「ルイ・ブラン通り5番地」のこと

 当サイトの表紙の写真を最新作「ルイ・ブラン通り5番地」にチェンジいたしました。
 同時にこの作品の写真5枚を「作品ギャラリー」に掲載いたしましたので、あとでぜひご覧になってください(下)。
 http://www.ichiyohhaga.com/jp/artinbox/win37.html
 むかし、パリでよく地下鉄に乗った。
 当時シャンゼリーゼあたりを走っていた路線の車両はすでにかなりモダンで、車輪にはゴムタイヤが使われ、滑るように走った。しかしちょっと外れた路線になると車両はまだまだ木製で、自分でガチャガチャッと鍵を外し、ガラッと扉を開けて乗り降りするスタイル。そんな車両たちがゴトゴト行き交うパリ北東部にルイ・ブランという駅があった。宿への行き帰りにはいつもここでいったん下車し別の車両へ乗り換るため、毎日必ずこの駅の地下ホームに立ってうす暗い天井を見つめた。見つめる先には大きな青いホーローの看板があった。そこに白であざやかに「LOUIS BLANC」と書かれた文字を、いまでもはっきりと覚えている。
 そして今回、あらためてパリの地図を眺めてみると、この駅のすぐ東側に、同名の通りがあることを発見。迷わずそれを作品の題名にしてしまった。
 で「ルイ・ブラン通り5番地」である。
 —–なおこの作品は、日本橋の三越で8月1日から開催される「ざ・てわざ展Ⅱ」に出品する予定です。

「ルイ・ブラン通り5番地」(1/12)

2012年6月23日