金属と、布と漆喰と、プラスチックとガラスと紙を用い、筆のかわりにペンチとノコギリと半田のコテと、やすりとハサミとカッターナイフを使って描いた、これは、いわば立体絵画である。
2010年7月3日