内容はみなさんももうご存知だと思う。砂田知昭という一家の主がある日突然ガン宣告を受け、やがて亡くなるまでの悲喜こもごもを、氏の次女麻美さんが記録したドキュメンタリー映画である。
けっきょく砂田氏はキリスト教の洗礼を受けたのち、家族全員に見守られながら天国へと旅立って行くのだが、なんとまあうらやましい方なんだろうと思った。無縁社会といわれている昨今、一体何パーセントの人がこのような幸福な最期を迎えられるのか。
映画の中で彼は
「ぼくは自分を幸福な人間だと思っている…」
と、ごく自然にしゃべっていた。突然の病に侵され、もうすぐ死ななきゃならんというのに、だ。その砂田氏の存在感がバツグンの映画である。いかなる名優をもってしてもこの役(?)だけは本人に敵わぬだろうと思った。
死をつづっているというのに、なぜか見終わったあとハッピーな気分になれる映画である。
——–みなさんも是非!
(新宿ピカデリー他で絶賛公開中です。)
2011年10月8日